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◇ オリジナルNPC/“天使” ◇

「天使は、その区分によって異なる能力を持つが、共通して、通常兵器では問題にならない戦闘力を持つ」 ――『エンゼルギア』第参章より

 

ハシュマル/ザドキエル/ザフキエル/セラキエル/ザナフ/ウェリネ/オーリヴィエール/ガルディエル/Bファーナ/カノン/ハニエル/アスビィル/ふわら/ルカ/ヤフキエル/ガブリエラ/ヨフィエル/ルシファー/劉略/ラファエロ/アヴァドゥン/ツァドキエル/ファンタスマ/ラシエル/ディアボルス/ビリー/ザキエル/ラビエル/スロウンズ/ナートアイヴェル/カフジエル/


ハシュマル 主天使級天使兵。
▼レポート
 統治、支配を意味する主天使(ドミニオンズ)。彼ら主天使は神の言葉をあまねく知らしめるために活動するとされ、天使兵としては攻撃部隊の指揮機と見られる存在である。
 伝承によればハシュマルとは、ザドキエルと共に主天使を率いる焔の天使とされるが、瑞穂市を襲撃し、いちどは3番機“マサムネ”を撃墜するに至ったこの天使兵もまた、その名に相応しき焔を纏っていた。
 3番機の捨て身の斬撃と1番機の狙撃によって手傷を負い、いったんは撤退する知能を見せる。回復後、再度瑞穂基地に侵攻するも、敗北を経て“戦士”としての自覚を持ち、より成長したギアドライバーたちによって殲滅された。
▼登場話
 第5話

ヴィント・シュトラント 男性体、14+?歳、主天使級天使兵。
▼レポート
 もともとは情報部が大陸で発見した“黒い天使核”の持ち主。ギアドライバー候補生として、コンロンを経てヤシマにやって来るはずが、それを発見した主天使に殺され、融合された存在でもあった。そのせいなのか、この年齢にして人生の末期に居るような余裕と悟りを見せる人物。
 高いエーテル係数でシュネルギアを稼動させるどころか、意図的に天使化まで起こすほどの天使力を持っていた。マスケンヴァル現象でヤシマ海軍出雲基地を壊滅させるが、シュネルギアとの戦闘に敗れて天使形態を解かれたところを、瀬名まどかに射殺された。
 その後、現存する4番機のS.Q.U.I.Dにも天使兵の介入を招き、天使化を誘発させる“トロイの木馬”を仕掛けていたことが発覚。トゥアレタと瀬名まどかの意地をかけた電子防壁の展開でこの一手も防がれたが――。
 なお、時期的な推測による暫定措置として、彼に憑依した主天使にはザドキエルの名が付されている。
▼登場話
 第6話

ザフキエル 座天使級天使兵。
▼レポート
 神の玉座を運ぶ意思の支配者とされる座天使(スロウンズ)。彼ら座天使は軍勢を運ぶ戦車であるとされ、天使兵としても巨大な輸送用ユニットとして知られる存在である。
 伝承によればザフキエルとは、その座天使の指導者の1体とも言われる存在とされるが、突如として帝都湾に出現したこの天使兵も、その名にふさわしくあらゆる兵器を弾く特異な結界を有し、大量の天使兵を抱え侵攻してくる。
 シュネルギアでさえ貫けなかったその結界は、通常の“絶対結界”に性質の違う別の結界を重ね合わせた“擬似八門結界”ともいえる代物だった。だが、この構造を解析した瑞穂基地所属のナビゲーターにより、特異点を有する8箇所への同時攻撃が提案される。
 上層部の結界を破壊した後に、もう1枚の結界をシュネルギアによって貫くという作戦によって、さしものザフキエルもその防壁を失い、殲滅された。
 なお、座天使ザフキエルの別名は智天使ヨフィエルと共通する“ゾフィエル”であり、このことから、この時期に見られた様々なタイプの座天使級による侵攻は、ゾフィー・V・シャウベルガー博士の関与が色濃いと見る向きもある。
▼登場話
 第12話

セラキエル 座天使級天使兵。
▼レポート
 ザフキエルに続き、瑞穂基地を窮地に立たせた座天使級の1体。
 こちらも特殊な結界を有し、小さな島をまるまる1つ覆うほどの結界から、高出力のエーテルによる超々遠距離攻撃を瑞穂基地に仕掛けてきた。
 ただ、近接防御については結界内部に控える天使兵に頼っており、ザフキエル戦の戦訓を活かしたヤシマ艦隊とシュネルギア隊は連携によって結界を突破。複数機のシュネルギアを島内に投入し、これを殲滅している。
 なお、セラキエルとは大天使(あるいは堕天使)サリエルの別名ゼラキエルから付けられた名称と思われる。強固な結界と攻撃力は、かの天使の伝承にある邪視とその力からの守護を連想させるのに充分であった。
▼登場話
 第13話

ザナフ 主天使級天使兵。
▼レポート
 成層圏に出現、瑞穂基地を高高度から狙撃し、窮地に陥れた天使兵。
 こちらからの攻撃は一切届かぬ距離からの攻撃に対し、シュネルギア隊が採った対抗策は、かつての弾道ロケットの研究成果を利用した、シュネルギア及びアペルギアの成層圏域への打ち上げによる強襲と、地上からの試作型超大型陽霊子砲による狙撃の同時実施であった。
 これはより有効な手段を計りかねての二重作戦と推測されるが、現場レベルでの的確な整備と部隊運用が功を奏し、結果としては宇宙空間での打撃と地上からの狙撃との連携によって、最低限の被害での天使兵殲滅に成功している。
 なお、ザナフとは“頭を覆うもの(フード)”を意味する言葉。その名のとおり瑞穂基地の上空を覆う脅威的な存在であった。
▼登場話
 第13話

ウェリネ 座天使級天使兵。
▼レポート
 ザフキエル、セラキエルに続き、瑞穂基地を窮地に立たせた座天使級の1体。この頃の合衆国十字軍は、座天使級に複数種類の特殊な結界を持たせ、軍勢を抱えて侵攻させると言う戦術パターンを何度か繰り返している。
 この天使兵は、ただの半球状のお椀を伏せたようにしか見えないふざけた外見の結界に身を隠した状態で出現。敵の攻撃は通さず自分の攻撃は通すという相転移複層構造のケルンを有し、接近する対天使兵器を尽く薙ぎ倒す強敵であった。また、ヤシマ本土上陸後は1個師団規模の戦力を放出。関東各地を戦火に包んだ。
 対抗策として複層構造結界を同時に破壊するべく、シュネルギア隊は1番機による88mm対天使ライフル2門の同時着弾攻撃を敢行。これによって結界を破壊された結果、この天使兵も殲滅された。
 なお、ウェリネとは17世紀の宗教者によるところの、座天使位にある堕天使の1体。得体の知れなさという点においてはその名に相応しい天使兵であった。
▼登場話
 第21話

オーリヴィエール 男性体、80+?歳、主天使級天使兵。
▼レポート
 ヴィント・シュトラントと同じく、天使核を保有する個人に天使兵が憑依したと思われる存在。ノイエンガンメ出身の科学者オリヴィー・ハース博士が天使として名乗った名であるため、天使兵としてもこの名称が付されている。
 オリヴィー博士が倉島重工を利用して完成させた第四世代人間戦車“タケミカヅチ”を鎧い、瑞穂基地を壊滅の危機に陥れるが、彼が格下と見ていた第三世代人間戦車“マサムネ”を起動させた2人の少年たちの連続攻撃を受け、敗れる。
 “タケミカヅチ”を無敵たらしめる最大の特徴、擬似八門結界は起動キーに草薙伊音を利用していたが、この敗北はそれゆえであろうとは事情通の共通の見解。
 なお、“オーリヴィエール”の名は、大天使ラグエルの堕天を教唆した堕天使オリベルにその由来を見ることができる。また、この名は共和国語で“河へ向かえ”という意を持つ。ノイエンガンメ出身の博士が、どのような想いでこの名を自らに冠したかは、もはや定かでない。
▼登場話
 第26話

ガルディエル 融合天使。
▼レポート
 七五式呪法対戦車砲。通称“ホウセンカ”は、40年戦役末期にヤシマ本土防衛用として試作された、陸海空すべての敵に対応可能というトンでも砲として一部のマニアの間には広く知られている。
 一回の戦闘で使用した後、再起動に24時間の霊素エネルギー充填を行う必要があるという弱点を克服できず、鎖国によって開発計画そのものが破棄されていたこの砲の試作モデルは、隼雄近郊のヤシマ陸軍曙基地に放置されていた。
 これに天使兵が憑依し、圧倒的な射程で高度1万メートルのホルテンを撃墜したことから、この融合天使には“ガルディエル”の名が付された。実際、その破壊力と射程とは脅威であったが、シュネルギアに懐にもぐり込まれ、驚くほど簡単に撃破されている。ある意味、本来の姿で予想された末路を迎えたとも言えるだろう。
 なお、ガルディとは共和国語で“守人”を示す。
▼登場話
 第27話

ブラック・ファーナ 女性体、?歳、主天使級天使兵。
▼レポート
 3年前、呪法船によりメガラニカ方面からヤシマに運ばれていた少女の“黒い天使核”そのもの。宿主が“処理”されてもなお彼女を生かし、3年の時を経て復活させた。
 だが、同時にそれは“天使化”の克服を意味しない。現実には、破壊されかけた天使核が“天使”となった際に、不要な部分を排泄したのが現在のファーナであるとも推測されている。
 3年前に壊滅した呪法船団に搭載されていたアペルギアを従え、主天使級天使兵としてアクシア・リヒトヴィッツを拉致。仄暗い深海の底で彼女を取り込もうと画策するが、深海戦用にチューニングされたパワードアーマーを装着したシュネルギア:イェーガーによって殲滅された。
▼登場話
 第29話

カノン 女性体、?歳、智天使級天使兵
▼レポート
 ノーマン・ベイカー中将の亡命に従い、瑞穂基地に身を寄せたフーファイターライダー、カノン・M・ガイストの姿を取っていた天使兵。当初は人格のみの存在として、本人に上書きされていたと思われていたが、後に同じ智天使ヨフィエルから得られたデータにより、彼女をアーキタイプとする映し身(エイリアス)であったと推測されている。
 瑞穂基地を壊滅させる、少なくとも5〜7つのプランを持たされていたにも関わらず、ことごとく失敗。最終的には天使化しかけたトゥアレタ・クレーリオンを救う手段を提示し、実行するなどしたため、自爆するかCIAに回収されて廃棄処分となるかの選択を迫られた。
 結果、彼女は後者を選び瑞穂基地を離脱。――それは、いずれにしても本来のカノン・M・ガイストの行く末にまで引導を渡す行為だったのだが……。僅かな可能性を共に来ることを選んだひとりのヤシマ人パイロットに託して、ひとり静かに消えていった。
 なお、映し身(エイリアス)としてはやや不出来で、本来のカノン・M・ガイストに比べると物静かで無感動な節も見受けられた。だが、瑞穂基地で暮らすうちに様々な刺激や影響を受け、当初はぎこちなかった態度も最終的には随分と柔らかくなっていた。
 最終的にはほぼ同じ人格レベルにまで到達しており、このことが更なる戦いと悲劇を呼ぶことになる。
▼登場話
 第23話〜第31話

ハニエル 力天使級天使兵。
▼レポート
 もともとハニエルは大天使に分類される天使であり、アナエルと同じく金曜日の守護天使として知られている。セフィロトの樹に住まうハミエルとも同一視され、偉大なる7体の大天使の候補者の一人、あるいは愛と美を司る天使ともされる存在である。
 そのハニエルが、何ゆえ神奈市を襲った力天使級天使兵の呼び名とされたか、詳しいことは分かっていない。一説に拠れば、神奈市を壊滅させ、市民を軒並み灰色天使に変えた“天使の卵”をコントロールする天使であったからともされる。
 セフィロトの樹における7、ネツァクが“豊穣”の座であることからも、ある意味で正鵠を射た名前であったこの力天使は、瑞穂基地が誇る2機の遠距離戦シュネルギアの連携飽和攻撃に、その力を振るうことなく殲滅されている。
▼登場話
 第32話

アスビィル 主天使級天使兵。
▼レポート
 “不和”を振りまくとされる天使。この天使兵の襲撃直前の瑞穂基地は、少年機械化兵部隊と整備班、ギアドライバーたちの関係が暴発寸前まで悪化していたが、誰にも気づかれないほどに密やかにこの天使兵の影響があったとも考えられる。
 だが、襲撃寸前で瑞穂基地の面々は、中島茜の奮闘もあって和解を見せる。さらにアクシア、フリューゲル、中島三郎の帰還が間に合ったこともあってか、ある意味で最悪のタイミングでの襲撃となった。
 ひどくあっさりと返り討ちにされ、殲滅された天使兵だが、タイミングが一歩違っていれば瑞穂基地を滅ぼしえた存在。その名は不和を司るとして有名な、堕天使アンドラスに起因するとも考えられるが、詳細は不明。
▼登場話
 第34話

ふわら 熾天使級天使兵?
▼レポート
 見た目は、薄い桃色の長い髪の少女。5〜6歳くらい?
 磐梯山麓で静かに暮らす水原九郎の前に突如として出現し、ひっついてはトラブルと癒しを振りまく、本当の意味での“天使”の少女。だが、その正体は――天使兵であるということ以外、不明。
 流星の形を取り、ヤシマの八門結界を突き破って東北地方に落下したことから、便宜上熾天使級天使兵に分類されている。だが、水原九郎をドライバーに、シュネルギア(あるいはフーファイター)のような挙動を見せるなど、その力と素性には謎が多い。
 あるいは――すべてがメルヘンの産物であるのかも。
 そう思わせるに足る愉快な少女でもあったが、共に落下してきた主天使級天使兵と結果的に相討ちとなり、姿を消した。
▼登場話
 第39話

ルカ 元“ゴレーム”級フーファイター
▼レポート
 見た目は、7〜8歳くらいの金髪の少女。
 草薙伊音を“まま”と呼び、瑞穂基地を震撼させた。
 ――その正体は、ヤシマに3台持ち込まれたとされる“ゴレーム”級フーファイター。このクラスは通常のV機関用に加え、体内で“天界の門”を開くための天使核を搭載されており、周囲のエーテル吸収現象や爆発的な出力を見せていた。
 最後の1体として足立海軍基地を襲撃し、壊滅させた機体は、足立基地が対天使ミサイルを満載して特攻させた輸送機により、大きな損傷を受ける。それはEmethの一文字を削ったに等しく、よってフーファイターであるはずの存在が、純真無垢な少女として瑞穂基地に出現することに繋がった。
 この点において、磐梯山麓にて確認された“ふわら”との共通点も多く、第三世代人間戦車とは、すなわち巨大な天使(または完全機械化兵)であるという仮説に論拠を与えるものとなっている。
 記憶喪失の影響か、草薙伊音を“まま”と呼び、慕っていた彼女の行動は、“ゴレーム”級が吸収したエーテルを以って瑞穂基地をマスケンヴァル現象に呑み込む作戦の一貫として、製作者であるシャウベルガー博士に植え込まれたプログラムであったらしい。
 しかし、それはパートナーと共に“草薙の剣”を振るった草薙伊音により阻止。奇跡的に生存した彼女は、フーファイターとしての特性を喪っていたという。
 現在は、草薙家預かりとして古都に在住。“まま”の帰りを健気に待っていると言われている。
▼登場話
 第41話

ヤフキエル 座天使級天使兵。
▼レポート
 座天使の指揮官として、ラファエルと共に名の知られた天使。
 その名を冠するこの天使兵も、合衆国十字軍第3艦隊に随伴し、一大決戦となった天津島沖海戦にて強大な脅威としてヤシマ=統一帝国の前に立ちはだかった。
 千とも万とも言われる天使兵を吐き出し続けるその姿は、あのアクシア・リヒトヴィッツ大尉をして戦闘不能寸前まで追い込まれるほどの物量そのものを象徴。しかも麾下の天使兵は、これまでにない統率力によりコントロールされ、志摩中将以下ヤシマ海軍が夥しい戦死者を出す結果となった。
 まさに座天使の指揮官に相応しい存在だったが、戦力が減耗したところに切り札として投入された、シュネルギア4番機、6番機の攻撃によって撃破、殲滅されている。
▼登場話
 第42話

ガブリエラ 女性体。14歳?。大天使級天使兵?
▼レポート
 四大天使が一柱、ガブリエルの名を冠する少女。
 ふわっとした赤茶色の髪に、寡黙を保ちつつも少しずつほの見える感情が魅力であろう――彼女が、普通の人間であったなら。
 その正体は、合衆国十字軍製の完全機械化兵。しかもV機関に“黒い天使核”を使用した第10世代と同等あるいはそれ以上の性能を持たされた殺戮兵器である――はずが、どういうわけか元“赤狼隊”のアンセルモ・ロッソに預けられ、“妹”として天使大戦開戦後も瑞穂市でのんびりと暮らしていた。
 だが、そんな生活もアンセルモ・ロッソの起こした最初で最後の作戦で終わりを告げる。ヤシマ臨時政府大本営統合幕僚本部次官、江藤純香の暗殺実行者として行動した彼女は、あと一歩のところで阻まれ撤退したたものの、瑞穂基地の完全機械化兵を数体破壊し、シュネルギアと生身で互角に渡り合い、4番機のドライバーを瀕死の重傷に追い込むなど、その高い戦闘力を見せ付ける。
 実際、その作戦自体がガブリエラの能力をフルに引き出し、受肉させて紛い物の人形から大天使(アークエンジェル)へ昇華させるためであった――とも分析されているが、詳細は未だ不明。
 “兄”の影響で写真を趣味としていたが、受肉後はカメラにさえ興味を持たなくなったようである。合衆国十字軍に回収されてからは、主に第3世代人間戦車のナビゲーターを務める。
 なお、ガブリエラとはガブリエルの旧法王領語読み。
▼登場話
 第48話〜

ヨフィエル 女性体。79歳?。智天使級天使兵
▼レポート
 稀代の天才、ゾフィー・V・シャウベルガー博士の映し身(エイリアス)である天使兵。単なるコピーではなく、生誕時よりその身に宿っていたとする神智学者もおり、その状態を“ゾフィエル”と称する向きもある。
 “第一の喇叭”後、合衆国に亡命したシャウベルガー博士が法王なる人物に仕えるようになった頃から、別行動を取れるようになったらしい。V博士と名乗り、世界を股にかけた諜報活動に従事。シャウベルガー博士のクローンたちを世界中に配置したのも、この智天使の仕業とも言われている。
 天使大戦勃発後は、ヤシマ国内の“天使派”に武装や情報を渡し、その活動を影からあやつっていた。その効果はかなりのもので、ヤシマ陸軍情報部は相当、苦労させられたとの記録があちこちに残っている。
 最終的に、彼女は御神原諸島を封印していた“要石”の人柱である芦屋沙耶香を使い、合衆国十字軍第7艦隊を生贄に、究極の破壊天使である黒い天使兵“ルシファー”を構築。ヤシマ=統一帝国の撃滅を目指すが、陸軍情報部の十七夜大佐らによって芦屋沙耶香を奪回されたことにより計画は頓挫した。
 最後は天使兵としての姿を取り戦ったが、シュネルギア3番機“マサムネ”の繰り出した奥技“二ツ分け身”によって撃破されている。
 彼女の行動原理は、シャウベルガー博士の本心でもある“あの人に認められたい”だったが、それが最後に叶ったのかどうかは、当の本人にも分からぬまま、“草薙の剣”を利用して己を“ルシファー”の核と変貌し、存在を潰えさせた。
▼登場話
 第49話

ルシファー 熾天使級天使兵
▼レポート
 智天使ヨフィエルが、合衆国十字軍第7艦隊主力を生贄に構築した破壊天使。最強の堕天使の名を冠するが、そのコアとなるべき高出力の天使核を得ることに失敗したため、不完全体として形成された。
 それでも、その戦闘力はシュネルギアをも圧倒するかに思われたが、最後は徹底的な艦砲射撃に加え、ヤシマ=統一帝国の技術の結晶であるトラバントジステムに敗れ、撃滅されている。
▼登場話
 第49話

劉略(りう・るえ)  男性体。17歳?。大天使級天使兵?
▼レポート
 四大天使が一柱、ウリエルの名を冠する少年。
 鋭利な剣のように秀麗な容貌。背が高く、優雅かつ不遜な物腰。切れ長の目からヤシマ人よりもコンロン系合衆国人という印象を受ける。
 他の3人より長くアンナ・Lに仕えているようであり、容姿も性格も4人の中では最年長者。
 第48話でのガブリエラ覚醒を探知。回収を行なったと思われる。
 また第52話ではレオンハルト・トゥルナイサーの目の前でトゥアレタ・クレーリオンを射殺、その“救世主”としての力を覚醒させようとしたが、これはミシェルによって阻止された。――その代わり、ミシェル自身の位置を割り出し奪還を成功させるなど、行動の着実さと抜け目の無さにおいて現在の十字軍第7艦隊でも最強の敵である。
 なお、劉略とはウリエルをアナグラムし、コンロン語に宛てた名前。
▼登場話
 第52話〜

ラファエロ  男性体。15歳?。大天使級天使兵?
▼レポート
 四大天使が一柱、ラファエルの名を冠する少年。
 劉略と共にアンナ・Lをサポートしており、第52話ではミシェルを古都の天使核兵器研究施設から奪還した。
 小柄でふわふわ金髪という愛らしい容姿に気さくで親しみやすい性格をしており、裏のある可愛い笑顔が武器。それらを駆使して第58話ではギアドライバーである時祭沙羅をナンパしたりもしていた。
 ヤシマ=統一帝国の観兵式典に、奪取したシュネルギア:カゲミツで襲撃をかける。やはり守備隊を圧倒し、シュネルギア:シュトルムをも撃破寸前に追い込むが、反撃を捌ききれずほぼ相撃ち状態となる。この時、アンナ・Lの支援を受けて脱出したようなのだが――。
 何と、第74話で、ヤシマ陸軍第375中隊の二等兵に収まっていた。恐らく、上の事情を知らない一般兵あたりに捕まり、紆余曲折を経て厄介払いされたと思われるのだが、ラファエロ自身は、この部隊での生活と戦争を気に入っていたフシがある。
 彼の存在を察知したヴィヴリオによって、隼雄方面に第13実験部隊は遠征を行なうが、これに合わせるように発生した天使兵の大攻勢――天使嘯とその迎撃作戦の最中、隊長である観隼アリスらを救うため、自らフーファイターとアペルギアの継ぎ接ぎを核として天使兵を取り込み、天界の門の向こうへ消えた。
 なお、ラファエロとはラファエルの旧法王領語読み。
▼登場話
 第52話〜第74話

アヴァドゥン  能天使級天使兵
▼レポート
 黙示録に曰く、蝗(ホイシュレッケ)の次に来るもの。
 実質的に改良型ホイシュレッケの様を呈しているが、その戦闘能力は力天使級にも匹敵すると観測されている。灰色天使とホイシュレッケを混ぜたようなコンセプトをしており、霊的に一定程度素養のある人間をホイシュレッケに捕食させることで、この形態に進化するらしい。
 第55話でアンナ・Lにより初めて実戦投入され、ベテランパイロットであるウィリアム・ホランド中尉を核としたアヴァドゥンは、初戦でシュネルギア:ベーシックを撃墜する大戦果を挙げている。
 その後、何らかの問題が見つかったか、あるいは秘匿されているのか、このタイプの天使兵は姿を見せていないが……。
▼登場話
 第55話

ツァドキエル  主天使級天使兵
▼レポート
 主天使の長にして、神の正義、公正を意味する天使。グノーシス主義においては天国に到達した魂に、白いローブとサンダルを用意するとも云われる。
 卵を逆さにして羽根を着けたような姿で登場したこの天使兵も、その由来に同じくした力を持っていた。一見して攻撃力を持たない代わりに、ほぼあらゆる攻撃を無効化する――と見せて、攻撃してきたタン・メイリィの“黒い天使核”に入り込み、彼女の記憶と素質を介して天界の門を開き続けるという強力な攻撃に、瑞穂基地は壊滅数歩手前まで追い込まれる。
 なぜ彼女が狙われたかについては諸説あるが、その心の脆さに比してあまりにも多い天使兵との遭遇経験が狙われたという説が、ある情報将校の報告に記載されている。
 また、この天使兵が持つ他者の“黒い天使核”に憑依する能力については、同じ主天使ザドキエル(ヴィント・シュトラント)との関連性も指摘される。
 メイリィの記憶から開いた“天界の門”から大量の天使兵を具現化させることで瑞穂基地の戦力を減耗させ、最終的に瑞穂基地を初めて襲った座天使ザフキエルまで繰り出すが、無限に出現する天使兵の真相に辿り付いたヤシマ陸軍情報部の反撃によって、彼女の魂から祓われる。
 なおもザフキエルと融合して継戦するが、本調子を取り戻したシュネルギア5番機の全力の拳を受け、殲滅された。
▼登場話
 第62話

ファンタスマ  権天使級天使兵
▼レポート
 当初は“幻想天使”と称されていた天使兵。
 瑞穂基地を襲撃した天使兵の中でも、特に奇妙な力を使ってシュネルギアのうら若いパイロットたちを苦しめた。――それは、彼ら彼女らの煩悩を読み取り、それに応じた幻影を見せて動きを封じると言うものであり、なかなかに効果的といえば効果的な攻撃と認定されている。
 だが、エーテル通信装置の充実した瑞穂基地の管制官たちによる対エーテルジャミングによって幻影波を相殺されてより後、この天使兵はあっさりと殲滅された。
 なお、後の調査でこの“幻想天使”は人造天使兵とも言われる権天使級(アルカイ)の1体と推測されており、その由縁からファンタスマのコードネームが付されている。
▼登場話
 第65話

ラシエル  力天使級天使兵
▼レポート
 合衆国十字軍の試作型人間戦車“ジェットギア”ことクルセイダー試作型が、天使兵との共鳴により擬似的に自機を天使化させて性能をブーストする装置「エーテルドライブ」を稼働させた状態。
 その結果出現した、天使兵と見紛うばかりの光の翼とエーテル係数に、現場指揮官であったアレクセイ・レヴォントゥリがこのコードネームを付与したが、機体が実際に天使化したわけではなく、撃墜されても人間戦車の状態を保っていたことから、その意味では誤認とされている。しかし、第三世代以降の人間戦車が天使兵の模造であることを考慮すれば、あながち間違いであるとは言い切れない。
 また、この機体は瑞穂基地のトラバント搭載型シュネルギアと交戦して破壊されたが、この戦訓から、正式に第四世代人間戦車として建造された“クルセイダー”にはトラバントジステムと同等の戦術兵器である「エーテルファルター」が搭載されるなど、所期の目的を完全に果たした機体であるとも言えるだろう。
 なお、ラシエルという天使は聖書などには記述が無いが、共和国語では「空」を意味する言葉である。アレクセイの意図が奈辺にあったかはさておき、この機体にふさわしい名ではあった。
▼登場話
 第67話

ディアボルス  権天使級天使兵
▼レポート
 林檎・クラッカーネにより開発された人間戦車、であったもの。
 第三世代であるシュネルギア、その無人化コンセプト機であるノイエギア≒フーファイターの技術を取り入れ魔改造された結果、既存の機体を遥かに超える性能を叩き出すことに成功する。
 開発者である林檎は、天使に抗するものとして、この機体を“ディアボルス(悪魔)”と名付けたが、その実態は天使兵の模倣ではなくそのものと言える程に歪み高められた存在であった。
 いちおう“黒い天使核”の持ち主が操縦すれば、一定時間は人間戦車として機能するが、それ以外の者が乗れば取り込まれ天使兵と同等の存在と化す。ある意味、天使を模倣する天使として完成を見た機体ではあり、開発者である林檎が取り込まれた時点で、人造天使兵ともされる権天使級(アルカイ)の1体と分類され、機体名のままディアボルスのコードネームが付けられた。
 なお、この機体は取り込まれた林檎の情念のままにシュネルギアと交戦し、殲滅されている。
▼登場話
 第68話

ビリー・ザ・キッド(イグニス)  権天使級天使兵
▼レポート
 合衆国西部開拓時代における、伝説のガンマンの名を持つ兵士。本人かどうかは定かでない。
 1994年の南カフカス地方において、ゲリラとの交戦記録が残っている。この時の負傷が元で死亡したと思われるが、後に合衆国十字軍の第4世代人間戦車開発計画から派生した「ビリー・ザ・キッド計画」の被験者となる。
 これはフーファイターにクローニングされた頭脳を搭載し、かつナビゲーター代わりにクローン端末を使用するというもので、人間戦車サイズの完全機械化兵に交換の利くナビゲーターを使用することで驚異的な反応速度と、多重情報処理制御を可能としたものだった。
 事実、ヤシマ海軍の呪法船団を護衛部隊ごと全滅させ、シュネルギア:ヤークトを撃破するなど遺憾なく高性能ぶりを発揮したが、生体端末であるウィルマ・H・ボニーの“独立”により制御が不安定となって天使化してしまう。
 一説によれば、これらは瑞穂基地に潜入した合衆国十字軍のパティ・ギャロットが仕掛けた撹乱作戦であったとされるが、ナビゲーターの無いビリー・ザ・キッドは高性能とは言え天使化したフーファイターどまりであり、瑞穂基地のシュネルギア隊によって殲滅されている。
 この機体のコンセプトと失敗は、「完全機械化兵をナビゲーターとする」という回答と共に、合衆国十字軍の第4世代人間戦車へと受け継がれた。
 また、人造天使兵とも言われる権天使級(アルカイ)の1体と分類されたため、特徴である射手(イグニス)のコードネームが付されている。
▼登場話
 第71話

ザキエル  座天使級天使兵
▼レポート
 エノク書における第六天の守護天使にして、嵐の天使とされる。
 1997年、八門結界外縁海域にて呪法船団を嵐に巻き込んだ天使兵は、まさにこの名に相応しい能力を持っていたと言えるだろう。しかし、この天使兵は迎撃に出たコンロン帰りの試作型シュネルギア:アルファと相討ちになるかたちで、西ヤシマ海のとある島――戦略的価値なしとして忘れられた無人島、水火島に墜落、封印されていた。
 しかし、周囲のエーテルを広範囲に渡って吸収する能力を持ち合わせていたこの天使兵は、呪法船と融合することによって封印から逃れつつあり、さらに八門結界を無効化する能力まで備えてしまう。
 こうして再び嵐を起こし始めたザキエルは、結果として数隻の呪法船を行方不明とし、調査隊を呼び込むことになる。――まるで運命に見込まれたように、かの調査隊を指揮していたのは、2年前ザキエルによってシュネルギア:アルファを失った男であったのだ。
 結果として、ザキエルは再起動したシュネルギア:アルファに殲滅されるが、操縦していたのがギアドライバーで無かったと記録に残っている。ある戦史家はこれを眉唾と断じるが、同伴していた完全機械化兵の活躍と解釈するのが一般的な見方だろう。
▼登場話
 第72話

ラビエル  熾天使級天使兵
▼レポート
 大天使ラファエルの旧名。古きカルデア人の信仰に名を残す。伝承によれば、神に彼が従った時、ラファエルと改名したのだとも言う。
 隼雄方面を埋め尽くす天使兵の侵攻――天使嘯への対抗策として、ヤシマ=統一帝国が取った「天の岩戸」作戦。すなわち阿蘇のカルデラに天使兵を集め、戦略級天使核爆弾によって殲滅する――において、集められた天使兵の中から出現した、とされる。
 座天使スロウンズを従え、猛威を振るうが、九州方面に遠征していたシュネルギア7番機、10番機によって殲滅された。
▼登場話
 第74話

スロウンズ  座天使級天使兵
▼レポート
 熾天使ラビエルとともに、阿蘇のカルデラに集められた天使兵が集合して生み出された天使兵。座天使そのものの名称を与えられたのは、これがいわゆる「座天使の中の座天使」とも言えるアーキタイプ的な天使兵であり、かの天界位階基準に該当する天使兵が、数多の天使兵の集合体なのではないか? という説を補強するようでもあったから、と考えられている。
 阿蘇山火口においてドライクロイツと交戦、殲滅される。しかし、元が元なだけに、その後も九州方面における対天使戦闘にあれこれと厄介な影響を与えた――とも言われている。
▼登場話
 第74話

ナートアイヴェル  座天使級天使兵
▼レポート
 四国沖の深海――南海トラフの岸壁に埋め込まれていた、全長数kmにも及ぶ巨大な天使。便宜上は座天使級にカテゴライズされているが、エーテル係数だけ見れば熾天使級とも言われる。
 クジラに酷似した形状をしているため、ついた呼び名は“天使クジラ”。実態としては、深海でマスケンヴァル現象を発生させ、いまだヤシマを護る八門結界の破壊を狙った爆弾のようなものであったらしい。
 その危険性を見過ごすわけにはいかないヤシマ海軍の要請により、ドライクロイツよりシュネルギア8番機“シルト”の深海仕様機が投入され、激闘の末に殲滅された。
 なお、ナートアイヴェル(Nahtaivel)とは“Leviathan”の逆読みであり、この名称を付した霊素演算頭脳“べリアル”の意図が透けて見える――とは、後に戦闘記録を解析した、ある情報将校の言葉である。
▼登場話
 第76話

エンゼルギア研究所/管理人:相馬斉遠