以前関わった図書が刊行されました。
東京国立博物館,2019,『東京国立博物館図版目録東洋古鏡編』
東博所蔵の世界の鏡(日本出土・日本伝世を除く)600面近くを全点掲載。
最古はシリア出土の1面。
歴代の中国鏡、高麗鏡、朝鮮時代の華角貼の鏡、20世紀初めの台湾の鏡を紹介。
海獣葡萄鏡は40面くらい。
台湾の鏡は植民治下の地場産業アピール。
基本的に、鏡背文様の登場順に配列しています。そのため、倣古鏡も元になった漢などの鏡に続いて並んでいます。
倣古鏡にも時代ごとに好まれる原鏡が異なるので、今後は出土品や伝世品の倣古鏡が年代比定や歴史叙述に生かされると良いなと思います。
鏡面・鏡背・鈕孔(両方)の写真がすべてカラーで掲載され、銘文には釈文もついています。
ほんとうは解説とかも書きたかったのですが、離脱してしまったのでそれはかなわず。
今まで公表されていなかった鏡がすべて公になったことを、まずは喜びたいです。
多くの方にご利用いただければ幸いです。
離脱した後を引き継いで立派な本に仕上げてくださった人々にもお礼を言いたいです。