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Last Update/2012.02.05


◇ 中島茜/第5のギアドライバー ◇

「物語に参加するには、それなりの役割がある」
――『エンゼルギア・マテリアル』第17(実質18)回より

 

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■人数。ドライバー<ナビゲーター
 GF誌11期1号で示された、ギアドライバーとナビゲーターの組み合わせ。
 パソコンゲーム版エンゼルギアにおいては、一見これに主人公である神楽が加わることで完璧になると見せているリストだが、実は重要な疑問点が隠されている。
 それは、パソコンゲーム版エンゼルギアで公式に設定されているギアドライバーは「4人」だが、ナビゲーターは「5人」である――すなわち、クベルタ10-9が神楽とセラピアによって「発見」された場合のギアドライバー(あるいはナビゲーター)が1名不足しているのだ。
 もちろん、まだ発表されていない新キャラクターが加わる可能性も捨てきれないが、ここはあえて既存のキャラクターの中からギアドライバーになる可能性を持つ人物を考察してみよう。
 結論から言えば、それは14歳という不自然な年齢設定をされている中島茜に他ならない。……と、いうより。彼女には年齢の他にも、ギアドライバーになっておかしくない、幾つもの伏線が張られているのだ。
 GF誌11期4号の中島茜の解説記事によれば、彼女はV機関=天使核の扱いについて天性の勘めいたものをもち、当然シュネルギアのV機関とも相性がよく、若干14歳で機密の詰まったシュネルギアそのものを扱う権利を、他のギアドライバーたちと同じくヴィヴリオ大佐に承認されている。さらに――これが最も大きな伏線と思われる――茜は、瑞穂中学校に在籍するが、ほとんど登校していないのが現状であり、結果としてヘルプストハイム検査を免れている可能性が非常に高い。
 すなわち、後から“黒い天使核”保有者であることが判明しても、まったく不自然ではないのだ。
 そもそも、シュネルギアの整備について正規の訓練を受けていないはずの茜が、他のベテランたちを押しのけてトップクラスであるというのは、シュネルギアの操縦について正規の訓練を受けていないはずのギアドライバーが、他のベテランたちを押しのけてトップクラスであることと奇妙に相似する。
 つまり、彼女の異能とも云える才能も、“黒い天使核”保持者と考えればうまく説明できてしまうのだ。もちろん、整備という仕事そのものが、S.Q.U.I.Dによる支援を受けるシュネルギアの操縦とは異なる才能を求められるのは確かだが、それを差し引いても不自然すぎる中島茜の「14歳」という年齢設定は、まさに彼女がシュネルギアに乗るためのものと考えて不思議ではない。
 両親が40年戦役時に南方戦線を転戦していたのも、強いエーテルの影響を受ける機会が幾らでもあったということを示唆しており、トゥアレタと同じく突発的に“黒い天使核”を保有している理由を補強できる。

■遅れて来たドライバー、発掘されたナビゲーター
 さて、そんな茜がシュネルギアのドライバーとしての力を発揮するのは、どういうシチュエーションだろうか?
 ひとつは、ごく自然な形で「ちょっと待った?」的な発覚が想像できる。例えばコクピット周りのチェックをしていた彼女が、軽い気持ちでS.Q.U.I.Dリングを下ろしてみたら動いてしまうとか、作業用の足場が崩れるといった事故からシュネルギアが彼女を守ったりというイベントは効果的だろう。
 あるいは、ジョン・クエストの如く。
 整備兵までも銃を取らねばならないほど追い詰められた瑞穂基地を、起死回生の逆転劇で救うという展開も興味深い。この場合、彼女のギアドライバーとしての能力もかなり高めに出現するのではないだろうか。
 さらに、中島茜はクベルタ10-9との相性の良さも見逃せない。
 GF誌11期2号には、「発見」されたクベルタについて中島茜が解析し、その未来テクノロジーに驚嘆するという描写がある。言い換えればクベルタは裸の自分をさらけ出して解析させるコトを(マスターの口添えがあるだろうにせよ)茜に許す程度には彼女を信頼し、また根っからのメカ好きである茜は、ギアドライバーとしてもクベルタと非常にいい関係を構築できるのだ。
 ギアドライバーとナビゲーターの相性がシュネルギアの性能を大きく左右するのは、このゲームのテーゼのひとつである。これらのことから導き出されるのは、中島茜はギアドライバーの資格を持ち、しかもクベルタと相性が良い――つまり、神楽がクベルタを「発見」しても彼女のルートに進まなかった場合の相棒として最適である、という、“有り得る可能性の極めて高い未来”なのだ。

■受肉と機械化と
 では、もし神楽がクベルタのルートに進み、それまでのナビゲーター(おそらくは凍)と交代した場合、茜はどうなるだろうか?
 ひとつは、トラバントジステム搭載機を操る神楽とクベルタの戦闘能力が高すぎるため、茜がギアドライバーにならない展開が考えられる。この場合、凍は当初のように「反応速度に追随できるギアドライバーが不在」として扱われるだろう。
 もうひとつが、茜と凍がペアを組む可能性だろうか。この2人の相性は、おそらく良くも悪くも無いと思われるため、肝心の茜がどうやって凍の反射速度について行くかが課題となる。
 先天的にそれが可能でない場合、茜は後天的に何とかしてしまうかも知れない。S.Q.U.I.D、もしくは自分を改造し、反射速度を高めるのは十分に考えられることだ。……恐ろしいことに、エンゼルギアにはそのためのアイテムもしっかり用意されている。
 インプラントに【感覚】を上げるヤオロズ社製の「神経強化」のみが紹介され、その他の能力値を上昇させるアイテムがルールブックに存在しないのは。あるいはトラバントジステムの使用に有用な<エーテル>技能を強化するヴォルケン=クラッツァ社の「バトリーブ・ジステム」が態々設定されているのには、何気に深い意味がある……とは考え過ぎだろうか?
 そして――。
 仮に、中島茜のルートが存在するならば、ここが始まりかも知れない。
 凍と組むことで、茜が生身であることに限界あるいは絶望を感じ、己を機械に置き換えようとするならば、全身が機械でありながら生身となっていくことに限界あるいは絶望を感じるクベルタ10-9と、ここでも綺麗な相似形を描いてしまう。
 彼女の物語は、人と機械の境界線をクベルタとは逆の方向から映し出す合わせ鏡となるのだろうか? ――答えはまだ、ヴェールの向こう側に隠れたままであり、それを窺い知ることはできない。

記:2008.03.10


エンゼルギア研究所/管理人:相馬斉遠