■同人誌など
『クベルタ10-9付属18禁本』(成年向け)
『クベルタ・ノアール付属18禁本』(成年向け)
井上純弌/希有馬(発行人)、希有馬屋(発行)、2008年8月
▼説明
“デカくて喋るフィギュア”。
コンセプトはデカさに加えて、プロの声優を使った音声チップの搭載。実際に喋る上に、それっぽい台詞も入っているという充実ぶり。なお、声優のうち1人は井上純弌の天敵であったとする説も存在する。
また、これまで希有馬屋フィギュアの原型師を務めていた「水燃」氏が手掛けた、最後の原型となるフィギュアでもある。水燃氏の経験と蓄積、何より「もう希有馬屋の原型はやりたくないが、最後にやるならクベルタがいい」とまで言わしめた、クベルタへの愛に満ち溢れた、気合の入った造形となっている。おまけでついているゆる〜いセラピアも、ねんどろいど的な癒し効果に溢れている。いっそ頭部パーツがぷち互換だったら……。
付属本の内容は割と大問題。
10-9の方は、羽村総司が自らの奸計とミスにより、中島のおやっさんにスパナで惨殺される話。
ノアールの方は、余計な好奇心でスペアとして組み上げられたクベルタ・ノワールが瑞穂基地の“天使”たちを喰い散らかしていく話。パトスを貯めれば、瑞穂基地の個人戦闘最強レベルな草薙伊音でもイチコロで好きなように(以下自主規制)。
……劇中の伊音のトゥアレタへの感想?が意味深。この本が描かれた時期は、エンゼルギア2ndの発売が内定したと思われる時期に重なっており、トゥアレタの空白の6年間を示唆した可能性がある。
内容としては繋がっていて、10-9の方で“開発”された中島茜が発明したあるモノが、ノワールの話で重要なパーツになった展開だと思われる。下手をすると破かれたルールブックがFEARに送付されかねない――ということでお察し頂きたい。
ただ、神楽にしろクベルタ・ノワールにしろ、2ndの範疇では存在しないキャラクターなので、アクシア本と同じく、この2冊の内容も本編にはリンクしないと思われる。いやほんとにしてないはずだから、ルールブック破いて送ったら駄目ですよ?
『アクシア赤付属本 KF18禁エロ漫画』(成年向け)
『アクシア黒付属本 KF18禁エロ漫画』(成年向け)
井上純弌/希有馬(発行人)、希有馬屋(発行)、2007年12月
▼説明
“硬いフィギュア”第2弾。
もともとはツバサと同時発売を計画していたアクシアのフィギュアが、いろいろあって冬コミでお披露目となったもの。当初の計画どおりツバサのコンセプトを踏襲しつつ、台座が合体するなどギミックも完備。一時期はトゥアレタに変形させるという案もあったらしい。
付属本は、赤が瑞穂中学校での神楽との、黒が3年ほど前のセラピアとの事件(?)を描いたもの。TRPG的な見どころとしては、赤ではナビゲーター4人組(+クベルタ)の掛け合い、あるいは神楽に対するスタンスが描かれているところ、黒ではアクシアが自分の受け継いだ“黒い天使核”の性質を理解していない、あるいはセラピアの“天使”としての側面――能面のような顔で人の性質を眺め、ただ審判を下すだけ――という場面だろうか。
この2冊の内容は本編にリンクしないと明言されてはいるものの、なかなかに興味深い。
『天野ツバサ付属本 KFレポート漫画』
『ツバサBB付属本 KF18禁エロ漫画』(成年向け)
井上純弌/希有馬(発行人)、希有馬屋(発行)、2007年8月
▼説明
トゥアレタ、クベルタに引き続き、希有馬屋のフィギュア+同人誌にて展開するエンゼルギア第3弾。今回のテーマは“硬いフィギュア”。
いろんな意味でボリュームの有り過ぎた前作の反省を踏まえ、スケール的には概ね1/8程度。手堅くコンパクトに纏められたガジェットに、アクセントとしてダイキャスト製のパーツ(ナイフもしくは拳銃など)が付属している。
これが発売された時点では、やはり「エンゼルギア」では詳細が掴めなかったヒロインの1人、天野ツバサの性格や行動パターンについて明確な輪郭を知りうる唯一の資料。特に、ツバサが持っているダーザイン【トゥアレタからの軽蔑】が如実に表現されている……のだろうか?
また、GF誌で述べられた“公安・諜報系に強い軍人の家系”という設定にも。さらりと触れている。この本の少なくともツバサの過去話の部分は、あの作品世界における事実っぽいので、その観点で見てもそこそこ深読みできそう。
しかし、何よりこれが問題なのは、付属本の内容の差を差っ引いてみても、“黒髪セミロングの黒赤版より、原作準拠の黄黒版の方が圧倒的に売れ残ってい入手しやすかった”という事実(例えば同人ショップの通販では、黒赤は数時間で注文が締め切られたが、黄黒は数日間入手可能な状態だったり後にこちらだけ在庫が復活したり、1年経っても店頭在庫があったり……)である。
GF誌で井上先生自身も「物語ヒロインで一番不人気」「このタイプのキャラが業界で不人気なのは通説」と述べたとおり、同キャラ別バーション(ある意味、10代のアクシアっぽくも見える)にさえ水を開けられる結果を見せてしまった天野ツバサ。
汚名返上の機会とされたパソコンゲーム版は出ないままだが、2ndにおいて彼女の復権はあるのだろうか――。
『やわらかフィギュア顛末記』
井上純弌/希有馬(発行人)、希有馬屋(発行)、2007年5月
▼説明
上記のやわらかフィギュアにまつわる数々の騒動の顛末を纏めたレポート漫画。
これが/に付属するクベルタ・ノワールの胴体パーツは新規金型から造り起こされたパーフェクトバージョンとでも言うべきもので、その“どうしても胸の谷間を作り直したかった”真の理由が明かされている。
そもそもクベルタ・ノワール自体が本編登場のありえない、いわゆる『色違いの別キャラ』なのだが、この本の表紙と奥付に描かれた彼女の姿は、存分にクベルタと一緒に登場させたくなる魅力に満ち満ちているので困る。
なお、本来はクベルタ・ノワールではなくクベルタ・メランと呼ぶらしい。メランはギリシャ語で“黒”であることから、ノーマルのクベルタさんは開発された時代で「クベルタ・レウコン」とでも呼ばれていたのだろうか。
(「エンドレスサマー」でその可能性は否定されたが、もしノワールが登場する並行世界があるなら、そう呼ばれる可能性が消えたわけではない、はず)
『夢のやわらかフィギュア計画・フルカラー設定資料集』
『夢のやわらかフィギュア計画・クベルタさん18禁同人誌』(成年向け)
井上純弌/希有馬(発行人)、希有馬屋(発行)、2007年1月
▼説明
トゥアレタフィギュアに続く希有馬屋のフィギュア+同人誌にて展開するエンゼルギア第2弾。今回のテーマは“やわらかフィギュア”。
前作を遥かに上回る1/6スケールというボリュームに隠された様々なギミックは、既に同人レベルを明後日の方向に突き抜けている。いったい誰が「同人で1/6フィギュア」「胸部やわらか仕様」「装甲服着脱可」「三種類コンパチ」「しかもコミケ頒布は読者投稿からの復活NPC」などという仕様を予想しえたであろうか。
販売方法は? 価格は10,900円以内に収まるのか? 頒布方法は? 欲しい人の手にきちんと行き渡るのか? TRPGにボス天使のコマ以外で役に立つのか? そもそも1/6スケールのフィギュアをコミケで売るなんて物理的に可能なのか? と、その顛末が何かと注目された企画であったが……その顛末は、ここで語るべきことでも無いだろう。
考察云々以前に、「エンゼルギア」では詳細が掴めなかったヒロインの1人、クベルタ10-9の性格や行動パターンについて、これが発売された時点では唯一の資料であるだけで貴重品。彼女の設定イメージは1stに掲載されたものではなく、ここで示されたポップでドジなメイドロボが正式なものであることは、後に2ndで明記された。
何気に、これが納められた箱も資料になっているという困った一品でもある。
『トゥアレタ・プログレッシヴ』(成年向け)
井上純弌/希有馬(発行人)、希有馬屋(発行)、2005年8月。
▼説明
ベンツ1台ぶんの金を掛け、自分の好きなキャラクターを好きに作ってコミックマーケットで売るという恐ろしい企画の産物。題材は「エンゼルギア」のヒロインの1人であるトゥアレタ・クレーリオン。本体の塗りだけでなくブーツや銃器などの小物にまでこだわりを行き渡らせた一品。フィギュア付き同人誌、同人誌付きフィギュアとTPOに合わせて標榜を変化させる。
なお、主な販売方法として当初予定されていた夏コミ1日目に、輸送業者の手違いでフィギュア本体が届かず、搬入された同人誌も販売できないというとんでもない事態に見舞われた。
(余談だが、そのアオリで3日目は搬入量オーバーとなり、屋外駐車場に急遽移動。この悪条件下においても当日分完売という偉業を達成している)
考察の資料として見た場合、それなりに参考となる部分も見受けられる……のだが、登場しているトゥアレタの記憶がそもそも“焼き付け”られたものと推測できるため、その信用性は未知数と言わざるを得ない。
ただし、エンゼルギア2ndでトゥアレタに空白の6年間の存在が明らかとなった上、「エンドレスサマー」でトゥアレタ本人が既に(検閲削除)であるため、この本の内容が、かの作品世界において事実である可能性はかなり高いと思われる。
『希有馬屋絵日記 日々これ天壌無窮』
井上純弌/希有馬(発行人)、希有馬屋(発行)、2004年12月。
▼説明
コピー誌。“うまい絵”と“いい絵”の違いについて述べた絵日記マンガ。どっちかの才能だけでも欲しいところだが、そう簡単にはいかない。
表紙に書かれた純ヤシマ製パイロットスーツの設定が、2ndでも継承されているかは不明。
『エンゼルギア フルカラーセッティングマテリアル』
井上純弌/希有馬(発行人)、希有馬屋(発行)、2003年12月。
▼説明
パソコンゲーム版エンゼルギアに向けた各種設定資料を集めたもの。同時に「エンゼルギア」に関する内容も盛りだくさん。重要な情報も多く、TRPG版を遊ぶのにも重宝するので、何らかの形で再録もしくは公開を期待。トラバントジステムがあんな形状だったなんて……。
2nd、そして「エンドレスサマー」が出た現状では、この本は中間報告ではなくプロトタイプとなってしまった。もはや不要といえばそれまでだが、あの頃に想定された設定が、2ndまでにどのように変遷したかを知る手掛かりとしてはなお重要である。
『エンゼル・コア2 設定資料集』(成年向け)
井上純弌/希有馬(発行人)、希有馬屋(発行)、2002年8月。
▼説明
成年向けパソコンゲーム「エンゼル・コア」の続編の企画書が同人誌化されたもの。成年向けと書いてあるのに、表紙がいちばんエロい気がするのは何故だろうと思うくらい中身のイラストが「エンゼルギア」にも使われている。
シュネルギアにいたっては、2ndでも「シュネルギア:アイン」としてイラストが流用されたほどで、やはりすべての始まりはここだと再確認できる。しかし、さすがにこの本の内容から「エンゼルギア2nd」は大きく変化しており、現状、考察の資料としてはさほどでもない。
『銀十字 エンゼル・コア設定資料集』(成年向け)
井上純弌/希有馬(発行人)、希有馬屋(発行)、2001年8月。
▼説明
これ本体は純粋に「エンゼル・コア」の企画書なので詳細は割愛。このサイトの資料として注目するのは、維馬篭代胤のイラストが何枚か(かっこいい!)と、アンナ・Oの没ラフ。特に後者は「エンゼルギア2nd」前史、赤狼隊時代の“赤毛の魔女”のイメージソースとして最強。 |