考古学のおやつ

3度目のクリック

萬維網考古夜話 第45話 27/Oct/1999

こんにちは,お元気ですか(^^)。ところで,いきなりですけど,今日,考古学のおやつトップページから,ここに着くまで,何回クリックしましたか?

トップページから萬維網考古夜話編年表,そしてここ……という方は2回ですね。
トップページからさるよい日記でこのコラムの登録を知って来られた人は,やはり2回ですね。

では,当サイトのすべてのページは,それぞれトップページから何回のクリックで行き着けるのでしょう(管理用の非公開ページなどは除く;1999年10月現在)。

最近情報を追加した主要なページは,だいたい2回以内で行き着くようになっています。

やや古いページと特殊なページは,3回クリックしないと行けません。

終了した展覧会のうち1999年7月以前開始のもの
トップページ開催中の展覧会またはたぬぼり探偵社最近終了した展覧会→各月開始の展覧会
終了した研究会のうち1999年9月以前のもの
トップページ開催前の研究会またはたぬぼり探偵社最近終了した研究会→各月開始の研究会
管理人著作集のうち,フレーム版論文の序文以外のページ
トップページ管理人著作集→フレーム版論文の最初のページ→ほかのページ
おもいつきボード1999年1-5月
トップページ→最近の発言(2004年5月31日廃止)→1999年6-8月の発言1999年1-5月の発言
私の写真
トップページ→某ページ→某ページ→私の写真
それから,ちょっと意味合いが違うかも知れませんが,「南河考研 おやつ分室」という私が管理人のチャットも,ほかのサイトを経由して,2回または3回で辿り着けます。
トップページ→おやつメイト(2004年5月31日廃止)または夜食のとも(2004年5月31日廃止)→南河内考古学研究所待合室→おやつ分室

で,4回はおもいつきボードの1998年11-12月の発言,一番クリックが多いのは,おもいつきボードの1998年6-10月の発言で5回クリックしないと行けません。

(1/Nov/1999)おもいつきボード編年表を作りましたので,すべての公開ページはトップページから3回以内のクリックで行けるようになりました。

以前はもう少し複雑というか,不親切だったんですが,トップページのリニューアルのときに,「やたらクリックさせるのは不親切」という趣旨の記述をどこかで読んで,「そーそー,何度もクリックさせるページって困るよねぇっっって,あ,自分のもだぁ(^^;。」と気づいて,今のようにしました。
それでも,何の記述がどのページにあるのかを知らないと,探すのは大変とは思いますが。例えば,北朝鮮の映画を話題にしたのはいつだったか,とか(ほえづらコラム1998年8月2日)。

そうそう,今回の話を準備しているとき,「そういえばどこかで,各コンテンツにトップページから3回以内のクリックで行けるようにしろ,とか言う記述があったなぁ。いや,2回以内だったっけ?」と思って,典拠を探してみたのですが,参考書やら,いくつかの関連Web Siteを見ても,見つかりません。ぁあ〜典拠がわからないとイライラする〜ぅ(--#。
もし,ご存じの方がいたら,こっそり教えてくださいね(^^。


最近のページは2回のクリックで行ける……と言って自慢してもいられません。目次の次にまた目次が来るのはWeb Pageだけ,という批判もあるほどで,なぜかインターネットでは情報がリンクの奥深くにあるのが当たり前のようになっています。

考えてもみましょう。漢和辞典で,部首目次を引いてから目的の字を探す,あの手間,ものすごく腹立ちません?

え〜〜と,あ,これからが本題なんです(^^;ゞ。前々話前話と,論文のについてお話ししてきましたが,特に前話,途中で大幅な加筆をしたのは,当初の内容の不備から,次のようなメールが寄せられたからでした。

(前略−ここに本来の用件が書かれていた)
*「考古学のおやつ」の後注をめぐる話、閲覧者の間では密かに(?)話
題になっています。個人的には長い後注を読むのは違った意味で楽しみな
のですが。ただ、後注の必要性や長さを議論するためには、参考文献の提
示・引用の方式をどうするかをまず議論すべきだと思います。後注に文献
を書いて、参考文献を別につけない方式だとどうしても後注は長くなりま
す。ただし、参考文献が少ないのを隠す(?)のにはこの方法は便利です
よ。注の付け方については、いろいろ考えるのですが、雑誌ごとに投稿規
定がばらばらで、決定版がないのが悩みです。

(後略)

当サイトが話題になるような土地というのは,よっぽど娯楽が乏しいんでしょうか(^^;ゞ。あそこはけっこう都会だと思ったけど,でも,やっぱり少し「はずれ」の方かなぁ。それはいいとして,このメールで前話の不備に気づいて大幅加筆したのは,みなさまご存じの通りでしょう。

次が,私の言い訳。

(前略−ここに,本来の用件への回答が書かれていた−実はまじめなんだよ,ボクって←ウソっぽい(^^;)
まず,文献のことに触れてないのは,私の頭の中では文献は別個に考えていて,
しかもそれを説明せずに書き進めていたからでした。尾注が全部文献の提示のみ
であるなら,必要な分だけつけて当然だと思います。
この点,原文は不備なので,補足を入れました。分量が2倍になってインパクトは
半減しましたが(^^;ゞ,「注をつけるな」という趣旨のコラムが注まみれになる
という前衛的な作品に仕上がりました(ほんまかいな)。

余談ですが,「ほんまかいな」という自己ツッコミには,自分なりに疑問がありまして,普段使いつけない言葉なのに「なんでやねん」とかって最後に付け加えるのは,オチに対する自信のなさの表明でしかないですからね(ホントに余談(^^;)。

実は朱雀の私が担当した部分は,ハーバード方式で文献を注記した原稿を,定森
さんが全部直してくれたのでした(^^;。「紋」を「文」にはしておいたんですが,
慣れない書式の注はつけなかったわけです。

(後略)

これは次の文献のことを指しています。定森さんのご苦労の跡を,原本で確認しましょう(共同執筆のものはWebでは公開していません)。

定森秀夫・白井克也,1999,「韓国江原道溟州下詩洞古墳群出土遺物−東京大学工学部建築史研究室所蔵資料の紹介−」,京都文化博物館研究紀要朱雀第11集,京都,京都文化博物館,79-108

なお,正確には「ハーバード方式の日本的アレンジの一種」と呼ぶべきしょう(引用しなかった部分にはそう書いてます)。

さて,前話の改訂版を公開した後に頂いたメールでは……。

(前略−ここに本来の用件の回答への回答が書かれていた)
>まず,文献のことに触れてないのは,私の頭の中では文献は別個に考えていて,
>しかもそれを説明せずに書き進めていたからでした。尾注が全部文献の提示のみ
>であるなら,必要な分だけつけて当然だと思います。
 ただ、論文の読みやすさを考えた場合、文献の引用方式と注の使い方は密接
な関係にあるというのが個人的な考えです。ハーバード方式にしてしまえば、
説明注をかなりいれても、量はあまり気にならないと思うのですが(読みやす
いかどうかは別問題です)。逆に最悪なのは、参考文献を後ろにつけて、ハー
バード式(?)で尾注に文献を引用する方式。2度手間になるので非常に読み
にくいですよね。

(後略)

確かに,この例まで含めて考えると,(文章による)注と文献の問題は,再び絡み合ってしまうわけです。そういうの,ありますよねぇ。漢和辞典みたいというか,目次の次に目次があるという点から言うと,World Wide Web の隆盛を先取りしたと言えないこともない……,てこともないですね。

前話の注の分類の中で,分類がよくわからないものとして,東京大学出版会UP考古学選書が,横書きの本文の横に横書きで注が入っているとお話ししましたが,実はこのシリーズ,執筆者によって文献の引き方が違っています。藤本強先生や鈴木公雄先生は,本文中に〔八木・下村 1894〕のように,近藤喬一先生は横につけた分類不能の注の中に「*小林行雄『女王国の出現』国民の歴史1, 文英堂, 1967年12月」のように,書き込まれています。宇田川洋先生は,基本的には藤本・鈴木両先生と同様の方式ですが,本文中に出てきた論文名に注で「『人類学講座』12, 1977年, p.387-405」と雑誌名を補足したり,史料の引用は本文中に「(高倉新一郎編 1969年『日本庶民生活史料集成』第4巻, p.423)」と注記したりですね。う〜ん,それなりにスタイルのはっきりしたシリーズだと思ってましたが,意外に不統一だったんですねぇ。

あ,佐原眞先生は,この分類不明の注に「*〔小林・佐原 1964〕」のように書き込んでおられます。本文の該当個所と同じページに置かれているから,あまり苦労しませんが,もしこれが尾注だったら……と思うと,めんどくさそうですね。まぁ,「小林・佐原 1964」と聞けば,だいたい何を指すのかはわかりますけど(これが著者名+発行年の利点)。


本当は,「では,今回は文献の引き方を……」というお話に持っていきたいところなんですが,それなりに勉強してからでないと,注の話以上に難しそうなので,前話の中で「定型化できる注」という言い回しで,文献の引き方をぜひ定型化して欲しいという気持ちだけをこめておきました。

そんなわけで,楽屋話をしただけで,今回はおとなしく終わることとします(^^。
以前,本文と注とで文献の引き方が違うという論文を見たときは,執筆者と喧嘩したものですけどねぇ(^^;ゞ。


[第44話 ペーパー協奏曲・後篇|第46話 縦組横組−投稿規定の型式学・前篇|編年表]
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