1998年 8月 5日 水曜日

*

仕事が終わると、はやばやに
自宅に戻り、

何となくの夕刻を、
文庫本を読みながら、過ごす、

過ごす、

*

「しごと」として、
検察庁に詰めて、
記録の検討をしていると、

時間が溶けるように、

圧倒的な傾斜がある坂を
液体が流れ落ちていくように、

音もなく、

*

過ぎてしまえば、
すべては過去のこと、

過去のことは、
自分のアタマの中の、
濾過のための膜をとおって、

あまりに、とげとげした、
ギザギザした、
いがいが、した、

そんな記憶は、
記憶として、

強く存在するにも関わらず、

どこかに、
しまわれていき、

*

そして、突然、

意識の表面に浮かび上がってくる、

しばらく忘れてたことを、
あたかも責めるかのように、

つきささるというよりも、
しみこんでくるような、

つめたさ、
するどさ、

*

思ったより、湿度が
すくないような、
甲府の、

街の、

もどる。
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