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Last Update/2012.02.05


◇ 学制から見たトゥアレタ・クレーリオン ◇

「幼年学校でも中等学校でも常に成績優秀――」
――『トゥアレタ・プログレッシヴ』より

 

01/02/03/考察TOP


■幼馴染でメガネでおでこで
 「セッティングマテリアル」には、トゥアレタについて興味深い事実が書かれている。彼女は幼年学校時代、神楽と一緒に通学していた幼馴染なのだ。幼馴染で眼鏡でおでこで委員長(そしてツンデレ)と、ヒロインとして多数の切り札を持つトゥアレタだが、ここで引っかかるのは「幼年学校」という言葉である。

 実のところエンゼルギアにおいても、学校制度は我々の現代日本と変わらない、小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年と思われる。
 戦前の学制を採用しなかったのは、TRPGとしての遊びやすさを優先した結果だろうし、何より14歳の少年少女が通う舞台に「中学校」が設定されていることからも証明できるだろう。実際、GF誌8期1号のシナリオ『誰がための、銃口』において、PC1(サンプルキャラクターを使う限り年齢は14〜15歳程度)が通うのは“足立市立第三中学校”で、普通に男女共学の学校として描かれていた。
 にも関わらず、トゥアレタと神楽が通っていたのは「幼年学校」で、しかもこれは6歳から10歳までの少年少女が通う、統一帝国式のものというのだ。

 余談だが、現代のドイツにおいてもシュタイナー学校や総合学校を除けば、6歳から10歳までは小学校に通い、そこから大学進学を前提とするギムナジウムや、職業専門学校への進学を前提とする中学校、各種実科学校へと分岐している。
 エンゼルギアにおける「幼年学校」が、ドイツにおける小学校をモデルにしているのは想像に難くない。名称が小学校でないのは、ヤシマ式の学校と区別するためだろう。
 とどのつまり、ヤシマ=統一帝国においては、ヤシマ式の学制と、統一帝国式の学制が混在する、実に複雑怪奇な状態となっているようなのだ。


■空白の4年間
 細かく考え出すとキリが無いので、話をトゥアレタに戻す。
 彼女は統一帝国式の幼年学校を卒業した後、数年の空白を経て瑞穂基地で神楽と再会するのだが、その時彼女は、瑞穂中学校特務クラスの委員長となっていた。
 瑞穂中学校は「エンゼルギア」にもあるとおり瑞穂市立――ヤシマ式の中学校である。つまりトゥアレタは、統一帝国式の学校からヤシマ式の学校にスライドしたことになる。
 さらに注目すべきは、何故トゥアレタが瑞穂中学校に通っているかだろう。
 もちろん“黒い天使核”を見出され、瑞穂基地に配属となったからだ。――たぶん、神楽より4年早く。
 となると「セッティングマテリアル」で“幼い頃のトゥアレタ”として描かれたムネの無い(冗談のようだが重要なことだ)彼女が、瑞穂中学校特務クラスの制服(銀十字は着けていないが)を着ていることにも説明がつく。要するにトゥアレタは、幼年学校卒業とほぼ同時期に、神楽と引き離され瑞穂基地に放り込まれてしまったと考えられるのだ。

 そこからの4年間は、彼女にとって相当に辛い日々だったのだろう。
 何しろトゥアレタは孤児である。頼れる両親も居なければ、幼馴染だった神楽も居ない。孤児院から瑞穂基地に通うわけには行かないから、10歳にして瑞穂基地の宿舎住まい。挙句の果てに軍人としての訓練と、“黒い天使核”所有者としての実験台となる毎日――。
 トゥアレタが、与えられた任務を完璧にこなすことを自他共に求める努力家に育ったのも、さもありなんという感じである。


■委員長なトゥアレタ
 この、ある意味完成され安定した彼女の性格が、神楽との再会で(良い意味で)崩されていくのは実に楽しみだ。――そして、私はトゥアレタが持つ、この完成された安定性こそ、彼女の物語を構成する大きな要素と睨んでいるのだが、これについてはまたの機会に述べてみたい。

 なお、『トゥアレタ・プログレッシヴ』を公式設定だと仮定すれば、少なくともトゥアレタが“黒い天使核”関連の悪どい実験台になっていることは間違いなさそうである。
 いちおう、この本に登場しているのは、本人ではないようだが……。


記:2004.02.29
記事一部追加:2005.10.10
見出し追加:2007.11.19


エンゼルギア研究所/管理人:相馬斉遠