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6歳 土面 |
7歳 アリストロメリア |
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7歳 パイナップル |
7歳 わたしの母さん |
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7歳 ひなげし |
8歳 シクラメン |
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8歳 りんご |
8歳 トウモロコシ |
しな乃は、その短い人生の証として、実にたくさんの作品を私たちに残してくれました。
その多くは絵画の類いですが、陶芸、粘土像、版画や書道などの他、スッケチブックやノートの片すみに描かれたものなどが、おびただしい数にのぼります。
しな乃が絵の勉強を始めたのは、5歳の中ごろでした。当時、兄の孝一郎が通っていた岡田嘉夫絵画教室に、入会条件である小学生以上という枠を、特別に外してもらっての入会でした。
毎週土曜日の、午後の数時間、しな乃のもっとも充実した時間の産物がこれらの作品です。その中でも群を抜いて多いのが、花を題材に扱った絵の数々です。
岡田先生は、子供の感ずるままを自由に描かせて、その中から才能を引き出すよう指導をしてくださいました。そこで、しな乃は自由にのびのびと筆を走らせ、ダイナミックな色づかいを身につけました。
この作品集では岡田教室の作品を中心に、小学校で図工の時間に、学校生活を描いたものを数点加えて、構成しました。
母親の顔を描いた作品は、アサヒタウンズの「わたしのお母さん」というコンクールに入選して、同紙に掲載されたものです。
これらの作品は、私たちにとって希望の芽でしたが、永久に夢叶うことなく埃を被っていこうとしています。
しな乃の作品に添えた写真の花は、すべてしな乃が愛した花々です。旅先や山登りで出合ったシナノキンバイやヤナギランなど、特別な所でしか見られないものもありますが、それ以外の多くの花は、その気になって探せば簡単に見つけることのできる、身近で平凡ながら、美しい花たちです。
イワカガミは、しな乃が天国に連れていった思いでの花ですし、レンゲショウマは森陰にひっそりと咲く、まさにしな乃を映したような清楚な花です。
木登りが大好きだったしな乃のために、樹の花も数点とりました。
季節の移ろいごとに咲く、これらの花を草野に見つけるたび、今また私たちは、在りし日のしな乃に出会ったような気がします。
しな乃の作品と野辺の花々に、遺された者の拙い挽歌を添えて、しな乃への鎮魂としました。 |

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