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Last Update/2012.02.05


◇ シュネルギアの系譜 ◇

「様々な機体が存在しており、特殊な機体も少なくない」
――『エンゼルギア2nd』シュネルギアコンストラクションより

 

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シュネルギアの系譜図(銀目猫さん作成)
※クリックで拡大表示

■はじめに
 上の図は、銀目猫さんから頂いたシュネルギアの系譜についての考察図である。2ndになっていきなり種類の増えた各機体について、ルールブックの記述を基にまとめたものとのことで、非常に直感的で分かりやすい。
 そこで、今回はこの図から得たインスピレーションを基に、2ndのシュネルギアたちについて考察しつつ、あることないこと書き連ねてみようと思う。
 まず、基本的な情報として、ルールブックから読み取れる開発経緯と、機体特性の分類が可能だろう。……文字でグダグダ書いたものをまとめれば、まさに上の図になるのだが。

(1)開発の経緯
 ・アインは全ての機体の基になった、世界初のシュネルギア。
 ・アーデは、シュトルムがベース。
 ・オサフネは純ヤシマ製。マサムネに負けた。
 ・カノーネはもともとプレゼン用の機体。
 ・グランツ、スヴァンは変形する。
 ・シルトは、リッターがベース。
 ・フェスタング、リッターはヤシマの要請により、統一帝国と共同開発。
 ・マサムネは現在も開発中。

(2)機体カテゴリ
 ・特記なし:アイン
 ・軽装型:アーデ、ケンプファー、シュトルム
 ・火力支援:イェーガー、カノーネ、ヤークト
 ・試作型:ヴァッハ、グランツ、シュトーレン、スヴァン
 ・試作実験型:ヴィルヴェル、シルト、ドラング、ブリッツ
 ・純ヤシマ製:オサフネ、マサムネ
 ・攻撃型:ガイスト、ラケーテン
 ・聖霊強化型:シュヴェーア、トラバント、メースィヒ、レープハフト
 ・白兵型:フェスタング、リッター


■試作(実験)型シュネルギア
 こうして分類して見ると、多々あるシュネルギアだが、まず大きく分けて2つにカテゴライズが可能である。すなわち「試作(実験)型」とそれ以外なのだが、ここで面白いのが同じ試作系でも、「試作型」と「試作実験型」に分かれているところだろう。
 これも簡単にまとめてみると、次のようになる。
・試作型
 ヴァッハ(前線指揮用)
 カノーネ(重砲撃用)
 グランツ(高機動形態)
 シュトーレン(電子戦用)
 スヴァン(可変型)

・試作実験型
 ヴィルヴェル(対航空機用)
 シルト(防御特化型)
 トラバント(エーテル兵器)
 ドラング(友軍支援)
 ブリッツ(誘導白兵両立)
 レープハフト(歌唱能力者用)

・それ以外
 アイン(基本)
 アーデ(対空)
 イェーガー(誘導)
 オサフネ(白兵)
 ガイスト(火器管制)
 ケンプファー(強襲)
 シュヴェーア(エーテル共鳴)
 シュトルム(軽装)
 フェスタング(拠点防衛)
 マサムネ(白兵)
 メースィヒ(エーテル循環)
 ヤークト(砲撃)
 ラケーテン(誘導)
 リッター(白兵)

 こうして並べてみると、シュネルギア開発の経緯と現状がうっすらと透けて見えるようで興味深い。つまり、試作型は「新しいコンセプトの試作機」であり、試作実験型が「まだ未確立のコンセプトの実験機」と考えれば、ヴァッハやカノーネは実用化の数歩手前に。トラバントやブリッツ、レープハフトはまだまだ実験段階にあると考えることが可能である。
 そして、それ以外の機体はコンセプトが実戦レベルでほぼ確立された段階にあると見れば、シュネルギアの基本コンセプトは次の5系統に分類できる。

・射撃戦用シュネルギア
 シュトルム、アーデ、ケンプファー、ガイスト
・砲撃戦用シュネルギア
 ヤークト
・白兵戦用シュネルギア。
 マサムネ、オサフネ、リッター、フェスタング
・誘導兵装シュネルギア
 イェーガー、ラケーテン
・エーテル技術応用型シュネルギア
 シュヴェーア、メースィヒ

 いわゆる攻撃に使用する、5つの技能と綺麗に対応しているのが分かるだろう。これらのシュネルギアは、既に実戦レベルで配備済、もしくはいつでも配備が可能であり、逆に試作(実験)型は、まだまだ実戦レベルの配備がこれからであるか、未だに設計コンセプトの段階である――と見るならば、基本レギュレーション時点での瑞穂基地の機体配備状況、あるいはサンプルキャラクターが取得している機体の説明がつく。

 まず、基本機体としてアイン。
 射撃戦、砲撃戦、白兵戦、誘導兵器にそれぞれ適応した機体として、1stからおなじみのシュトルム、ヤークト、マサムネ、イェーガー。
 そして「歌唱能力者」たるシンガー用の機体……が間に合わなかったため、試作型シュネルギアの中からナビゲーターであるトゥアレタ用に、最新鋭機カノーネ、となるのではないだろうか。
 こう考えると、カノーネの説明文にある「戦局変化により実戦投入」もやや意味合いが変わる。もともとプレゼン用のコンセプトモデルだったはずの機体が、ギアドライバー/シンガーに合わせた最新鋭機という触れ込みで瑞穂基地に配備された――。その実体は、シンガーの特徴である歌唱能力がまず活用できない超火力重視の試作機だが、ナビゲーターがトゥアレタなので、「シンガーの能力に適応しなくても画期的な戦果を上げるに違いない」と上層部が考えた。という邪推である。

 余談だが、上の分類でテキスト色が赤い機体は、1stのルールブックに掲載された機体、青い機体はGF誌などで追加された機体を示している。こうして並べてみると、やはり運用が確立された機体は1stから引き継がれ、バリエーション機を除けば、試作機や実験機は2ndで多く追加されたことも分かるだろう。


■射撃戦用シュネルギアの末路
 ここからは、シュネルギアの基本コンセプトについて述べてみたい。
 まず、射撃戦用シュネルギアである。
 代表的な機体のシュトルムは、アインから発展もしくは改装した軽装攻撃機と解釈できそうである。機体特技もいかにも合っている上、【肉体】と【理知】を1点ずつ削って【感覚】に回しているあたりもそれっぽい。
 アーデはこれを地対空戦用に改修した機体。
 ケンプファーは、感覚に特化しすぎて回避力の落ちたシュトルムを再調整し、射撃力と回避力のバランスを取り直した機体――と見立てることもできそうである。
 どちらも装甲が落ちているのは、アーデは地上すれすれを飛ぶ仕様上から、ケンプファーは回避力の向上を図った結果と見ると、説明できそうだ。
 さらに、ここから誘導兵器との両立を図り、装甲と演算装置を搭載して移動力の低下した機体がガイストと見ることもできそうである。

 こうして見ると、射撃戦用シュネルギアは初期段階からコンセプト的にほぼ完成したと思われる。実際、試作(実験)機で【感覚】が+6あるのは1種類しか存在しない。
 その1種類とは――機体特技が紙同然のヴィルヴェルである。
 シュトルムをどういじったら、装甲は増えたが移動力が落ちて機体特技もダメダメという結果に終わるのだろうか。残念ながらこの機体はまさに実験機で、しかも失敗に終わっていると言っていいのではないだろうか。


■砲撃戦用シュネルギアの埋没
 砲撃戦用シュネルギアの代表格は、やはりヤークトだろう。
 何気に基本性能はシュトルムとほぼ同じで、移動力が落ちた代わりに機体特技が砲戦に最適化されているあたり、この機体もアインから発展もしくは改装された機体と解釈できそうである。
 実のところ、砲撃戦用というコンセプトは、使用する能力値が射撃とほぼ変わらないこともあって、これ以降の拡大はしていない。――というより、ヤークト自体も武装を変えれば簡単に射撃戦仕様にできてしまう。<砲術>で使う武器は魅力的なものが多いので、このあたりは少々残念な気もする。

■白兵戦用シュネルギアの葛藤
 まず、1stでは最高の性能を誇っていた純ヤシマ製シュネルギアたるマサムネだが、2ndではオサフネという対抗馬が登場した。総合的な能力値ならマサムネ有利は変わらないが、【肉体】+6は同格で、機体特技にそう差が無く、移動力はオサフネが勝ると見れば、意外とコンペティションは僅差であったかも知れない。
 案外、テストパイロットを務めただろう伊音の趣味でマサムネが優遇された可能性も無い――とは断言できないだろう。
 こうして、純ヤシマ製シュネルギアの開発が進められている一方で、ヤシマ側の要望でリッターやフェスタング、発展型のシルトといった機体も開発されている。いずれも防御系のコンセプトを備えているあたり、どうも純ヤシマ製の機体が攻撃に偏重するのを憂う、あるいは嫌う勢力がヤシマ軍にあるのは間違いない。

 その一方で、【肉体】+5〜+6の機体はケンプファー、スヴァン、ブリッツ、ラケーテンが存在している。特にスヴァンAは白兵戦の性能と装甲を見ればマサムネやオサフネに互する優秀な機体である。機体特技もマサムネと同じであり、統一帝国がマサムネを参考に――あるいはリバースエンジニアリングして技術転用したと考えると、なかなか深読みのできる機体ではないだろうか。
 ケンプファーとラケーテンは、回避力を追求した結果、白兵戦もやってやれないことは無いという仕様だろう。装甲が10点落ちるのがその証左である。――が、対天使戦闘は「当たらなければどうということはない」世界なので、実戦での運用上は、これらの機体も白兵型と看做して構わないといえる。
 特にケンプファーは、マサムネとほぼ同じ運用ができる上に移動力は3倍、機体特技でマイナーアクションが浮かせられると、より実用的に使える可能性を秘めていたりする。
 つまるところ、ヤシマのお家芸である剣術を対天使戦闘において実現するはずの純ヤシマ製シュネルギアは、白兵戦用に特化していても、まだまだ改良の余地が大きいのだ。なかなかに切ない話ではないだろうか。


■誘導兵装シュネルギアの進化
 1stの頃、誘導兵装シュネルギアの代表格はイェーガーであった。
 2ndでも。やはり基本性能はシュトルムとほぼ同じ(【感覚】ではなく【理知】が強化されている)で、移動力が落ちた代わりに機体特技が誘導兵器に特化、さりげなく装甲も強化されている。この機体も、やはりアインから発展もしくは改装された機体と解釈できそうである。
 これが対地爆撃力と回避力を向上させ、装甲を削るとラケーテンになる。さらに試作型シュネルギアでは、ヴァッハ、カノーネ、シュトーレン、スヴァンBがいずれも誘導兵器を主眼に置いた設計(【理知】+5〜+6)であり、試作実験型でもドラング、ブリッツがこれに該当する。

 こうして見ると、ミサイルを初めとした誘導兵器を主兵装とするシュネルギアには様々なコンセプトが試されているのが分かる。中でもカノーネは、装備している兵装を一度に叩き込む《モータルストーム》が極めて特徴的な攻撃特化型であり、ある意味では進化の究極系に到達したと言えるだろう。
 にも関わらず、さらに様々な機体が試作されている――これこそ誘導兵装シュネルギアの可能性と、今後の発展性を示しているのではないだろうか。


■エーテル技術応用型シュネルギアの胎動
 おそらく、基本レギュレーションの段階では、トラバントジステムも歌唱能力者用シュネルギアも、理論として想定はされているが、まだまだ実戦配備の段階には無いと想像される。
 まず、V機関とケルンという主動力と機動手段以上のエーテル運用のコンセプトモデルとして、シュヴェーアとメースィヒが試作運用されているのが現状で、これらのデータから、トラバントとレープハフトに発展するのだと思われる。

 能力値的に見れば、トラバントもアインの発展もしくは改装機とも見て取れる。特に整備性がゼロになっているあたり、無理矢理感が微笑ましい。
 対してレープハフトは、シュヴェーアとメースィヒの正当進化系といった趣。能力値的にはメースィヒを受け継ぎ、とにもかくにも凶悪な機体特技は、その萌芽をシュヴェーアに見ることが可能。
 さらにシュヴェーアは試作(実験)機でも何でもないのに、総合性能は+17とマサムネやガイスト、ラケーテンをも押さえて最強の機体であったりする。実のところ【聖霊】特化型の機体の中では最高の白兵戦闘能力を持ち、ギアドライバーの《接合》を考えればマサムネより単純に強かったりするので侮れない。

 単純にデータだけで考えるなら、射撃戦、砲撃戦はレープハフト、誘導兵器は瞬間最大火力を考慮してカノーネ、白兵戦はシュヴェーアの3機種が最強である。これら以外の機体が存在しない瑞穂基地――というのも実戦的ではあるかも知れないが、何となく寂しいと思うのは私だけだろうか。


■コンセプト倒れの試作(実験)機
 機体特技がどうしようもなく紙切れなヴィルヴェル。
 総合性能でアインにも負け、さらに機体特技も微妙なグランツ。
 移動力的に、劣化版ケンプファーな感じのブリッツ。
 ちょっとこの3機種には哀愁が漂う。……が、こういう機体もあってもいいのではないだろうか。試作機が全て強いとは限らない好例である。こうした機体にボヤく茜や、それでも何とか使いものにしてくれる瑞穂基地整備班の奮闘を描いてみるのも、また一興だろう。

■がんばれアイン
 世界で最初に開発されたシュネルギア。
 それがI(アイン)である。
 1stの頃は、装備コストの安さ(BvP504より安い!)と、おまけでついてくる対天使ミサイルが嬉しい機体だったが、2ndでもさりげなく侮れない機体なのだ。
 能力値修正こそ【肉体】【感覚】【理知】のいずれも+4と平凡そのものだが、合計+12は他の機体と比べても遜色ない。さらに、すべての機体の基本となったことから整備性が+10あるが、実はこれはシュネルギアではアインだけのステータスだったりする。(ヴィークル全体でも、他に+10あるのは零式弐型局地戦闘機“颶風”だけ)。
 さらに機体特技の《急速上昇》だが、これは《ハードシールド》などで受ける[狼狽]を自動的に回復してくれる優れもの。この一点においては【聖霊】強化型の機体でさえも敵わない、アインだけのアドバンテージとなっているのだ。
 移動力や装甲も平均的であり、それゆえに迂闊な試作(実験)機よりも安定して強かったりするアイン。
 ギアドライバーたるもの、いちど乗ってみるのも面白いのではないだろうか。

 なお、個人的にはイェーガー、シュトルム、ヤークトといった能力値修正の合計が+12のシュネルギアは、すべてアインに戻せるの(≒同じフレームを使った仕様変更機)ではないか……と勘ぐっている。
 この視点で見た場合、例外(新規フレームで建造)なのは、次の3系統となる。

・試作実験機(能力値修正の合計+11)
 ヴァッハ、シュトーレン、シルト、リッター

・新規フレーム(能力値修正の合計+14)
 ガイスト、マサムネ、ラケーテン

・聖霊強化型(【聖霊】に+修正あり)
 シュヴェーア、トラバント、メースィヒ、レープハフト

 つまり、純粋に新型機と呼べるのは7機種+聖霊強化型4機種のみであり、残りはすべてアインの仕様変更機種と考えれば、ギアドライバーとナビゲーターの数に比して、シュネルギアの種類が妙に増えていることにも説明がついてしまう。
 さすがにこれは牽強付会だろうが、シュネルギアを(GMの許可があれば)プリプレイで交換できることの裏に、こういう事情があると考えるとV機関の数と瑞穂基地整備班の労力を減らせたりするのではないか、とも思うのだ。


記:2009.10.10


■系譜図作成:銀目猫さん


エンゼルギア研究所/管理人:相馬斉遠