考古学のおやつ

1999年1月の発見

[1998年12月|1999年2月|最新|編年表]
1999年1月31日(日)

意外に普通だったりする

私って意外に普通なんですねぇ。え?そんなことないだろって?まぁ、結論を急がないでください。

オチが単純なので、話を少しそらしますが(^^;ゞ、普通というと、私の知る学生さん(現在は就職している)は、一応まじめなんですが、人のアドバイスがまったく実にならない人でした。アドバイスを試みた多くの人がサジを投げて、ある人から「彼の後ろにはサジ塚ができている」と言われていました。

これ、知ってる人が見たら、誰のことかわかっちゃいますね(^^;ゞ。見てる?ぼくの投げたサジ、早く返してね。

何かの話の時、その学生(当時)さんもいて、彼が「ぼくって普通ですよ」なんて言ったときには、つい

キミの「ふつう」は「通じない」の「不通」じゃないの?

と言ってしまったものです(^^;ゞ。

いや、人のこと言えるかなぁ。私もあんまり普通じゃない方かも、まぁ、「不通」ではないだろうな、と思ってました。

さぁて、本題に戻りましょう。私って、意外に普通だったんです。

先日、職場にお客さん、しかも若い女性が来ました。

日程が決まってから、当日までいくらか日数があったので、デスクの回りを片づけなきゃ、と思ったわけです。

なんか、とっても不謹慎な意味に理解してる人がいるみたい。そういう意味じゃないんだけどなぁ。

ところが、ちょうど私の職場の主に使うデスクが変わってしまったころだったので、机の上は移動したての荷物でむちゃくちゃ。とうてい片づきそうにはありませんでした。

少し片づけて、少し途方に暮れて、また少し片づけて……、その繰り返しで、仕事のあとの短い夕方だけでは、とうてい終わる気配のないまま、日を過ごしました。こりゃ、まずいぞ。

で、お客さんを迎える日がやってきました。午後には来ちゃうぞ(^^;。で、とっくにお察しの通り、なぜかこの半日で、ウソのように部屋が片づいていったのでした。火事場のなんとかかも知れません。まぁ、ちょっとだけ片づけきれない荷物の山が残りましたけど。

それまで、自分でも

ぼくは、女性が来るからって片づけが進むようなヤツじゃないのさ

なんて思ってたクセに、これには自分でも驚いてしまいました。でも、こんな風に普通な自分を知ってしまうと、それはそれで、ちょっと残念だったりして(何が?)。

でも、うちの職場って若い女性が多いところなんですよね。だから、お客さんが来たからって片づくってのは、ちょっと問題あるかも(^^;ゞ。最近職場からこれ見てる人いるから、まずいなぁ。

最近は、また散らかってきました。

(1999年2月7日補足)次の週の発見の前置きで続編が載っています。

1999年1月24日(日)

留守電に、2日連続で無言のメッセージ(矛盾した表現ですが(^^;)が入ってました。いずれも午前10時前後です。そんな時間にサラリーマンがいるわけないのにね。こういうのって、だいたいの場合、ついに誰からの電話かわからないんですよね。気色悪いな。

今年は小足を流行らせよう

よく知らないんですけど、去年は小顔(こがお)が流行ったんだそうですね。人をコケにしたネーミングですが、こんなもの、どうやって流行るんでしょうか。小顔に比べたら、茶髪(ちゃぱつ)とか巨乳(きょにゅう)なんて、かなりマシな言葉に見えちゃいますね。どうでもいいけど、小顔も茶髪も巨乳も、どれもこれもATOKで変換できないから、今日は手間かかるな。単語登録するほどのものでもないし。

でも、女性たちに聞いたら、小顔になる化粧品とかも売ってたそうです。化粧で顔が小さくなるとは思えませんけどねぇ。幸せになる壺とどこが違うんでしょ。

時々、自分の顔に無理やり別の顔を描いているとしか思えない人が街を歩いてたりしますが、ひょっとしてその類でしょうか。ほとんどスリラーハウスですね。

昨年の末の、ある集まりで、足の大きさが話題になりました。足が大きくて、外国に行くと必ず靴を買う(日本に適当なサイズがない)人と、足が小さくて困っている人とかがいました。私も、足が小さい方なので、足が小さくて困っている人の味方です。

「小顔も流行ったことだし、1999年は小足(こあし)を流行らせましょうよ。」

そう簡単に足が小さくなるわけはないですが、小顔が流行るぐらいだから、もう怖いものなどありません。足が小さくて悩んでいる人も、これで安心です。\(^^)/(何が安心なのか、ですって?そんなこと考えてるもんですか(^^;ゞ)

こういう流行は、経済活動と結びついていないと成功しにくいでしょうから、小足グッズも開発しないといけません。纏足(てんそく)セットなんて、いかがでしょうか。子供に纏足させちゃうバカ親とか、出てきたりしてね。


1999年1月17日(日)

ちょっと遅い書き初め−冬の夜仕事

今年の書き初めは、1月16日、お題は「小型丸底壺」でした。もちろん、実測の話です。

冬になると実測したり図面をいじる習性がついていますが、最近は実測の頻度も減りまして、昨年は、諸事情はあるにせよ、ものすごく実測点数が減ってしまいました。久しぶりだと、観察しようにもよく見えないし、見えても表現できないし、時間はやたらにかかるし、こりゃ先が思いやられます。ここしばらく、「考古学のおやつ」以外では考古学から遠ざかってたからなぁ。

以前実測した広口小壺の図と比較してたら、そちらの図の日付が目に入りました。1点の広口小壺を1997年12月24日の夜に、もう1点をその翌日、1997年12月25日の夜に実測していました。この年のクリスマスは、小壺の実測をして過ごしたということですね。

職場が変わっても、相変わらず冬の夜に遺物の図をいじっていることに変わりはないというわけです。しかし、クリスマスまでとは(^^;ゞ。

1998年のクリスマスは、「考古学のおやつ」の更新作業をしてました。珍しく、図面をいじらないクリスマスでしたけど、まぁ、大した違いはないってことですね。

これまでに取った広口小壺や小型丸底壺の図を比べていて、だんだん気分が悪くなってきました。

この2年ちょっとの間に実測した図を並べてみると、明らかに実測が下手になってるんですよね。実測の回数が減って、もともとうまくもない実測が、どんどんダメになっているんです。それもそのはず、思ったように鉛筆が動いてないのは自分でもはっきりわかりますしね。しかし、わずか2年でこれほどとはToT。

これでも以前(1995年)は高杯を10分で実測していた(ただし脚が短く、透窓がない)なんて言っても、もう信じてもらえないかも知れません。

今年はもう少し身を入れて実測しないといけませんね。でも時間が……。

この「発見」の「小型丸底壺」と「広口小壺」は、産地が違うのです。

1999年1月10日(日)

新春リモコンおじさん

1月の仕事は、あいさつから始まります(1月に限らず、毎日がそうではありますが)。

「考古学のおやつ、見ました。」

この正月からは、こんなあいさつも加わりました。ありがとうございます。m(_ _)m

企業の重役は、取引先を回ったりしているようです。逆に、各社のあいさつ回りが来るのを見越して、新春いきなり休みを取る強者もいるようです。
今週は、この「あいさつ回り」からの話題ですが、今週のできごとではなくて、確か、昨年か一昨年の話です。

某企業の方が、あいさつに見えました。スーツを着込んだおじさんたちが数人、どやどやと部屋に入り込んできました。いかにも着慣れぬ雰囲気のスーツ姿。「娘さんの結婚式帰りですか」とツッコミの一つも入れたいくらいでした。

その一人、どこかで見た顔は、営業担当の人でした。この人は、慣れた雰囲気です。

「●●社です。本年もよろしくお願いします。」

深々と頭を下げると、次に、ほかのおじさんたちを手招きしました。呼ばれたおじさんたちのうち、とくに年長で、なんだかぼんやりした頼りない感じのおじさんを指して、

「当社の○○でございます。」

と紹介しました。紹介された“当社の○○”さんは、ぎこちなく名刺を取り出すと、両手で持って、ロボ◆ップ(ちょっと古かったな)のようにギクシャクと私たちの方に近寄ってきて、何か意味のわからない言葉をつぶやきながら、名刺を差し出しました。しかしその目線は手に持った名刺の先端ぐらいから動かぬまま。何とも妙な名刺交換でした。

こ、この人何者(^^;ゞ?

おじさんたちが去ったあと、改めて、先ほどの名刺を見ると、こんなことが書いてありました。

株式会社●●社
代表取締役 ○○ ○○

ふ〜〜ん。だいひょーとりしまりやく……ん?

「ねぇ、ねぇ、これ見て。さっきのロボットみたいなおじさん、社長だったんだよ。」
「え?あの頼りない感じの人が?どれどれ?あ、ホントだ。」
「何だか、あの営業の人に操られてるみたいだったね。」

それ以来、●●社はどうやら傀儡政権ではないか、という噂です。
でも、その会社が潰れたという話も聞きませんし、けっこううまくいってるみたいですね(^^。


1999年1月3日(日)

新年明けましておめでとうございます。
今年も「考古学のおやつ」をよろしくお願い申しあげますm(_ _)m。
では、早速今年最初の発見。

教職の資格・学芸員の資格

時々いるんですけど、話の最初に、「私、教職の資格を持ってるんですけど」とか、「学芸員の資格を持ってるんですけど」という人がいます。

一体、何の話を始めるのかと思っていると、だいたい大したことは言わないんですね。何のために最初に資格を名乗ったんだか。
本人は宣言するとメリットがあると思ってるのかも知れませんが、実際は単に“資格”の部分は聞き流されちゃってるんですよね。

よくあるのは、最初は丁寧に話していても、この“資格”を宣言した次の瞬間から、いきなり敬語を使わなくなって、タメ口聞くってパターン。でも、教職や学芸員はタメ口を聞く“資格”じゃないんだし、資格があろうがなかろうが、初対面でいきなりタメ口を聞かれたら、相手は不愉快だってことぐらい、わからないんでしょうかね。

普通に話していただければ、こちらも普通に答えられるし、何も問題はないと思うんですけど。

かくいう私は、教職の資格も学芸員の資格も持ってないんですね。資格にはあまり恵まれてなくて、あるといってもごくわずか。実際役に立ったのは車の免許ぐらいでしょうが、現場から離れた今はすっかりペーパードライバーで、単に千葉県公安委員会公認の身分証明書みたいにしか使ってません。

最近は“ペーパー考古学者”じゃないのか、というツッコミが聞こえてきそう(^^;。

で、それらの資格を持ってる人にお聞きしたいんですが、資格があると、敬語使わなくていいんですか?

冗談はしばらくおいといて、ここで挙げた二つの資格って、共通点がありますよね。といっても、自分では大学での関連の単位さえまったく取っていないので、実態は知らないまま書き進めます。誤謬のご指摘があれば幸いです。

  1. 知的な感じがする。
    どちらも、教育学部の単位とかが必要だし、なんか教育的な匂いがしますね。これを取ってると、頭がよさそうな感じもします。でも、私の大学時代の知り合いでこれらの資格を取った人もいるけど、飛び抜けて優秀とはいえない人もいますよね。まぁ、単位をそろえた分だけ私よりまじめだったわけですが。
  2. 資格があっても職があるとは限らない。
    教職だったら学校の教員になれそうだし、学芸員の資格があると、学芸員になれそうな気がしますね。でも、どちらもそう簡単にはなれないんですよ。とくに学芸員の資格なんて、資格を取っても職がないし、逆にこの資格がなくてもそのテの職業につける場合があります。

冒頭で出てきたような、横柄というか、よくわからん態度って、上のふたつの性格の齟齬の中から生ずるのかも知れませんね。自分は勉強して資格を取ったのに、相応の待遇を得ていない、と思うのかも。でも、しつこいかも知れないけど、いきなりタメ口はないでしょ(けっこうこだわってる(^^;)。

もちろん、これらの資格を持ってる人が全部変なわけじゃありません。まじめに勉強して資格を取って、能力もやる気も人に引けを取らないのに、職に恵まれてない、そんな人もいますよね。
ただ、相手に必然性が理解できないような状況で資格を持ち出す人は、変な人が多いねってことです。

私が以前発掘現場に出ていたころも、資格を首からぶら下げて歩いてるみたいな人が、現場の作業員さんにいました。

こういう人は、なかなか働いてくれないんですよね。平等なはずのほかの作業員さんを見下してたり、ひどいのは担当の調査員をバカにしてたりします。自分はほかの人より優秀、もっとハイレヴェルな仕事を与えられるべき、と思いこんでるんです。でも、“資格”を持ってるだけで、一体何ができるのか全然(おそらく本人にも)見当がつかないんですよね。

だいたい、現場で教職だの学芸員だのと言われても、あんまり役に立ちそうにないですよね。それよりも、「私、レヴェルが読めます」と言ってもらった方が嬉しい。「平板で100分の1の平面図書きます」とか、「トランシットが据えられます」とかって人なら、万々歳です。
さすがに「ボクは5秒でトランシットを据えます」という人がいたら、私の立場が危ないので、保身のためにこの人にはやめてもらいますが(ウソです(^^;)。

「あ、あのう。ちょっといいですか。私、足場の組立て等作業主任者の資格を持ってます、白井って言うんですけど。あ、小学生の時、算盤3級でした。…(ここでいきなり態度が変わる)…この竪穴住居跡だけどさぁ、どんな土器出てんの?」

もし、私が発掘現場を見学するとき、こんな風に話を切り出したら、一発で「あの白井ってヤツは、きっと発掘も実測もできないぜ」なんて噂が流れて業界の笑いものでしょう……え?もうすでにそうでした?すみません。ペーパーなもんで(^^;ゞ。


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