この1週間というもの,私は片づけものばかりで時を過ごしました。そんなわけで,今週の発見のネタが見つかりません(^^;ゞ。
いえ,すでに書き上げた話や,それ以外にも準備している話題があるのですが,なんだかシリアスな内容ばかりなんですね。シリアスの次の回はギャグにしたいと思っているのに,なぜか12月半ば以降はシリアスな話題ばっかり考えついて,困ったものです。
そんなわけで,準備不足ではありますが,あまりシリアスにならないように,とりとめもなく書いていきますね。
不二家のペコちゃんって,知ってますよね。私がよく利用する駅の近くにも不二家のお店があって,やっぱりペコちゃんがいるんです。
先日,ペコちゃんの近くを通ると,彼女の前に,彼女よりちょっと背が小さいくらいの女の子がいました。その子がじっと動かないので,何してるのかと思ったら,少し開いたペコちゃんの右手を,その子の右手が握っているのです。
我が子がいないと振り向いて,ペコちゃんと握手してる娘を見つけたお母さんは,振り返って気づいたときの格好のまま,ペコちゃんと女の子の握手を見守っていました。
その,妙な“間”が,おかしくて,かわいくて,印象に残っています。このできごとはクリスマスのちょっと前でしたが,きっと家族で楽しいクリスマスを過ごしたことでしょう。
どうしてこんな話を書くのかって? だって,クリスマスに関しては自分について書くことが何もないんですよ。情けなや(^^;。
そうこうしつつ,今年もあとわずか。振り返えると,今年は,去年と同じように仕事をして,去年と同じような私生活を過ごしただけかも知れません。やっぱりちょっと情けないですね。
研究の方面では,ちょっと恵まれた事態となりましたが,それは12月29日に登録予定の萬維網考古夜話の第6話で書く予定です。う〜ん。やはり,「考古学のおやつ」開設が最大のニュースかなぁ。
6月から「考古学のおやつ」を始めまして,この「今週の発見」もサイト開設以来,1週お休みしただけで続いています。これというのも,私のために(というわけではないでしょうが)正露丸を焼いてくださった方や,ヤギを吐いてくださった方のおかげです。みなさん,ありがとうございました。m(_ _)m
年内の更新は,12月29日早朝まで続きますが,「今週の発見」はこれが年内最後となります。
経済状況は深刻となり,気分が塞ぐような事件が起こった1998年でしたが,来る年,1999年が,閲覧者のみなさまにとってよい年でありますように。
ボーナスの季節になりました。短くなる一方で,ついに一時消滅さえしていた昼休みの銀行の行列も,一気に復活しましたね。
この不況の折りに,公務員のボーナスだけ増えていると,マスコミで強調されてましたが,公務員の給料が物価などに遅れて動くのはいつものことで,逆に景気がよくなっても,かなり遅れてわずかに増額するだけですから,一時的な現象だけ見ても仕方ないんですけどね。
民間の人たちにとってはつらい冬かと思いますが,この辺が“底”じゃないかという声もあります。もう少しです。
これを書いている12月19日,40's倶楽部の東京off会に出たのですが,民間はホントに大変ですね。
苦しい状況の中,働く人たちは美しいと思うのですが,ごく一部,どーにも許せない連中がいます。
私が学生のころはバブルの末期から崩壊しかけぐらいでしたが,そのころ,同じ世代の学生たちは,ろくに勉強もせず遊んでるだけだったのに,10社以上もの内定を早々と得て,自慢していました。そのとき,公務員になろうとする学生を存分バカにしていたものです。その同じ連中が,公務員になったかつての学友(向こうは“学”んでないから,彼らに学友なんて言われたくはないが)を今度は卑怯者呼ばわりするのは,何とかならんもんですかね。経済状況が変わっても,結局人を「バカ」やら「卑怯者」と罵倒するんだから。
だいたい,バカと卑怯者の両立なんて,仕事と家庭の両立よりもはるかに難しいぞ……などと話をしていたら,いろいろな人から,「いや,○○という役所では,両立してる人がいる」などといった情報が届きました。いや,よくよく考えると,私も心当たりがあるような。そういえばあの人……。う〜ん。やはり日本の官僚機構は重病ということですね。
そうか,かつての学友たちは正しかったのか。とりあえず,私だけは「バカ」や「卑怯者」とは呼ばないでね(自分勝手^^)。
暗い前置きですねー(^^;ゞ。気を取り直して,クリスマスの話をしましょう。
例年より,今ひとつ盛り上がりの鈍い気はするものの,クリスマスシーズンとなり,もうすぐトナカイの引くそりに乗ったサンタクロースが,子供たちにプレゼントを運んできてくれることでしょう。
ところで,トナカイって何語?どういう綴りなんでしょう。北欧の言葉か,ロシア語とかかなぁ。
「まあ,だいたいこういうのは英語を調べときゃ,何とかなるだろう。」
和英辞典を引いてみました。
<ヨーロッパ産>a reindeer《単複同形》;<北米産>a caribou《複数形は caribous》
え?「トナカイ」どころか,似た言葉も載ってませんね。おかしいなぁ。こういうときは,一部に熱狂的なファンの多い(実は私も)『新明解国語辞典』(三省堂)を使わなきゃ。
トナカイ(2)〔アイヌ tonakkai〕寒い地方にすむ,大型のシカ。……(以下略)
(引用は第三版 1984年刊 より)
何と,北欧とかじゃなく,アイヌの言葉だったのか。これは私の認識不足でした。毎年,日本中で語られる言葉,「トナカイ」は,日本でもっとも広く知られているアイヌ語だったのです。
現在,北海道でもアイヌ語を日常的に話せる人はほとんどいなくなってしまいました。アイヌ文化を体系的に知るのも,非常に困難なことになっています。しかし,このトナカイという言葉が,習慣化したクリスマスの行事(しかも商品のやりとりという経済行為を伴う)に組み込まれて生き残っているわけです。
本来舶来の「クリスマス」という行事の中にトナカイという言葉も取り入れて年中行事にしてしまったあたり,いかにも日本的(「和人的」と言うべきかな)ですね。
やはり言葉は,何か社会的な役割を与えられなければ消えてしまいます。いえ,言葉に限らず,文化全般に同じ事が言えるでしょう。分断され,ほとんど消滅させられてしまったアイヌ文化の中で,逆に日本中に知られるようになった「トナカイ」という言葉も,現在の日本人の生活の中に,特別な役割を与えられ,毎年特定の経済行為とともに思い出されることで,生き残っています。
それが「トナカイ」という言葉にとって幸せなことかどうか,わかりませんが,翻って考えると,何かの役割を担って語り継がれるような言葉や文化を,現代の私たちはどれだけ育ててきたのでしょうか。景気がいいときも,悪いときも,結局何も残せない流通の空回りを続けるだけなのでしょうか。
あ〜あ。やっぱり暗い内容になりましたね。仕方ないか,クリスマスなんて,私にはほとんど何の関係もない行事ですからね。(^^;ゞ
次回が今年最後の「発見」になります。みなさん,幸せなクリスマスを。
5・6日に京都,12・13日に福岡に行きましたが,どちらも妙に暖かいのに驚きました。東京は12月に入って妙に寒いのに,です。
で,私はあまりお世話になってませんが,この季節に正露丸(せいろがん)を思い出す人がいるかも知れません。言わずと知れた,大幸薬品株式会社(テキスト版あり。それにしてもseirogan.comとは,すごいドメイン名(^^;)の登録商標ですね。何と,「ラッパ」という言葉も登録商標になっているようです。
(2002年2月17日)このテキスト版のほうはなくなってしまったようですね。
正露丸という名は,もともと「征露」,つまりロシア(露西亜)と戦うという意味で,日露戦争の勝利を背景に命名されたと聞いたことがありますが,なぜか大幸薬品のWeb Pageにその旨の記述はありませんでした。この点では,下で挙げるike氏のページの方が詳しいですね。ただ,ラッパのマークの大幸薬品の「正露丸」は世界的に有名です。(テキスト版)というページでは,ロシアの所にラッパのマークが書かれていなかったので,営業上はまだ征服してないみたいです。
会社案内によると,本社は大阪府吹田市,営業所は国内5ヶ所です。有名企業のわりには社員数はわずか131人となっています。また,会社沿革によると,「征露丸」の登場(この時点では大幸薬品が製造・販売していたわけではない)は1902年(日露戦争の開戦前),「正露丸」への改称は1954年です。
製品紹介によると,「正露丸」以外に「セイロガン糖衣A」,「ラッパ整腸薬BF」を製造・販売しています。
ike氏のチューチューマウスと仲間たちでは,「ラッパのマークの…」以来,「正露丸の新たな事実?」,「正露丸と癌の関係」,「正露丸のさらに新たな事実?」と,正露丸の話題が一時立て続けに載っていました。上の「ラッパ」が商標登録されている件と関連した話題もありますね。
それから,よく聞く「正露丸を歯に詰めると虫歯の痛みがなくなる」という件は,実験した人の体験談もあれやこれやあるようです。と調べていたら,私の周囲にも体験者がいました。
なお,仙台市宮千代加藤内科医院のように,大幸薬品の宣伝に批判的な所もあることは,指摘しておきましょう。
長い前置きでした(^^;ゞ。さて今回は,昔話になってしまいますが,高校時代の話をします。
私の出た島根県立浜田高校は,今年,夏の高校野球で活躍したので,けっこう名前が知られてきました。3回戦,帝京高校との試合(8月19日)はTVで見たのですが,まさかあんな強豪に勝てるわけがないと内心思いながら見てました。体格でも,浜田は身長180cmが最高なのに,帝京は180cmを越える選手が5人もいて,浜田の方はまったく見劣りがしてたんです。ところが,最終回(9回表)の帝京高校の攻撃を見て,ビックリしてしまいました。帝京のバッターの追いつめられた,おびえたような表情。これがかつての優勝校かと疑うほど,雰囲気で浜田に負けていたんですね。たった1点差なのに,ベンチも悲壮感が漂っていました。実は,帝京の選手は一人も甲子園経験がなかったけど,浜田は前年に甲子園の土を踏んだ選手ばかりだったんですね。
翌日の豊田大谷高校と戦った準々決勝でも健闘したんですが(こちらは勤務時間中だったので見られなかった),9回表に追いついて,10回裏にサヨナラ負け。この試合に勝ったら,甲子園まで見に行こうと思ってたんですけどね。ホントに惜しかった。
また,長い前置きをつけてしまった。夏にあまり言及しなかったので,この機会に書いてます(^^;ゞ。それに,今回はタイトルだけでオチがとっくにわかってますから,話を引っ張ってたりして。
浜田高校は,冬場の暖房がガスストーブなんですね。授業の合間には,このストーブの近くに生徒たちが集まってたわけです。
生徒A > オマエ,正露丸持ってきてるんじゃないのか? 何か臭うぞ。
生徒B > (うろたえて)え,も,持ってきてないよ。
生徒A > (疑って)そんなことないだろ。
と,生徒Aが生徒Bの学生服の袖をつかんで揺さぶると,ころころっと小さい玉のような赤褐色のものが床にいくつか転がりました。
一同 > やっぱり持ってきてるじゃないか(爆笑)。
生徒A > (一粒拾い上げて)しかも,ビニール袋に入れて(爆笑)。
必要そうな分だけ,小分けにして持ってきていたわけですね。家族の配慮だったのでしょう。
生徒A > これ(正露丸),ここ(ガスストーブ)に置いたらどうなるかなぁ。
一同 > !(驚きつつも好奇心いっぱい)
生徒Aは,ガスストーブの上に,正露丸の粒を置きました。
一同 > ……(注目)。
生徒A > 何だ,何も起きないじゃん。
生徒C > いや,色が変わってきた!
ストーブの上の正露丸は,下の方からだんだんと,灰色に変化していきます。生徒たちは,その変化に目を奪われました。
しかし,反応によって生じた気体は,空気より重かったのです。その間に床を這っていた臭気は,だんだんと上に上がってきました。
一同 > うわーーー!!
もう,表現できないようなとんでもないことになっていました。大声を出せたのは最初だけ。声出して息するのも怖いくらい。
そのとき,チャイムが鳴りました。授業が始まったのです。英語(よりによって)の授業が。
ガスストーブは,教室の前の方にあります。私は教室の後ろの方の席だったので,急いで席に戻りました。10m以上離れたので,もう安心……では全くなく,その臭いは教室の隅々にまでおよんだのです。
(普段は冷たいくらい冷静−あ,文字の通りか−な)英語の先生 > (うろたえて)な,な・ん・だ,これは?? え? 正露丸?
みんな,おかしくて笑いたいのに,息すると焼いた正露丸の臭いを吸ってしまうから,息を止めてのたうち回りながら笑っていました。
12月に入って,平日夜のアクセスが減り,週末に集中してますね。全国の埋文関係の仕事がそろそろ厳しくなってきたようです。毎晩残業されてるんでしょうか。私も3回ほど冬の埋文を過ごしたことがありますが,大変ですよね。みなさん,いろいろと過酷な条件に苦労されていることと思いますが,お体に気をつけて,お仕事に励んでください。
12月1日から煙草が値上げしたそうですね。それも,国鉄の赤字を埋めるためとか。
運輸大臣・厚生大臣・大蔵大臣を歴任(よくこれだけ関係の部署がそろったもんですが(@@;)した,しかもヘビースモーカーの橋本龍太郎前首相のときに決まった,というのが笑わせますね(愛煙家のみなさんは笑ってられないようですが)。
日頃から「オレは煙草税で国の財政に貢献してるンだ」なんて威張ってる人は,勲章が増えたと喜んでるのかと思ったら,けっこう怒ってる人もいるみたいです。そんなにいやなら,煙草の不買運動とか,JRの不乗運動とか,してみたらどうですか。(^^
それとも,20年前に煙草を値上げしておけば,国鉄は民営しなくてすんだんでしょうか。
まぁ,分割民営化のおかげで,東京−小田原間の快速とか,関西の新快速とか,小倉−博多間の快速とかが異様に速くなりましたね。この3ヶ所は新幹線と在来線が別会社だから,競ってるんです。これが1社独占だったらこうはいきません。埼京線と東北・上越・山形・秋田・長野行新幹線(な,長い(^^;ゞ)は,同一会社でも競争してる希有な例だと思いますが。
『考古学研究』の「会員つうしん」にも「現場を禁煙にしませんか」という意見が載ってましたが,考古学者には喫煙者が特に多いと思うのは気のせいでしょうか。上の文を読んで怒っている考古学者が多いかも知れません。
「もう“考古学のおやつ”なんぞ見るか!!」と思った方は,[Alt]+[F4](NECのパソコンの人は[GRPH]+[f・4])を押して,報告書の原稿の仕事に戻ってください。(^^
さて,前回は次のように締めくくりましたね。
来週,よほどの大発見(といってもくだらないものでしょうが)でもない限り,「メトロのひとこと」をお送りします。
結局,大発見というほどではなかったのですが,別のネタがありましたので,またも「メトロのひとこと」は先送りとなりました。「今週の発見」に以前のネタを引きずってるのもどうかと思いますし,書いてみたらかなり長文になりましたので,いずれ別コーナーででも「メトロのひとこと」を載せようと思います。
この1週間というと,大阪大学の都出比呂志先生にお会いしたとか,私にとっては大きなできごともありましたが,それは,ほえづらコラムの方に書くこととしまして,今日はこの師走にちょっとだけ心が温まった話を書きます。
埋文行政から離れて,最近はデスクワークの多い私のもとには,なんだかんだで書類が来ます。で,だいたいは通り一遍の送り状みたいなのが多いんですね。
先日も,いろんな書類に埋もれていました。で,とある送り状を見ていて,ちょっとしたことに気づきました。
「ねぇ,この書類,見てくださいよ。」
「ええっと……。送り状ですね。」
「何か気づきませんか?」
「普通の送り状だけど……。」
「日付,見ました?」
「え?日付?」
「そう。」
「平成11年12月24日……あれれ?」
「クリスマスイブなんですよ。」
「1ヶ月違いで書いちゃったんですね。」
「もう気分はクリスマスなのかな(^^。」
クリスマスの過ごし方とか,プレゼントのこととか,考えながら書かれた送り状だったのかも知れませんね。
まだちょっと早いけど,クリスマスのこと考えながら仕事してる先方のことを考えて,ちょっとだけ気分が和んでいました。