考古学のおやつ

1999年6月の発見

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1999年6月27日(日)

もう6月は寝不足ネタと割り切りました(^^;。だって,眠いんだもん……。

目覚めが怖くて

それはずっと前,卒論のころの話です。
私の出た大学は,卒論の提出日が正月明けの1日しかありません(今はどうか知りませんが)。年末年始が最後の追い込みで,その後すぐ提出となるわけです。

もともと生活が不規則な私は,さらに不規則な生活になって,その準備をしていたわけです。それでも,何とか提出日の前日までに,本文も図版も,一応体裁を整えることができました。

珠玉の一作が書ければいいに決まってますが,なかなかそういうわけにもいきません。半分開き直って言いますと,卒論なんて,体裁が整っていればいいのです。「論文の体裁を整える」ことが,いかに大変で,また重大なことか,今さらながら思い知らされる機会が多くなりました。内容で勝負すべきとはいえ,内容に辿り着けない体裁じゃ不戦敗ですからね。(さて,この注釈は誰に対して言っているのでしょう^^?)

本文も,図版も,提出に必要な書類も,全て揃いました。明日は提出。やっと落ち着いて寝られるぞー。さ,今日は早く寝よう。……と床に入ったものの,寝付きの悪い私のことです。すぐには眠れません。

いえ,寝付きが悪いなんて状態じゃなくなってきました。

ここしばらく,卒論の準備で生活も不規則だし,睡眠不足も続いているし,今このまま寝て,起きたら明日じゃなく明後日だったらどうしよう。

そう思うと,さらに不安で眠れなくなってしまいます。ダメダメ,こんなこと考えてちゃダメだ……と自分に言い聞かせても逆効果。ホントにダメになりそうです。あぁ,どうしたらいいんだ……joj;。

え,この話,前に聞いたような気がします??そうでしたか,常連さんなんですねー(^^。
そうです。これが今年2月に登録した「目覚めたら月曜日」の元ネタなのでした。卒論の時の話をアレンジしてたんですねー。

この「目覚めたら月曜日」って,そのころ盛んに報道されてた事件とかを踏まえてるので,今読むとちょっとわかりにくいですね。まだ半年も経ってないのに(^^;ゞ

さて,そんなことで不毛な寝返りを繰り返しているうちに,いつの間にか寝付いて,結局卒論は時間中に提出できたのでした。え?なんだ,つまんないって?そんなこと言っても,提出しちゃったものはしかたないでしょ(^^;。


1999年6月20日(日)

成敗してくれる

それは台風が近づいていたある夏の夜,翌朝新幹線で出発しなければいけない私は,台風情報で目的地の方に台風が近づいているのを見ながら,そろそろ床に就こうとしていました。TVは深夜の映画を放送し始めていました。

何かが視界に入りました。動いています。なんでしょう。ゴキブリじゃありません。形が違います。

よく見ると,ムカデでした。長さが10cmちょっとの,小さいムカデです。小さいとはいえ,福岡市の住宅街にムカデがいるとは,意外でした。開けていた窓から入ったのでしょう。

放っておく訳にもいきません。退治しなきゃ。手元にあった不要な紙を丸めて棒にすると,緩慢な動きのムカデめがけてぱしっと一撃を加えました。ところが,ムカデはわずかな動きでこれを避けたのです。こちらも腰が引けていたのかも知れません。

む。こいつ,逆らってるな。

続けてぱしぱしっぱしっと攻撃すると,今度はムカデの頭部にかなりのダメージを与えたようです。ムカデは緩慢な動きながら,本棚の後ろに隠れました。本棚と壁の間を覗いてみると,まるで測ったかのように,ちょうどこちらの攻撃が届かないくらいのところにいます。

出てきたところを退治しよう。

ゴキブリを捕まえるのに使う「ゴキブリ●●●●」(商品名)を本棚の両側に置いてみましたが,ゴキブリの餌には寄っていかないようです。そこで「ゴキブリ●●●●」をムカデの鼻先(と言ってもどこが鼻かわかりませんが)に近づけてみましたが,顔をそむけます。どうやら,餌のにおいだか,接着剤のにおいだかが,ムカデの好みに合わないようです。

おまえ,贅沢だぞ。

なかなか出てきません。そこで,今度は掃除機で吸入してみようと考えました。パワー最大で試してみましたが,うまくいきません。たくさんの足で壁にしっかりつかまって耐えています。意外な粘りを見せています。

本棚の裏に隠れたきり,ムカデはほとんど動きません。なぜかな,と考えましたが,どうやら最初の方のダメージで,動きが鈍くなっているようです。最初以上に動きが緩慢です。ダメージを与えたがために,とどめが刺しにくくなっているのです。

動かないムカデを見守ったまま,TVでは映画が終わろうとしていました。

こんなに鈍くなってれば,放っといても大丈夫じゃないかな?

と思ってはみたものの,やはり安心できません。結局,ようやく動き出したムカデを捕獲したのは明け方で,外は明るくなっていました。

こうしてムカデ退治ならぬムカデ対峙で,出発前夜は一睡もできませんでした。1993年の九阪研究会直前のお話です。

今月の初めのちょっとしたできごと以来,今月はなぜか寝不足ネタが続いています。


1999年6月13日(日)

低血圧で朝に弱い,……という人がいます。特に女性に多いのでしょうか。

相当以前(高校時代)のことですが,低血圧の女の子の話を聞いたことがあります。朝,目が覚めてもしばらく寝床の中でじっとしているとか,その間に親から何やら言われてたたき起こされると一日中不機嫌だとか……。

でも,よく聞いてみると,毎晩寝るのが午前3時。おい,そりゃただの寝不足だろーが。

適応戦略

低血圧でなくても,朝起きるのは辛いものです。私はもともと寝付きが悪い方なので,その分,朝が辛かったりします(最近はひょっとしてそうでもないのかも知れませんが)。つまり,ただの寝不足です。

学生時代(こっちは大学時代),よくやっていたのが,目覚まし時計を少しだけ進めておくという手です。5分だけ進んだ時間を見て,慌てる……と言うわけですね。ところが,そんなのにはすぐ慣れてしまい,頭の中で5分引いて考えてしまうので,すぐに効き目がなくなってしまいます。そこで,10分,15分,30分……と,進めておく時間がだんだん長くなってしまいます。

やたらに進めてもしかたがないので,結局元に戻し,同じことの繰り返しです。人間の適応とは,なんと強力なんでしょう。

こんなことしてても,埒があきません。どうしたものでしょう。自分を騙す方法を必死で考えているのも妙ですが,それなりに切実だったのです。

やはり,「●●分進んでいる」と自分で知っているから,これを計算してしまうのです。計算できなくしてしまえば,正しい時刻がわからなくて,すぐに起きるようになるでしょう。そこで,何分進んだかわからないように,寝る前に文字盤を見ずに時間を少し進める……という方法を試してみました。文字盤を向こうに向けたまま寝床に就けば,何分進んだか,自分にもわかりません。

この方法なら,早起きできるだろうと思ったのですが,すぐに,効果が薄いことに気づきました。

だって,単なる狂った時計になったんですから。

5分だけ進めておく,などの方法は,実は,時計の正確さへの信頼に裏付けられているわけです。正確でない,信頼できない時計なんて,何の意味もなかったのです。これじゃぁ,「世界一早い時計を作った」と自慢していた旧ソ連(もちろん自嘲だった)と同じくらい間抜けですね。

学生時代は,こんなことばかり試していたような気がします。


1999年6月6日(日)

猫に小判

近所に猫がいっぱいいます。あるとき,近所の道を歩いていたら,道の真ん中に1匹猫がいて,塀の上をじっと見てました。私のことなんか無視して,塀の方ばかり見ています。何があるのか,塀に目をやると,そちらにも3匹の猫がいて,そちらも道路の猫の方をじっと見てました。

こんなに猫が寄ってくるのも,猫を餌付けした近所のお婆さんのせいです。猫だけが友達のようです。ただ,端から見ていると,猫の方はお婆さんを友達とは思っていないようです。近所の人たちは,家の周りにペットボトルを並べて防衛しています。実はペットボトルに猫よけ効果はないそうですが,この際,それは重要ではありません。ペットボトルを並べたくなるような心情を察しましょう。

さて,先日の未明も,屋外から猫の声が聞こえてきました。もう春と言うには少し遅い季節ではありましたが,彼らなりに種の存続のために努力しているようです。夜に彼らの声が聞こえるのも,もう慣れっこになってしまった私は,今さらあまり気にもならず,「あ,まただね〜」くらいに思いながら,寝床にいました。

そのまま過ごしていられれば,別にどうと言うこともなかったのですが,外から別の音が聞こえてきました。窓をガラっと開ける音の後,

「こらぁ!」

例の,猫を餌付けしてるお婆さんです。猫に向かって言ってるに違いありません。だって,人間に対しては,面と向かっては愛想良くして,別の人の前で悪口を言う人ですから,人間相手に「こら」なんて言うはずがありません。
(おいおい,猫の声ぐらいで,怒んないでよ。今さら大して気にもならないでしょ。だいたい,あなたが餌付けしたんでしょ。)
私にとっては,お婆さんの声の方が安眠妨害でした。ところが,お婆さんは続けて,

「今何時だと思ってんだぁ!」

そんなの,猫にわかるわけないでしょ。あまりの間抜けなせりふ。猫に小判ならぬ,猫に時間でしょうか。猫の方には,やめる気配などありません。お婆さんは続けて,

「今何時だと思ってんだぁ!」

を繰り返しています。あまりに間抜けなので,すっかり目が覚めてしまいました。まだ4時です。おかげでその日は睡眠不足で過ごしました。

どうせなら,気絶するぐらい間抜けなことを言ってくれれば,熟睡できたんですけどね。


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