温室効果ガス、25%削減
今年(2009年時点9月)発足した民主党の鳩山政権ですが、日本の温室効果ガス排出量を2020年までに25%削減(対1990年比)する方針を掲げました。この目標は省エネが進んだ日本では荷が重いとの異論もあり、現段階では、国民的コンセンサスが十分に得られたとまでは言い難い印象を受けます。
そしてまた、日常の移動手段が鉄道移動に比較して二酸化炭素排出量の多い自家用車に依存する東北地方では、なおのこと困難な目標にも思われます。とは言いながらも、様々な分野で閉塞感が漂う現状の日本経済にあっては、何か新しい目標があっても良いのかもしれません。
自家用車移動に依存し、二酸化炭素排出抑制も困難な東北地方ですが、身近な場所には、実のところ様々なカーボンフリー由来の「未活用資源」があります。こういった資源を活用することで、私達はどの程度まで温暖化ガス排出削減に貢献できるのか、その可能性を探ってみたいと思います。
一世帯当たり、温暖化ガスをどこまで削減できるのか?
この可能性を探るために、まずは一世帯当たりから、どういった内容で二酸化炭素が排出されているのか、その内訳を整理してみました。

上表の内訳は、下記サイトを基に作成しました。
(注)上記検討では薪や籾殻はカーボンフリー燃料であるとし、二酸化炭素排出が生じないものとして検討したが、カーボンフリー燃料であっても加工・梱包・運搬過程で、若干の二酸化炭素が排出されるため、この分の割り引きが必要である。
上記のリンクで紹介した用途毎内訳のうち、カーボーンフリーの燃料に代替できるものとして「暖房」、「給湯」があります。
このうち「暖房」については、このサイトで推薦する暖炉や薪ストーブでの代替が考えられます。また「給湯」についても籾殻を燃料にするボイラーといった代替設備があります。
さて、家庭からの二酸化炭素排出量の多く割合は「照明・動力」と「自家用乗用車」が占めますが、先に述べたように、東北地方など農村部では二酸化炭素排出抑制につながる鉄道交通よりも、自家用車交通に傾きがちとなり、それだけ二酸化炭素の排出抑制には不利な生活環境となっています。
とは言っても、東北地方などの農村部では、薪や籾殻(給湯燃料の代替となりうる。)といったカーボンフリーな燃料が得られやすい条件があります。さらに都市部に比べれば敷地も余裕があるため、暖炉や籾殻ボイラーも導入しやすいといったプラスの面もあります。
それでは「暖房」、「給湯」の代替燃料として「薪」、「籾殻」を用いた場合、どの程度の二酸化炭素排出量を削減できるのでしょうか?
一世帯当たり、温暖化ガスをどこまで削減できるのか?
上で紹介した表では「暖房」、「給湯」、「厨房」とも、そのエネルギー内訳は「灯油」、「都市・プロパンガス」、「電気」に配分されています。
このうち灯油やガスを燃料とする暖房機、給湯器が薪ストーブや籾殻ボイラーに代替可能とすれば、カーボンフリー燃料による二酸化炭素排出削減量は
暖房= 2.3%(灯油)+7.7%(都市・プロパンガス)=10.0%
給湯= 4.4%(灯油)+6.7%(都市・プロパンガス)=11.1%
CO2排出削減 =10.0%(暖房)+11.1%(給湯)= 21.1%
となり、これだけで、21.1%の削減可能な結果になりました。
それでも、25%削減まであと3.9%及びませんが、「自家用車移動」、これの効率的運用で目標を達成できそうです。自家用車から排出される一世帯当たりの二酸化炭素排出割合は28.7%、これから3.9%を削減すれば24.8%
つまり24.8%÷28.7%=86.4%となりますから、現状に比較して13.7%、自家用車を効率的に運用できれば、なんとか25%削減にたどり着くわけです。
自家用車の効率的運用とは、例えば以下のようなものが考えられるでしょう。
・アイドリングをしない。
・必要以上に速度を出しすぎない
・近くに出掛ける場合は、できるだけ車を使わず移動する。
・遠出の際は、高速道路を利用する。
・車は低燃費車の購入を心がける。
温室効果ガス25%削減への提案
以上の結果から、薪ストーブや籾殻ボイラーの導入が可能な環境にあれば、さしあたり一世帯当たりからの温暖化ガス削減25%の目標は実現可能と言えるようです。
ただし、これを実現するためには暖炉や薪ストーブ、或いは籾殻ボイラーが導入し易い環境が必要でしょうし、またそういった薪や籾殻といった燃料も手に入りやすい環境が必要です。
さらに鉄道整備が不十分な農村部においては、移動時の温暖化ガス排出抑制のため、もっと高速自動車道が利用しやすい環境整備が望まれます。このような考えから、温室効果ガス削減に向けて、以下のような提案を考えてみました。
★提言1:暖炉、薪ストーブや籾殻ボイラーの購入にかかる補助金等支援
★提言2:伐木や籾殻など未活用資源にかかる一般への提供体制整備
★提言3:非渋滞区間の高速道路の早期無料化
このような提案を、現政権や行政各省庁に呼びかけたいと思いますが、いかがでしょうか?
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