考古学のおやつ

1999年12月の発見

[1999年11月|2000年1月|最新|編年表]
1999年12月26日(日)

今年も年の瀬。「考古学のおやつ」を始めて以来,2度目の年末です。そういえば,去年の暮れもネタが枯渇していたような……(^^;ゞ。

あぁ,ネタがないかな?
そう思いつつ,公園の露店に目をやったとき……。

正月用

学生時代,イチョウの葉が散る大学構内,謎の台車のようなものがが通過していました。車を押すのは若い女性。車には,子どもたちが乗っています。近くの幼稚園の子どもたちのようです。押しているのはもちろん保母さん。散歩……と言うよりは,単に運搬しているようにしか見えないのですが,その運ばれている子どもたちは,都内のことゆえ,白人や黒人の子どもたちまでいて,それが仲良くキャンパスを見回しているのでした。

イチョウ並木の存在を強く印象づけられるのは,落葉の時だけではありません。その実が落ちるときです。朝大学に行くと,ぎんなんの独特の臭いがキャンパスに満ちています。ところが,地面を見ても,誰かが踏みつぶしたそれのほかは,ほとんど落ちていません。聞くところによると,近所の主婦が朝早く拾いに来るのだとか。でも,私はそれを目撃したことがありませんでした。それにしても,残らず拾っていくなんて……。

そんな疑問もすっかり忘れていた先日,公園でおじさんがぎんなんを売っていました。

「正月用ぎんなん」

の文字。

へぇ,ぎんなんか,そういえば……,と思った瞬間,次の文字が目に入りました。なんと,これがあの大学構内で拾われたぎんなんだというのです。なるほど,徹底的に拾い尽くされたぎんなんは,こうして年の瀬に「正月用ぎんなん」として売られていたんですね。


年内の更新は続きますが,「今週の発見」はこれが年内最後となります。

今年も,さまざまな発見に触れされてくれた改札の女ロクロむすめ一生懸命くん,そしてご覧いただいた皆さまに感謝いたします。

皆さま,よいお年をm(_ _)m。そして,2000年問題でファイルが消失してなかったら,またここでお会いしましょう(^^)/。


1999年12月19日(日)

以前,群馬県伊勢崎市の波志江中宿遺跡(はしえなかじゅくいせき)の現地説明会に行った話をしました(7月11日の発見)。現説の話が増えたらコーナー作ろうかと思ったんですが,相変わらず,ろくなタイトルが思い浮かばなくて……(^^;ゞ。

イヌはどこへ行った?

久しぶり(夏以来)に時間が空いたので,18日は東京都北区・中里貝塚の現地説明会に行って来ました。

というよりも,このコーナーのネタが尽きたのが理由ですが。

共同住宅の建設時全調査で始まったため,住宅地のなかの調査区でしたが,配付資料でも,また,担当の方の説明でも,千葉の加曽利貝塚よりも大規模ということでした。

さて,一通りの説明の後,貝層に掘りこまれたトレンチの中まで入ることができました。現在の地表近くから波食台におよぶ(あ,逆か(^^;ゞ)厚い貝層に,巨大ハマグリや巨大カキの殻が詰まっていました。

そして,ニュースにもなった土坑と木道では,木道の方がすでに取りあげられて,波食台に掘りこまれた痕跡と,調査区の壁面に残った木道の断面だけを見ることができました。木道状遺構の遺構というわけです。土坑の中にあったという焼けた石も,すでに取りあげられていました。

取りあげられた遺物の一部は,調査区を出たところで公開されていました。ハマグリとカキの殻,勝坂式土器と阿玉台式土器の破片,土坑の中の焼けた石や,土器片錘(土器の破片を再利用して作った網のおもり),そして当然,切り取った「木道」(樹種はクリらしい)もありました。

勝坂式・阿玉台式は土坑の中と波食台上から出ているそうです。貝層下部と貝層の上からは加曽利E式土器が出ているそうです。

さて,公開された中に,サメの歯とイヌの歯がありました。イヌの歯がちょっと気になります。

結局よくわからなかったんですが,土坑の中に歯を置き忘れたイヌは,どこへ行ったんでしょうねぇ。


1999年12月13日(月)

韓国のコーヒーも,最近はかなり味が変わってきました。以前も,まともなレギュラーコーヒーを出す店はありましたが,今ほど多くはなかったと思います。逆に,以前は拷問のようなコーヒーも……。

拷問コーヒー

あれは10年前の春,私にとって初めて韓国を一人旅したとき,P町に立ち寄りました。R古墳群を見に行く前に,一服しようと喫茶店に入りました。思えば,韓国の喫茶店にはこのとき初めて入りました。

田舎町のゆえでしょうか。お客さんは全然いません。

「コーヒーください」

しばらくすると,お店のお姉さんが,いくつかの容器を載せたお盆を持って,言葉もなく現れました。

今回は,この辺でオチがわかってしまった人も多いと思います。もう少しひねった話にしようと思ったんですけど,今回は起承転結に欠けてます(^^;ゞ。

お姉さんは,何も入ってないコーヒーカップをテーブルに置くと,お盆の上の容器から,まずインスタントの粉末コーヒーを入れ,次にクリームを入れ……。

そうか,この店も,インスタントコーヒーなんだなぁ。ガイドブックに書いてあった通りだ,と思って見ていると,お姉さんは休む間もなく,砂糖壺から,大きなスプーンに大盛りで1杯,2杯3杯……ToT。

ええええーーーちょっと……と思う間もなく,カップには熱湯が注がれていました。お姉さんは先ほどのスプーンで,

グリグリグリ……

と音がするほど(本当に音が聞こえた)の勢いでカップの中のコーヒー(と大量の砂糖)をかきまぜました。

や,……やめてくれぇーーーー(@@;。

存分かきまぜた後,おねえさんは「どうぞ」とでも言う代わりに,ちらりと私の方を見やって,店の奥へと去りました。

こ,……これを飲むの(^^;?

今もこんな喫茶店,韓国のどこかにあるのでしょうか。

東南アジアの一部では,今もこんな感じだそうです。

1999年12月4日(土)

落ち葉・枯れ葉は冬の季語

冬のラボ

カメラ屋の店員が長巻き返却も知らないでどうするんだろう?まぁ,そんな指定をする客は珍しいのかも知れませんが,今度からこの店に来るの,よそうかな。

引っ越しが多いと,行きつけのカメラ屋もころころ変わってしまいます。新しいところになると,お互いが慣れるまで,指定がうまく伝わらないのは仕方ありません。

私がモノクロネガの長巻き返却を希望するようになったのは,1994年の秋ぐらいからのようです(過去のフィルムを調べるとそうなっている)。理由は簡単で,ラボにまかせると,きれいに6コマずつに切ってくれないことがあるからです。

普通に同時プリント頼めば,必ず6コマずつに切ってくれるじゃない。

という反論は聞き飽きました。確かに6コマずつのように切ってあっても,1コマ目と2コマ目の間で切って,次は7コマ目と8コマ目の間で切る……と言うふうに,最初と最後が半端になっていることが多いじゃないですか。あれがイヤなんです。せっかく同じアングルで露出変えて撮ったコマが,泣き別れになって戻ってくると,無性に腹が立ちます。36枚撮りのフィルムなら,1コマ目〜6コマ目,7コマ目〜12コマ目,……となってなきゃ。頼むとうまくやってくれるところもありますが(頼まなくてもしてくれるありがたいお店もありますね),ダメなところもあるので,自分で切っているというわけです。

撮影するときにも,6コマずつ(3+3コマか2+2+2コマ)でまとまるように意識して撮影します。例えば,土器片の外面3コマと内面3コマとか。そして現像・長巻き返却されたものを6コマずつに切って整理するというわけです。完璧。

6コマずつで撮影できなかったときは,破綻するでしょ(嘲笑)。

自分で切るんだから,場合によっては5コマで切っても4コマで切っても臨機応変でしょ(実際,そうしています)。必要なら(そんなことはまずないのですが),斜めにでもコマの真ん中ででも切れます。

いちいち反論するのも疲れるから,もう知らない。

でも,長巻き返却をお願いしたのに,変なふうに切られたこともあります。K社のT-***というフィルムを好んで使っていたころ,街のラボに出したら,

それもそうかと仕上がりを楽しみに待っていたら,帰ってきたのは思いっきり半端に切られたフィルムと白い封筒。K社の偉い人からの謝罪文でした。謝罪されてもねぇ。切ったら元に戻らないんだけど。謝罪文を3回目にもらったとき,T-***はやめて,それ以来,F社の****Fで長時間露光が当たり前になってしまいました。最近は改善したのかなー。

ま,K社の工場の件はしばらく措いとくとして,街のラボも困ったものです。

先日も,「考古学のおやつ」の更新が終わった丑三つ時に,長巻き返却された現像済みフィルムを切っていて,フィルムに指紋がついていることに気づきました。よく見ると,引きずったような跡も。こちらは最初から手袋してるのに。ひどいラボだなー。

スライドフィルムも,以前戻ってきたものは,なんとフィルムの間に枯れ葉が挟まってました。いやー,季節感があっていいですねー……ってわけないでしょ。どんなラボなんだよー。

先日も,スライドの整理を知り合いにお願いしていたら。

ホントにどんなラボなんだ?屋根はあるのか,屋根は。


[1999年11月|2000年1月|最新|編年表]
白井克也 Copyright © SHIRAI Katsuya 1999-2006. All rights reserved.