先日、ちゅまが泊りがけの出張、ゆうたは私の両親が休みだからというので昼にお迎えに行ってもらい、そのまま私の実家へ連れて行かれた日があった。 計らずも一人っきりの夜となり、存分に気ままな時間を過させてもらおうと張り切っていたのだが、くしくもその日は木曜日。生協の配達日にあたり、夕方には注文していた商品を取りに行かねばならないのである。 さすがに一度家に帰り、用事を済ませてから遊びに出る元気はなかったので、しぜん家で何をしようかとなった。 であればまずはビデオである。 洋画を借りてきて観たのだが、子どもに邪魔されないので一気に観る。面白かった。しかし時間はまだまだある。 メシにするか。こんな時は冷蔵庫の残り物でさっさと済ませる。食器になんてよそわず、箸を突っ込む。洗い物を増やすなんて野暮だ。牛乳は当然ラッパ飲み。ほとんど立ち食い状態である。なんたって一人だ、誰にも咎められない。 さて、止まっていたホームページの更新でもしよう。何の邪魔が入らないので集中して2本書き上げる。すばらしい。 トイレでしゃがんでもドアは全開だ。そして水面がゆれるほどの勢いで放屁する。爽快だ。誰にも臭いなんて言わせない。なんたって今夜の私は王様なのだ。 スッキリした後はのんびりと風呂に入り、出ても汗が引くまで生まれたままの姿でウロウロする。誰にも小さいなんて…いや、まあいい。 誰にも邪魔されず、気ままに過ごした至上の時間もそろそろ終焉だ。広いベッドを一人占めして寝ることにしよう。 夢のような時間を振り返る。 立ち食い、ラッパ飲み、全開トイレ、放屁、全裸歩き……一人になったらやりたいことってこんな程度か、と思ったらなんだか涙が出てきた。 |
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