考古学徒のためのe漢字
地名・族名
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m42026
[e漢字プロジェクト](26/Apr/1999)
- (らく):みみずく。洛陽(この場合JIS第1水準「洛」m17383,s_jis0x978cに同じ)
陽(らくよう):中国河南省洛陽の古地名。東漢光武帝のとき
陽郡を置いたが,三国魏のとき「洛陽」とした。三角縁神獣鏡の「師出洛陽」に絡めて,この地名変遷の問題が持ち出される。
m39684,u37172,鄴
[e漢字プロジェクト](26/Apr/1999)
- (ぎょう):中国河南省の地名。春秋時代の斉の邑であり,東魏などの都も置かれた。
m17649
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
水(ひすい):中国安徽省の川。383年,東晋が前秦を破った
水の戦いの舞台。これ以後,華北は再分裂し,江南でも軍閥による皇帝の廃立や帝位の簒奪が繰り返されることとなった。「肥水」とも。
m17165
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (べん):黄河の支流の名。
京(べんけい):北宋の都,現在の河南省開封。
m18390
[e漢字プロジェクト](12/Aug/2000)
- (れい/らい):河の名。またはあまざけ。
齋藤さんのリクエスト。鏡の銘文に使用。
m18454
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (かい・わい):水の多いさま。けがれ(この場合JIS第2水準「穢」m25331,s_jis0xe271に通じる)。にごる(この場合,
m32094に通じる)。
(わい):朝鮮半島東海岸(江原道付近)の民族名。
貊(わいはく):東夷の族名。
m32094,u08589
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (わい・ゑ):雑草が生い茂る。けがれ(この場合JIS第2水準「穢」m25331,s_jis0xe271に通じる)。東夷の族名(この場合,
m18454に通じる)。以前,「諸橋大漢和に載っておらず」としていたが,事実誤認だった(^^;ゞ。
夫租
君(ふそ・わいくん):平壌で発見された土壙墓には,この印文の駝鈕銀印が副葬されていた。遺跡名参照。
m18591
[e漢字プロジェクト](26/Apr/1999)
- (とく):みぞ,かわ,にごりなど。JIS第1水準「涜」s_jis0x93c0ってこの字のつもり?
廬國(とくろ−こく):朝鮮半島南部,弁辰の1国。「倭と境を接す」という1文があるので,「弁辰狗邪国(狗邪韓国)」とともに日本でも知名度が高い。
m00522
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (とう):姓。
佳江(とうかこう):遼寧省臨江県に発し,鴨緑江に注ぐ河。漢代,高句麗が台頭した地域であり,沸流水(ふつりゅうすい)と呼ばれたが,明末に
姓のものが入り込み,この名となった。
m17513,u06d7f
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
水(はいすい):川の名。比定地に論争あり。なお,以前は読みを「ばいすい」としていたが,改めた。
m17211,u06c98,沘
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (ひ):中国安徽省の河の名。中国河南省の河の名。
泗
(しひ/サビ):百済の最後の都。現在の忠清南道扶余。538年に公州(熊津)から遷都し,660年に唐・新羅の攻撃で義慈王が降伏するまで王都であったが,一時全羅北道益山に遷都したとする説もある。王宮は扶蘓山城の南にあったらしい。東に羅城を出たところに王陵と思われる陵山里古墳群が所在する。
u0503b,倻
[e漢字プロジェクト]
- 伽
(カヤ):朝鮮半島南部に三国時代に存在した政治集団。
この用字は古いものではない。もっとも古い表記は『広開土王碑』の「加羅」で,『南斉書』『日本書紀』も「加羅」を用い,『三国史記』に至って「加耶」がみられる。その後,なぜかだんだん「にんべん」が加えられて画数が増えていき,「伽
」に至る。ちなみに『広開土王碑』以外は加耶滅亡後に成立した文献である。1992年の「伽耶文化展」(東京国立博物館)以降,日本では「伽耶」の用字が一般化した。日本の考古学で「伽
」を用いるのは雑誌『伽
通信』を引用するときにほぼ限られよう。諸橋大漢和に載っておらず,ユニコードより。「和製漢字の辞典」参照のこと。
m14620
[e漢字プロジェクト](26/Apr/1999)
- (しつ/しち):漆。文書などで改ざんなどを防ぐため「七」の代わりに用いる。
居
山国(きょしつさん−こく):朝鮮半島の洛東江河口付近に存在した政治集団。東
福泉洞古墳群はその奥都城とも推定されている。
[おやつフォント](19/Apr/1999)
- (ほん/ほ)「和製漢字の辞典」で1019番を当て,日本で当てられた字の可能性を残す。確かに「日本に残された」記録にしか見られぬ文字であるが,あるいは百済人の名であり,あるいは百済系原史料による記事であるので,もともと百済で用いた字でありながら,故国の文献が散逸した可能性もあろう。下記の通り,朝鮮音による形声文字と思われる。
比自
(ひしほ):『日本書紀』にみられる慶尚南道昌寧の古名。『三国史記』真興王16年条(555年)は「比斯伐」,昌寧碑(561年)は「比子伐」に作る。『三国史記』には「比斯火」も見え,「
」「伐」「火」はいずれも pul の音を表す。pul には「火」の意味があり,「
」は「ひへん」が意味,「本」が音を表す,いわば形声文字か。
m03817,k03309
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (ろく):笑う。鳥の声。
(とく):『日本書紀』雄略9年に登場する朝鮮半島の地名。慶尚北道慶山(達句火)を指すと考えられている。原史料は大伴氏の家記か。
己呑(とくことん):『日本書紀』継体21年に登場する朝鮮半島の地名。「
」と同義と考えられている。近江臣毛野はここを新羅から奪回するため出陣しようとしたが,筑紫国造磐井に阻まれたという。しかし,諸橋大漢和には「ろく」の音しか載ってなかったなぁ。
m03590
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (し/た/しゃ):口を張るさま。大きいさま。擬音などにも使うようだ。
上
(おこし−たり):いわゆる任那四県の一つ。
m03706
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (り):声。
下
(あろし−たり):いわゆる任那四県の一つ。
m17168,u27766,汶
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (ぶん・もん):山東省の河の名。遺跡名もみよ。
己
(こもん):朝鮮半島南部の古代地名,ミマナ関係記事に見える。
m04353,u05660,噠
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (たつ):言葉が正しくない。
法哈
(はかた):中国の文献に音訳で登場する博多。「博多研究会」が会誌の名に使っていたが,「
」がJISにないため,4号から誌名を「博多研究会誌」に変えてしまった。
m17027
[e漢字プロジェクト](19/Apr/1999)
- (てい):もと,ふもと。五胡の一つとして活躍したチベット系の民族名。前秦の符堅が有名。
m18010,u28359,滇
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (てん):盛んなさま。漢代の中国西南部の民族名。石
山文化。
池(てんち):中国雲南省の池の名。
の所産と思われる石
山文化はこの地に栄えた。
m41315,u38313,閩
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (びん):中国福建省の古名,またこの地域に住んだ民族名。五代の一国の名。福建省の古名。
m41446
[e漢字プロジェクト](1/May/1999)
- (てん):盛んなさま。みちる。また,
m05355に通ずる。
于
(ほーたん/Khotan):シルクロードの都市。今の中国新疆ウイグル自治区。
m12041
[e漢字プロジェクト](12/Aug/2000)
- (ろう):もてあそぶ(JIS第1水準「弄」m09596,s_jis0x984dの俗字)。
山(かせやま):京都府相楽郡木津町(2007年3月12日から木津川市)鹿背山の古地名。
木津川さんのリクエスト。
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