■試作(実験)型シュネルギア
こうして分類して見ると、多々あるシュネルギアだが、まず大きく分けて2つにカテゴライズが可能である。すなわち「試作(実験)型」とそれ以外なのだが、ここで面白いのが同じ試作系でも、「試作型」と「試作実験型」に分かれているところだろう。
これも簡単にまとめてみると、次のようになる。
・試作型
ヴァッハ(前線指揮用)
カノーネ(重砲撃用)
グランツ(高機動形態)
シュトーレン(電子戦用)
スヴァン(可変型)・試作実験型
ヴィルヴェル(対航空機用)
シルト(防御特化型)
トラバント(エーテル兵器)
ドラング(友軍支援)
ブリッツ(誘導白兵両立)
レープハフト(歌唱能力者用) |
・それ以外
アイン(基本)
アーデ(対空)
イェーガー(誘導)
オサフネ(白兵)
ガイスト(火器管制)
ケンプファー(強襲)
シュヴェーア(エーテル共鳴)
シュトルム(軽装)
フェスタング(拠点防衛)
マサムネ(白兵)
メースィヒ(エーテル循環)
ヤークト(砲撃)
ラケーテン(誘導)
リッター(白兵) |
こうして並べてみると、シュネルギア開発の経緯と現状がうっすらと透けて見えるようで興味深い。つまり、試作型は「新しいコンセプトの試作機」であり、試作実験型が「まだ未確立のコンセプトの実験機」と考えれば、ヴァッハやカノーネは実用化の数歩手前に。トラバントやブリッツ、レープハフトはまだまだ実験段階にあると考えることが可能である。
そして、それ以外の機体はコンセプトが実戦レベルでほぼ確立された段階にあると見れば、シュネルギアの基本コンセプトは次の5系統に分類できる。
・射撃戦用シュネルギア
シュトルム、アーデ、ケンプファー、ガイスト
・砲撃戦用シュネルギア
ヤークト
・白兵戦用シュネルギア。
マサムネ、オサフネ、リッター、フェスタング
・誘導兵装シュネルギア
イェーガー、ラケーテン
・エーテル技術応用型シュネルギア
シュヴェーア、メースィヒ
いわゆる攻撃に使用する、5つの技能と綺麗に対応しているのが分かるだろう。これらのシュネルギアは、既に実戦レベルで配備済、もしくはいつでも配備が可能であり、逆に試作(実験)型は、まだまだ実戦レベルの配備がこれからであるか、未だに設計コンセプトの段階である――と見るならば、基本レギュレーション時点での瑞穂基地の機体配備状況、あるいはサンプルキャラクターが取得している機体の説明がつく。 まず、基本機体としてアイン。
射撃戦、砲撃戦、白兵戦、誘導兵器にそれぞれ適応した機体として、1stからおなじみのシュトルム、ヤークト、マサムネ、イェーガー。
そして「歌唱能力者」たるシンガー用の機体……が間に合わなかったため、試作型シュネルギアの中からナビゲーターであるトゥアレタ用に、最新鋭機カノーネ、となるのではないだろうか。
こう考えると、カノーネの説明文にある「戦局変化により実戦投入」もやや意味合いが変わる。もともとプレゼン用のコンセプトモデルだったはずの機体が、ギアドライバー/シンガーに合わせた最新鋭機という触れ込みで瑞穂基地に配備された――。その実体は、シンガーの特徴である歌唱能力がまず活用できない超火力重視の試作機だが、ナビゲーターがトゥアレタなので、「シンガーの能力に適応しなくても画期的な戦果を上げるに違いない」と上層部が考えた。という邪推である。 余談だが、上の分類でテキスト色が赤い機体は、1stのルールブックに掲載された機体、青い機体はGF誌などで追加された機体を示している。こうして並べてみると、やはり運用が確立された機体は1stから引き継がれ、バリエーション機を除けば、試作機や実験機は2ndで多く追加されたことも分かるだろう。 |