2000秋 うどん国さぬき編
(その5)





 さて、幸せ気分で次の店に向かう私たち。一路車は仲南町へ。
 今度の店は山奥にあるので、うまく見つかるかどうか、かなり不安なのだが、
 とりあえず進む。
 
 国道32号を高知に向いて進み、途中財田町との境付近で左折する。
 そんなことはどこにも書いてないのだが、とりあえず地図ではその辺り、
 と言う程度で進む。
 ちょっと行くと、右手奥に手書きの「うどん」と書いているような看板が見える。
 「あれやないん?」と目星をつけ、右折して踏み切りを渡ると、池の横の角に、
 「うどん」の文字。そうしてその角の細い道からは、車が数台降りてきた。
 「も、もしかしてここ?」「そうじゃ、看板に書いとるわ」

 離合は無理かもというような山道(しかも片側は池だ)
 を登りきると、そこには目的のうどん屋「山内」
 あった。10台くらいは止められる駐車場には、
 何台もの車。菊の花を売っている入り口を横目に入ると、
 何人もの人が、ずるするずるとうどんを食べている。
 バラ寿司、ジュースなども置いていて結構手広い感じだ。
 「何にします?」と聞かれ、メニュー板(注文するところの
 上にあった)を見ると、「しょうゆ」などの他に、
 「あつひや」「あつあつ」「ひやあつ」などの文字も。

 「どっちが麺でどっちが出汁?」
 という疑問も聞けず、とりあえず二人とも「あつあつ」を頼む。
 天ぷらも、がー、と並んでいたが、今後の(もちろん胃の)ことを考えて、取らなかった。

 熱い汁のうどんにしたせいか、それとも今日は調子がいいのか、ずるんずるん、と
 快調に私の箸は進む。出汁は結構好みなのだが、麺にはもう少し歯ごたえがあると
 いいなあ、と思いながら、食べたのだが、まあ麺を味わうなら、「しょうゆ」とかに
 した方がよかったのかもしれない。とにかくNARUよりも早く食べ終えた私。
 「よっしゃ、まだいける」と昨日の苦しさがウソのようだった。

 食べ終えて外に出ると、「一休みしていい?」とNARU。少し森林浴をした気分で、
 駐車場の車を見ると、何と!半分以上広島ナンバーの車なのだ!
 さぬきうどん屋巡り、などをしている広島県民は私たちだけかと思っていたのに・・・
 驚きだ。
 しかしこの店はこんな山奥にあるのに本当に人気。次から次へと車が入って来るのだ。
 そうしてこんな山奥なのにうどん屋があって、そこが異様に繁盛している香川って、
 本当に「うどん王国」の名にふさわしい、と変に感心した私であった。

 さて、店を出た私たちは近くの「道の駅」に行く。前にも書いたが、うどんを何杯か
 食べていると、喉も乾くし、甘いものが欲しくなるのだ。道の駅では手作りらしい
 アイスクリームを食べる。NARUは柿のシャーベットで、私は栗(バニラに栗の粒が
 入っていた)だったのだが、このアイスがどちらも半端じゃなく美味しい!
 柿はまさしく柿の味(それしか書けない)で、栗はミルクの風味に、栗の粒の味が
 絶妙にマッチしていて、クリーミーで甘すぎなくて、と、とてもよかった。
 近くならちょくちょく来るのに、とちょっと残念。

 

 アイスも食べ、体内の塩分感覚(と言っておこう)も落ち着いた二人は、最後の店へと
 出発する。私の故郷愛媛にちょっと似た(当たり前だ、隣県だし)のどかな景色の
 のどかな道を快適に出発。国道32号から39号に入って善通寺に着き、
 高校野球で有名な尽誠学園の前を通って、県道22号に右折する。
 「この辺なんだけど・・」とぐるぐる見ていたら、右手の道の奥にうどん屋を発見。
 「あれじゃー!」と右折して、やっと辿り着く。

 しかし、さすが大人気店。しかもお昼時に行ったのもあり、
 すごい車の量である。駐車場も空いてないくらいだった
 のだが、運良くすべり込むことができ、この旅最後の店、
 「山下」へ到着。
 店内も一杯で、ようやくカウンターに座り、注文する。
 「さとなお」さんは冷ぶっかけがおすすめ、とのこと
 だったのだが、出汁につかったものが食べたかったし、
 最後の店、と言うことで「きつねうどん」を二つ。

 カウンターの中では店主がうどんを伸ばして、てんてんてんてん、と小気味いい音を
 たてて切っている。奥ではたくさんのおばちゃんやおじさんたちが、丼を洗ったり、
 うどんを茹でたり洗ったり、具を乗せたり出汁をかけたり、と慌ただしくしかし元気よく
 楽しそうに働いていた。そんな風景を興味深く眺めていると、うどんが来るまで
 あっという間だった。

 さて、その「きつねうどん」、大きなきつねに感動して、まずはうどんを一口。
 結構しっかりめの麺だが、強すぎるということはなく、するすると入って食べやすい
 感じ。生き生きして滑らかで若干ぷりんとしていて、お揚げにもしっかり甘い味が
 染みこんでいて、どんどんすすむ。またまたNARUよりも早く、瞬く間に私は
 うどんをたいらげた。
 「はやー」と言うNARUに「もしかして私まだいけるかも」と答える私。

 さて長い(?)うどん旅を経て、帰路につく。今回の旅、予想以上にディープだった
 さぬきのうどんの世界は、本当に面白かった。香川の人たちにとって、うどんが
 ものすごく身近で、そして大切にされていることを知り、ますますさぬきのうどんが
 好きになった私。まだまだ店はたくさんあるので、絶対(近いうちに)また食べに来る!
 と心に誓ったよい旅であった。

 しかしその日の私の胃は本当に絶好調。だって家に帰った後「うどん食べたいな」と
 思ったんだもん。どうやらさぬきのうどんの奥深さにはまってしまったようです。

 NARU「今度は広島風お好み焼きの食べ歩きしようや!」
 私「一日に何枚も食べれんやろ!」

                      完

 読んでくださった皆様、ありがとうございました。
 そのうちまた香川に行って食って、第2弾を書きたい!と思っております。


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