考古学のおやつ

1998年10月の発見

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1998年10月30日(金)

初物のすいか

実は、今後の予定などのため、「今週の発見」の切り替えを早めにしています。金曜日更新というのは、今までで一番早いんじゃないかな?ほかにも、今回の「発見」は初めてづくしなのですが、それについては後ほど。

仕事場でのことです。ちょっと接客の用事があって、席に戻ってくると、ちょうど3時を回ったころでした。机の上に、ピンク色をした三角形のかたまりがありました。すいかじゃぁないですか!

しかし、もう10月も末。すいかの季節じゃないですよね。温室かなんかで作ったのかなぁ。どんな味か、ちょっと不安だ。

理屈を言ってる場合じゃない。このすいかが甘くてうまいのなんのって、地方出身の私も、こーんなすいかは初めて食べました。

「こんな季節はずれに、こんなにおいしいすいかが食べられるなんてね。」

と同僚と話しながら気づきました。

……。そういえば、今年すいかを食べるの、これが初めてだった。(^^;ゞ」

いやはや、季節感がないというか何というか、ひどい生活をしているもんですね。私って。今に始まったことじゃないけど。改めて発見。

このできごと、実は本当に今週あったんです。この「今週の発見」って、実際にはちょっと前のできごとだったりするんですが、ホントに「今週」(しかも昨日!)の発見なのは、今回が初めてじゃないかなぁ。

もう一つ付け加えると、ここのサイト名「考古学のおやつ」の「おやつ」ってのは比喩でして、実際のおやつのことじゃないんですね。それで、このサイトには「おやつ」の話は出てこなかったんです。比喩には使ってても、「おやつ」そのものにはあまり興味がなかったし(^^;ゞ。そんなわけで今回の発見は、「考古学のおやつ」が初めて比喩じゃない現実の「おやつ」を扱ったということでも、初物なのでした。


1998年10月25日(日)

はじょう!?

展覧会の季節になりました。各地の博物館・美術館も大忙しですが、関係の業界も書き入れ時。ディスプレイ業者の人も、自社が受注しようと、しのぎを削ります。各社、展覧会の趣旨などを把握した後、自信のデザイン案を披露するのですが、その前に、デザインのコンセプトとやらを説明します。まず、展覧会のテーマに対する自分なりの理解を述べて(みんな、時間がないのにけっこう勉強しているm(_ _)m)、その上で(どうやら)最新流行(らしい)いろいろなキーワードを並べ、それらを実際のデザインに反映してみましたと力説するのです(多分)。

必死に説明しているデザイナーさんたちには申し訳ないのですが、私は「へぇ、そうなの」くらいの気持ちで聞いてました。でも、ここまでで、「おぉ、展示の意図を的確に把握してるじゃないか」とか「気持ちはわかるけど、ちょっと違うなぁ」とか、思わせるところもあります。一方、妙なボケを披露するところもあって、なかなか楽しめます(^^。

展示のコンセプトの話を締めくくるとき、
……と、これらをはじょうのないデザインにまとめるよう心がけました。

……(一堂絶句)。

……はじょう??
それ、ひょっとして破綻(はたん)のこと??

おいおい、日本語を正しく使ってよ。テレビとかで毎日のようにC銀の破綻破綻って大騒ぎしてるじゃない。そりゃぁ、テレビや新聞では、「綻」の字が使えないから、字を知らない子供みたいに「破たん」なんて字を使ってるけどね。「はじょうのないデザイン」だなんて、あなたの方がよっぽど「はじょう」してるよ。

デザイナーの隣にいた営業の人は、私たちの質問とかに、いろいろと横からフォローを入れていましたが、なぜかこの「はじょう」には何のフォローもしませんでした。さすがにこればっかりはフォローしきれなかったのか……。いや、無反応だったところを見ると、この会社では「破綻」を「はじょう」と読むのかも。

この秋、あなたも展覧会に出かけて、はじょうがないか、探してみよう(ウソ)。


1998年10月19日(月)

アロハおじさん大活躍/最強のバスケットチーム/茶流彩彩ゴーヤー茶

初めて沖縄に行って来ました。今回は沖縄旅行から2題と、おまけ1題の「発見」です。なお、文中に実在の企業名・商品名が出てきますが、話の都合上実名を出すのであり、他意はありません。また、各社の登録商標も含んでいます。

アロハおじさん大活躍

今回の旅は台風10号の沖縄接近と時期が重なってしまいました。でも、予約した便は欠航しなかったので、何とかなるかも。

飛行機に搭乗するとき、入口にアロハ姿のおじさんが立っていました。「このおじさん、変なとこに立ってるな」と思ったら、「いらっしゃいませ」。あ、パーサーだったのか。この便は、客室乗務員がアロハ姿でした。で、アロハおじさんは、飛行機が離陸するや、てきぱきと機内サービスやらアナウンスをこなしていったのでした。んー。手際がいい(^^。

しかし、飛行機はその間も刻々と台風に向かって進んでいるのでした。そしてついに!!機体が揺れ始めました。ここでもアロハおじさんは機長と連絡を取り合い、スチュワーデスさんと目で合図しながら的確に対処したのでした。

アロハおじさん、なかなかやるな。

那覇が近づいてきました。空港を雲が覆い、着陸できません。夜なので、着陸態勢に入ると機内は暗くなり、そのまま旋回して着陸許可を待つことになりました。狭い機内で明かりも消され、強風でガタガタ揺さぶられながら、待つこと20分。

ひょっとして、今から羽田に戻るなんて、言わないよなぁ(離陸後、機長からの言葉で、着陸可能性80%と言われていた)。いや、あるいは空飛ぶタイタニックとなって海に……。いやだぁ。せめて映画のタイタニックを見てからにしたかったよぉToT(そんなこと言ってる場合か!)。

とはいえ、やっと雲も切れ、強風の那覇空港にめでたく着陸したのでした。

最強のバスケットチーム(おまけ)
この文を書いていて、かなり前、堀ちえみ・風間杜夫が主演していた「スチュワーデス物語」の、あるエピソードを思い出しました。これがおまけの発見です。
このドラマは、誰が見てもはっきり「日本航空」とバレバレなのに、「鶴のマークの我が航空会社」と連呼するシーンがあったり(この方が不自然で気色悪いのにね)、視聴者がブラウン管にツッコミを入れるのを期待しているかのようでした。
あるとき、堀ちえみら訓練生が、訓練所の体育館みたいなところでバスケやってました。そこへ、お揃いのTシャツ・短パン姿の、どー見てもプロの俳優とは思えない雰囲気のおじさんたちがどやどやと登場して、整列しました。さらにそこへ、どこからともなく石立鉄男がフレーム・インしてきて(どこでもドアでもあるのか?)笑みを浮かべながら、
これが、日本航空最強のバスケットチームだ。
何でこういうときだけ「日本航空」って言うの?訓練生はお客様に、「次のご旅行も鶴のマークの我が航空会社へ」とかって言ってるのにね。

茶流彩彩ゴーヤー茶

話を沖縄に戻しましょう。

初めての沖縄の朝は、台風も過ぎ、風は強いものの、よく晴れていました。まずは首里城へ。守礼の門を抜け、直線と曲線、水平線・鉛直線と斜線の組合せも独特な、城壁といくつかの門を眺めつつ。ついに正殿の前へ出ました。まずは展示スペースである南殿に入り、さらに復元された正殿で、美しく復元された漆塗りの玉座など(沖縄県指定無形文化財保持者・前田孝允さんの手になるらしい)を見た後、北殿へ。こちらは簡単な解説コーナーと売店になっています。入ったところに「北殿案内」の看板があり、横に中国語で「北殿指南」。北堂は南を指す??みたいになっちゃうね(^^。

売店の方に回ると、おみやげのほかに、ジュース類の自動販売機がありました。
……。缶ジュースが110円(本土は初夏から120円)。商品はほとんど同じものなのに。そういや、ホテルの中でも110円だった。Rマニアも、無人島から脱出した先が沖縄だったら、自動販売機に驚かないですんだのにね。

商品には、見覚えのあるようなないような缶が。茶流彩彩ゴーヤー茶??東京じゃ見たことないぞ。沖縄限定商品か?……と思ってみていると、5歳くらいの男の子を連れた若いお母さんが、自動販売機の前にやってきました。

母「どれがいい?」。子「これ」。子供が指したのは、紅茶花伝……通かも知れん。
母「それ、紅茶よ。いいの?」。子「うん。飲んだことないから」。

じゃぁ、この子、茶流彩彩ゴーヤー茶は飲んだことあるんだ……(絶句)。

(1998年11月14日補足)この話には続きがあります。

1998年10月12日(月)

日本のお天気って、イングランドに似てるわ。

Jane Potal さんの発見

先週、大英博物館(The British Museum)のJane Potalさんにお会いしました。国内を巡回していた「ブッダ展」が名古屋会場までで終了するので、出品作品の返却作業に立ち会うための来日でした。

Janeさんはもともと中国美術の専門家ですが、大英博で朝鮮美術のギャラリーを設置することになり、現在はその担当者となっています。ソウルの延世大学校に留学して、朝鮮語に堪能です。中国語もできるそうです。Janeさんと私との間でまともに通じそうな言語は朝鮮語だけだったので、朝鮮語でのご案内となりました。

熱心に作品を観察し、的確な指摘をする態度はさすがです。

そんな中、冷たい雨が降り続く屋外を眺めてのJaneさんの発言が、今週の発見。何だか寂寥感漂うお天気は、私のまだ見ぬイングランドと、どこか似ていたのかも知れません。

あまりに極端な天候の変動に、日本の各地で災害が相次いだ今年の初秋。この雨の数日前は気温30°だったし、一体どうなっているのでしょう。


1998年10月6日(火)

命の値段も乱高下

夏の終わりだったか、保険の外交員の方が来ました。
契約を見直してはどうですか

どこからか、じゃなくて、鞄の中からだっけ、私に“ぴったり”のプランを取りだして、延々説明してくれます。こっちは忙しいのにね。

−でも、契約変更にはいろいろ手続きが必要でしょ。
えぇ、あの書類とか、こういう証明とか、そう、それと……
−そんなに……。まぁ、今の契約内容に不満はないし、今回はいいですよ。
でも、こちらの証明は、ちょっとアンケートみたいなのに答えればすみますし、そちらの書類は、後からでも何とかなります。とりあえず、この書類にハンコを……

結局、いろんな事情が重なって、契約変更はしませんでした。

思い返してみると、いろんな証明だの何のと言っても、実際は、ごく簡単な書類にサインしてハンコを押せば何とかなってしまいそうな話ですね。
もしも、私以外に私の名を騙るものがいたら、いや、そんな人物さえいなくて、ただ、「白井に会ったことにして」……

知らぬ間に自分の命の値段が変わり、見知らぬ誰かだけがその相場を知っているとしたら……。でも、起こりうる気がする。


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