2000秋 うどん国さぬき編
(その4)





 今夜の宿は「空港グランドホテル」。あの加ト吉が経営しているホテル、のようだ。
 結構キレイなホテルなのに、何とツインが8000円!。しかも最上階には、
 天然温泉の大浴場が!。壁が薄い(テレビ消したら隣の部屋の女の子たちの会話が
 聞こえる)のと、フットライトが切れてたのだけが難点だが、後は全然問題ない。
 この値段なら多少の事は許す。
 しかし、ゆーっくり温泉につかり、少しでもカロリー消費を、と思った私の願いも
 むなしく、全裸で乗ったヘルスメーターは、出発前日よりきっかり2キロ増を
 示していた。そうして風呂上りに野菜ジュースとシャンパンを飲む二人・・・。

 次の日。朝食(1000円くらい)は和食。
 内容は、とっても久しぶりのご飯と、鮭、明太子にお味噌汁、野菜などなど。
 うどん以外のものに久しぶりに巡り合った私は、うれしくて、怖いくらいに箸が進む。
 それに、新米だろうか、ご飯がとっても美味しいのだ。
 しかし、またうどんの一日が始まるのね、と一応、腹八分目で済ませたのだが。

 さて、チェックアウトを済ませ、車に荷物を積んで、さあ行こうか、という時に、
 「フリース忘れた!」と気づき、大急ぎで部屋に戻る。出発前に気づいてよかった、
 と一安心。これで心置きなく、またうどん旅に出発なのだ。

 

 2日目の最初は、綾上町の「山越」を目指す。「さとなお」さんによると、
 ここの「釜玉・釜あげした麺に生卵を混ぜて、醤油をちょっとかけて食べる」が
 すっごく美味しいらしい。どうしてもどうしてもそれが食べたい私が、
 「絶対ここ行かんといけん」とプッシュしたのだった。

 しかし、途中、家しかないところに、何台もの車が
 止まっているのに気づく。「?」と思って、「!」と
 気づいた私はNARUに、
 「今の製麺所やないん?戻って!」と叫び、
 車はUターン。前に止まって見てみると、
 車の影に隠れて見えなかったのだが、
 「うどん池内」とある。
 「うーん、どうしようか。山越が近いよね」と思った
 私たちは、とりあえず一度「山越」に行く事にして、
 車を発進。

 しかし見つけた「山越」は日曜がお休みだった。大ショック!ああ釜玉・・・。
 そんな訳で、再び「池内」に戻る。最初止めたときは、道路端に車が一杯だったのに、
 少しの間に減っていた。みんな早食いなのだろうか(って何だそりゃ)。
 がらがら、とサッシの玄関を開けると、中にいたおばちゃんが、
 「食べるんだったら裏に回ってー。横に道があるから」と言う。「ウラ?」と思って
 見ると、「お手洗い」と書いた扉の横に、隣家との細い隙間が・・・。
 「道ってこれ?」と思ってると、中から人がちょうど出てきたので、
 「こりゃー、いきなり来ても分らんよねえ」と言いながら、そこを入る。
 裏には川があり、川では何故か見事な鯉が泳いでいて、まさしく家の裏って感じの、
 なかなか味のある景色。

 中へ入り、うどんを頼む(そばもある)。じゃ、とゆがいて、丼に麺を入れて、
 渡してくれる。「出汁はかかっとるけんね」と聞こえたのだが、ぱっと見、麺だけ
 (葱はかかってる)なので、「出汁は?」と思って、他に食べている人の前にあった
 やかんを「これ出汁ですか?」と聞くと、「それはお茶」と、猛烈に食べていた
 そのお客さんが短く答えてくれる。「?」と思ってよく見ると、出汁は底に
 あるようで、「あら」と思い、早速食べ始める。NARUが「鯉を見ながら
 食べんといけん」と言うので、でっかい錦鯉を見ながらざくざくと立ち食いをした。

 ここの麺は、太めでやや柔らかめで素朴な味。出汁との相性はほどほど。
 しかし、食べ終えた後、お金を払い(何と100円だ!!)車を動かしていると、
 たまたま出てきた「池内」のおばあちゃんが、こっちを向いてすごくいい笑顔で、
 「ありがとう」と言い、私たちはとても幸せな気持ちになった。
 これだから旅はやめられない。
 (その後、「恐るべきさぬきうどん」なる本を手に入れ、「池内」のところを読むと、
 このおばあちゃんは若い恋人がたくさんいる、とあった。もしかして魔性の女?
 そうしてあのラブリーな笑顔で悩殺するのね、うーん、ステキ。)


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