3.粉飾実績

 競馬などの予想屋のうち、よく的中実績があります。で、それを信じると結果痛い目に遭うケースがままあります。

 さて、政権担当能力を証明するために野党時代、民主党はいくつもの法案を提出してきました。
 実は、マニフェストの大見出しになる主要施策でもすでに法案として提出されていたものがいくつもあります。
 これらをいくつか拾って見てみたいと思います。

(1)中学卒業まで、1人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給します。
「子ども手当法案」平成20年12月11日提出、審議未了

(2)高校は実質無償化し(、大学は奨学金を大幅に拡充し)ます。
「国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進及び私立の高等学校等における教育に係る負担の軽減のための高等学校等就学支援金の支給等に関する法律案」
平成21年4月24日参議院可決

(3)後期高齢者医療制度は廃止し(、医師の数を1.5倍にし)ます。
「後期高齢者医療制度の廃止等及び医療に係る高齢者の負担の軽減等のために緊急に講ずべき措置に関する法律案」平成20年5月23日提出平成20年6月5日参議院可決、以後平成21年の通常国会まで継続審議

(4)農業の戸別所得補償制度を創設。
「農業者戸別所得補償法案」平成19年11月9日参議院可決、翌国会で平成20年5月9日衆議院否決

(5)中小企業の法人税率を11%に引き下げます。
「租税特別措置法の一部を改正する法律案」平成21年6月26日参議院可決

(6)月額10万円の手当つき職業訓練制度により、求職者を支援します。
「求職者等に対する能力開発の支援及び解雇等による離職者の医療保険に係る経済的負担の軽減のための緊急措置に関する法律案」平成21年3月10日提出

(7)地球温暖化対策を強力に推進し、新産業を育てます。
「地球温暖化対策基本法」平成21年4月24日提出


 これだけ法案を提出していると、代表的なものはすぐにでも実現できそうに見えます。

 ところが、この法案たちは、成立しないで良かったですね・・というものも少なくありません。

 次から具体的に見てみましょう。


(1)の旧子ども手当法案。
 この法案は年2万6千円(第6条)、事務経費は国庫負担(第15条)!
 しかも21年4月1日で児童手当廃止(附則第2条)となっており、成立しても3ヶ月程度しか準備期間がない上、定額給付金どころではないばらまき・国庫負担激増の要因になりかねないものだったんですねぇ・・。

(2)の旧高校無償化法案。
 一見あまりかわってないようですが、旧法案は、授業料相当の奨学給付金を保護者に給付する形でしたが、今国会で成立した高校無償化法は、公立は授業料を徴収せず、私立は一定の奨学給付金を支給する形になりました。

 つまり、旧法案では、保護者への給付のため、悪い親がいれば使い込んでしまう可能性も十分あるわけです。で、滞納→退学という問題が生じ、根本問題が何ら解決しない可能性がありました。

 それに対し、新法では事実上保護者の手には行かないので、保護者による不正使用が避けられます(奨学給付金は学校の代理受領(第8条))。

 この辺、新法では練られていると思います。それでも朝鮮学校などの問題はありますが・・。

(3)の後期高齢者医療制度廃止法案。
 平成21年4月に同制度を廃止して、改正前の老人健康保険制度に戻し、そのために必要な法制上及び財政上の措置その他の措置を講ずる(第2条)と書かれています。
 もともと提出時期が20年5月だったから施行日が21年4月1日だったのに、21年になっても継続審議で施行日はそのままだったので、可決する気はなかったのでしょうが。

 どっちみち、「必要な法制上及び財政上の措置」なんか無理。机上の空論だったわけです。

 しかも、問題は、「老健制度に戻す」というこの法案の根幹部分を、政権獲得後すぐに撤回したんですよねぇ・・。

 具体的には、長妻大臣が着任後すぐに後期高齢者医療制度「廃止」を明言しましたものの、昔の老健制度には戻さず、今後3年かけて新しい制度を検討するとか(それまでは後期高齢者医療制度は継続)。

 いや、妥当な判断だとは思います。行政マン的には。

 が!だったら、老健制度に戻す、としたこの法律案はいったい何だったんでしょうか?
 それまでさんざん批判してきたのはいったい何だったんでしょうか?二枚舌もいい加減にしろよ、と思います。


(4)の農業者戸別補償法案。
 米、麦、大豆その他前条の目的の達成に資するものとして政令で定める農産物が対象(第2条)で、平成21年4月から施行されることになってました。

 しかし政権獲得後の農業者戸別補償制度は、財源等の理由で22年度は米だけのモデル事業で開始されます。

 麦とか大豆とか含まれるこの法律が可決されていたらいまごろ大変なところでしたね・・。


(5)の法人税率引き下げ法案。
 結局、22年度税制改革では先送りされましたから、これも法案が可決されないでよかったわけです。
 先送りするくらい最優先でもないなら、”選挙直前”の21年6月末になぜ参議院で可決したんでしょうねぇ・・。

 個人的にはこれこそ企業活力回復のための重要法案だと思うのですが・・。


 よくわからないのが(6)の求職者への支援法案。
 結局、類似のものとして、麻生内閣時代の補正予算で緊急人材育成・就職支援基金が成立しています。
 この政策により、現在「訓練期間中の生活保障のため、訓練・生活支援給付の支給(単身者:月10万円、扶養家族を有する者:月12万円)」が行われています。
 しかし、21年秋に話題になった「ムダな基金の執行停止、返還」により、22年度分以外の分は執行停止・国庫返還だそうです。

 23年度から新制度を作るそうですが、新制度をこれから作るのならこの法案は何だったんでしょう・・。

 そして、お待たせしました(苦笑)。
 最大の問題法案が(7)の地球温暖化対策法案。

 なんと、ドンキホーテよろしく、日本だけが(他の国の動向にかかわらず)自主的に「2020年に90年比25%減」を法定しようとしたわけです(第9条)。
 「2050年までのできるだけ早い時期に、90年比60%減の目標」つきで。

 恐ろしい・・。

 全然報じられませんでしたが、信じられない・・というかあり得ない法案です。

 ちなみに、現法案では、「すべての主要な国が、公平なかつ実効性が確保された地球温暖化の防止のための国際的な枠組みを構築するとともに、温室効果ガスの排出量に関する意欲的な目標について合意をしたと認められる場合」という条件がしっかりついています。

 その他旧法案と現法案で明らかに違うのは「義務化を避けた書きぶり」です。

(旧法案)
第九条 国は、我が国における一年間の温室効果ガスの排出量について、次に掲げるところにより削減するものとする。
一 平成三十二年までに、平成二年における温室効果ガスの排出量(次号において「平成二年排出量」という。)からこれに二十五パーセントの割合を乗じて計算した量を超える量を削減した量とすること。

(現法案)
第十条 国際的に認められた知見に基づき、平成三十二年までに達成を目指すべき我が国における一年間の温室効果ガスの排出量(国際約束に基づく措置であってそれにより得た量を温室効果ガスの排出を削減した量とみなすことができるものとして政令で定めるものにより得た量がある場合には、当該量を減じた量をいう。第三項において同じ。)は、平成二年(第二条第三項第四号から第七号までに掲げる物質にあっては、国際約束に基づき、政令で定める年。第三項において同じ。)における温室効果ガスの排出量からこれに二十五パーセントの割合を乗じて計算した量を削減した量とする。

 「ものとする」と「目指すべき」ではだいぶ違います。

 そういった意味でも、今回の法案はしっかり練られているので救いがあります。
 よかった・・。
 法律で義務化されると変えるのなかなか大変なのです。

 余談ですが、環境関係の法案で、国内産業が生き残ったり、国際競争力を持つのは、厳しい規制がかかるからです。
 例えば、厳しい環境規制が非関税障壁となったり、その規制が他国へ波及し、世界的な基準となることで、先駆けてその規制にマッチするように体制を整えていた企業が競争で勝つことになる・・などです。

 そういう戦略が全くないまま、ただ単に温暖化対策をすればいいというのは全くナンセンスだと思います。



4.二枚舌

(1)普天間問題

「民主党の鳩山由紀夫代表は19日、政権交代後の普天間飛行場代替施設への対応について「県外移設に県民の気持ちが一つならば、最低でも県外の方向で、われわれも積極的に行動を起こさなければならない」と、県外移設に前向きな発言をした。」
(琉球新報)

「民主党の鳩山由紀夫代表は19日、沖縄県沖縄市の集会で、衆院選で政権を獲得した場合の米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)移設に関し「『最低でも県外』の方向で積極的に行動したい」と述べた。移設候補地であるキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)の新基地建設については「沖縄の過剰な基地負担をこのまま維持するのは、納得がいかない」と指摘した。」(共同通信)

 報道では微妙に言い回しが異なっていますし、確かに「絶対県外」とは言っていません。

 しかし、本来の自民党政権時代の合意案では、米国も同意し、そして苦渋の決断として沖縄県や名護市も同意していただいていました。環境アセスメントがもうすぐ終わり、2014年の普天間移転(危険の除去)に向けて着々と進んでいたところでした。

 しかし、これを否定し、「最低でも県外の方向」というのは、「県外でないとダメだ」と普通は解釈するのではないでしょうか。
 「最低でも」という修飾語はそういう意味でしょう。

 政権交代を狙う党の党首が選挙前に明言し、その政党が政権を獲得し、しかもそれを否定していない以上、「最低でも県外」というのは当然ながら公約とみなされるでしょう。

 これを、5月4日になって突如、公約ではなく党首の個人的発言とか言い出すというのはあまりにも無責任です。

 特に問題なのは、普天間が普通の一政策ではないことです。普通の政策なら謝罪して修正はあるでしょう。
 しかし、普天間問題は、いや、もっと言えば沖縄の基地問題は、沖縄の太平洋戦争以来の歴史の積み重ねと、それに伴う県民感情という最も重い部分への配慮が必要な、デリケートな案件です。

 苦渋の決断だった自民党案を否定した以上、あふれ出た沖縄県民の感情をどうする気なのでしょうか。

 口が滑ったとか、選挙前だったからオーバーに言ったとか、ましてや勉強不足だったなどではとても済まない話です。



 覆水盆に返らず。



 この故事の意味を鳩山総理以下は勉強されてはいかがでしょうか。

 余談ですが、あきれるのは、辺野古に戻る案も実は自分たちで潰しています。
 1月の名護市長選挙で、基地移設絶対反対の市長を民主党が推薦して、当選させたんですよね・・・。

 いろいろな意味であり得ないです。


(2)天下り

 政権交代後、政府は「天下り」について、山内康一君提出「日本郵政に関する質問主意書」(第173回臨時会第18号)において、こう明確に定義しています。

「天下りとは、府省庁が退職後の職員を企業、団体等に再就職させることをいうが、公務員が、法令に違反することなく、府省庁によるあっせんを受けずに、再就職先の地位や職務内容等に照らし適材適所の再就職をすることは、天下りには該当しないことから、否定されるものではないと考えている。」

 ところが、事業仕分においては、あっせんを受けているいないにかかわらず、OBがいるだけで、「天下り」と叩いているわけです。

 自分たちが官僚OBを使うときは「あっせんでないから天下りではない」。
 一方、事業仕分その他でOBがいるだけで「天下り」とするのはなぜでしょうか。

 このような、自分たちに都合のいいように定義をその場に応じて変えて、人気取りに使用とするのは、「市民はそういうのに気づかない」と愚弄しているのではないでしょうか。


(3)「1円たりとも税金のムダ使いを許さない」

 もっと問題なのが、「1円たりとも税金のムダづかいを許さない!」に象徴されるムダ使い撲滅」です。

 例えば、一般には次のようなものがムダと言われているのではないでしょうか。
1)節約できるのに節約していない(「必要のない」ものの購入、「ムダ」な出張など)
2)無駄な人件費
3)契約の精査が甘い、随意契約など天下り法人に余分に払っているのでは?
4)無駄な公共事業など・・。
5)業務が重複している無駄
6)やらなくてもいい事業・業務、政策を行っている

 これを見ると、確かに正しいように見えますが、個別に見てみますと・・。

1)節約できるのに節約していない

 ごもっともです。このご時世、節約に努めるべきです。
 とはいえ、現実には私の知る限り少なくない心ある職員たちは色々自腹切ったり節約につとめていますが・・(一応言わせて下さい(苦笑))。

 もちろん、なかなか節約が理解できない方(割と民間出身の人もいます)もいて、この辺はパーソナリティもあるので、普段の教育や節約を高く評価する人事制度にするなど工夫が必要でしょう。

 一方・・鳩山総理は公邸入居時、「洗濯乾燥機2台61万円」「和室から洋室への改装費等218万円」を税金から支出しています。

 これはどうしたことか。

 世間の賃貸物件などの常識では、自己都合の改装や現状復帰義務は自腹でしょう?

 昔のマッサージ器など数万円を厳しく糾弾しておいて、自分たちは(しかもお金には困っていないにもかかわらず)何百万も税金から出すというのなら、一体ここでいうところの「ムダ」はどういう定義なのでしょうか。


2)無駄な人件費

 確かに年功序列で問題のある方もいます。

 しかし、民主党の政策としては、天下り禁止によって、年功序列によってそれなりのサラリーを受けている方々の問題が全く解決できなくなっているばかりか、そのしわ寄せが若者に来る可能性が大きいのです。

 例えば、キャリアで課長まで行ったがそれ以上は・・という方が管理職相当の給与を維持したままこれから10年以上残ることになります。
 これは人件費増に当然跳ね返ります。

 また、地方支部局などは二重行政であり、人員も含めカット、というのが今はやりのようです。

 これは、都道府県をまたがる案件についての必要性や、現場職員の専門性や、災害時等の機動的かつ専門的展開の問題、そして「本省におけるとりまとめ」業務が各ブロック(地方部局)から全都道府県が対象になった場合の本省のマンパワー不足の問題を無視しています(例えば10のブロックであれば10人の担当者とのやりとりですが、それがなくなると相手の担当者数は4.7倍になります)。

 また、「役割分担」と「二重行政」を混同している節があります。

 
一番よい例が北海道でしょう。北海道と国交省北海道局(北海道開発局)との関係についてどう考えるのか、というのを民主党は明示するべきだと思います。
 まったく同じ事業をやっているのなら「二重行政」でしょうが、別々の事業をやっているのなら、それは二重行政とは言えません。「役割分担」です。

 この点について個別業務についての検討を行った上で、重複と見られる業務を廃止していくのが最初のステップではないでしょうか。

 地方支部局は二重行政だから「全廃」というのは、こうした重複業務を潰して効率化した後、組織が2つ必要ないか、あるいは前述のマンパワーや広域行政の問題あるいは地方の雇用の問題などをどうするかを議論した上で結果を出す第2段階の話です。

 また、地方移管するにしても、受け入れ側の地方の体制や財源委譲(確保)の問題もあります。

 正直、現場を知らずに机上の空論や空想で、簡単に言っているように思えます。
 特に、最近の話は単に地方支部局を廃止することが目的で、ムダを排することが二の次になっているように思えます。


3)契約の精査が甘い、随意契約など天下り法人に余分に払っているのでは?

 現実には競争入札の導入も進んでいる一方で、価格重視の結果のダンピングや「安かろう悪かろう」の問題があります。
 また、1者入札、あるいは入札率100%近くでも問題があるとは限りません。

 独法の中抜きの問題にしても、例えばあるイベントでイベント会社に委託して、その会社が人員や物品など系列会社や他社に様々な手配をします。これは中抜きなのでしょうか?丸投げと中抜きがよく混同されていると思います。

 そして「直営でやるべき」というのは霞が関のマンパワーの実態を知らない、政治家としては非常に無責任な発言だと思います。

 その他新規応札者については、必ずしも優良業者だけとは限りません。「○○省より受注実績あり」のために「無茶していた」ところも私は何回か経験しています。

 こうしてみますと、随意契約時の人件費の政府統一指針(業種・業態等での基準作成)
などがないと、現実に各課室の職員が契約事務を個別に行っている以上、「甘い」のかどうか判断も難しいと思います。
 霞が関は、そういった審査部門の機能が低い上に、審査も含んだ管理部門の職員から削っているのが実は大きな問題だと思います。

 ちなみに、公務員バッシングが得意な方が契約における人件費=給与だと勘違いしている点も、誤解を大きくしていると思います。

 いずれにせよ、天下りとか、随意契約や一者入札をなくせば問題解決とかいう単純な問題ではないと思います。


4)無駄な公共事業など・・。

 公共事業が、どういう切り口で見た場合ムダなのか、雇用政策としてもムダなのか、「ムダ」について基準を明示するべきです。

 しかしそれがない。

 過去の建設根拠の交通量調査なども、曲がりなりにも推定の根拠があります。
 よく批判されるこうした「甘い推定による大赤字」を是正するのであれば、この「甘い推定」をより厳格にして、工事の着工の是非を決めるべきだと思います。

 しかし、例えば、10年2月の長崎知事選のように「(与党が推した知事候補を)当選させれば道路作ります」、「補助金も付けます」というのは、まさしく馬脚を現したように思えます。
・・つまり民主党のやる公共事業はムダではないという基準は、根拠すらない基準とも言えないレベルのものです。

 公共事業のムダかどうかの基準が、与党の国会議員の主観的判断というのはありえないことだと思いますが・・。
 昔の族議員よりたちが悪いと思います。


5)業務が重複している無駄

 同じことを2つの省庁がやっていたらそれはムダです。

 が、「似たような事業」の場合、条件や政策目的などを踏まえて、どちらかを潰すかあるいは統合することで、より効果が出るか(ムダが削減できるか)という判断は2省庁間で協議が必要になります。

 これが判明するのは各省庁の概算要求の提出後ですから、やるならば9月以降「似たような事業」について「仕分け」をやるべきでしょう。
 あるいは、その前の段階で前年度の予算についてリストアップした上で精査するのもいいのではないかと思います。決算の先取り的に。
 いずれにせよ、本来はこうした仕分けをベースに政務三役が調整すればいいのではないでしょうか。

 私は本来の「仕分け」というのはこういうことではないかと思います。

 いまやっているようないわば「査定作業」は本来目指す結果とは大きく違うと思います。


6)やらなくてもいい事業・業務、政策を行っている

 これは、無駄という話ではなく、「政府」のやるべき仕事は何か、という役割の問題だと思います。

 情報公開をはじめ質問主意書の急増などの事務量の増加、毎年のような制度改革や景気対策。あるいは消費者庁設置や内閣府の○○会議の急増に象徴されるような新たな業務や組織改編など、正直、現場としては、最近は守備範囲が広がっていると思います。

 他方、最近、事業仕分けで盛んに無駄な事業云々が取り上げられますが、昔から細かい案件はシーリングの関係上、役所の方でスクラップアンドビルドをしていました。

 しか多額の予算、政治としての影響力のある政策などははり最後は大臣なり与党なりが判断することだと思います。
 すぐに「政府(役所)は何をやっている」となってしまう現実ですと、役人がいろいろな意味で「大きなもの」を勝手にスクラップするのは難しいと思います。

 また、公益法人の不透明な金の流れ云々については、そもそも会計検査院の仕事でしょう。

 そのあたりが色々ごちゃ混ぜになっていると思います。


 余談ですが、地味ですが歴史的には国家の基礎である戸籍、地籍、度量衡、統計といったものが軽視され始めているのは個人的に気になります。



 以上、このように、見てみますと、結局、ムダの基準がない上に、「ムダ」のポイントや「ムダ」として扱うべきかなど整理がされていない現実がわかります。

 定義も、対象もブレるのであれば、「一円たりともムダ使いは許さない」は適切ではないと言うことは明らかだと思います。

 この類の都合のいいブレは、郵政などの政府100%出資会社をあるときは民間扱い、ある時は政府の会社のように扱うことなど・・・も例として挙げられるでしょう。

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