考古学のおやつ

2000年12月の発見

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2000年12月31日(日)

いつの間にか12月も終わろうとしています。このままでは12月に「今週の発見」がないことになってしまいます。これはまずい。9月16日に予定していてお蔵入りになった話をしましょう。

監禁

物騒なタイトルですが,これは我が家での出来事です。

それは初夏のころだったでしょうか。よく晴れた気分のいい日でした。黄色いチョウチョがひらひらと舞っていました。絵に描いたような平和な光景です。

私が外出しようと家を出ると,チョウチョは私の近くにまで寄ってきました。人を怖がらないようです。

さて,時間もないし,出発しなきゃと戸を閉めたとき,なんと先ほどのチョウチョが,戸の閉まる寸前に家の中に迷い込んでしまいました。

ありゃりゃ。……と思って戸を開けると,見える範囲にはもうチョウチョがいません。これから外出のために戸を閉めなきゃいけないのに,このままではチョウチョを家の中に閉じこめることになってしまいます。戸や窓を開けたままにしておくと,近所のネコに侵入されそうで心配です。かといって,家の中に戻ってチョウチョを探し出して追い払うだけの時間もありません。

どうしよう……。でも,半日くらいなら閉じこめられてても大丈夫かな?といういい加減な考えで,とりあえず外出することにしました。


さて,帰宅して家の中でチョウチョを探しました。チョウチョの生命力がどのていどのものか知りませんが,自然から半日も切り離されていたのは苦痛でしょう。早く逃がしてやらないと。

ところが,どこにもチョウチョの姿がありません。飛んでもいないし,どこかに止まっているわけでもありません。どこかに出口を見つけて外の世界に帰ってしまったのでしょうか。それとも,どこか本棚の隙間にでも迷い込んでしまったのでしょうか。

それ以来,半年以上経ったはずで,年も明けようとしているのに,チョウチョの消息はわかりません。家の中の見える場所に餌が放置されているわけでもなく,季節も巡って寒くなったので,ひょっとして監禁されたまま寂しい死を迎えたのでしょうか。

あのとき迷い込んだように見えたチョウチョが幻だったのならいいんですが。


と,何も話がまとまらないままですが,今年の更新はこれが最後です。

来年はこれまで以上にコラムを書く余裕のない年になりそうですが,21世紀も「考古学のおやつ」をよろしくお願い申しあげますm(_ _)m。


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白井克也 Copyright © SHIRAI Katsuya 2000-2001. All rights reserved.