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Last Update/2012.02.05


◇ 追加オーギュメント考察 ◇

「プリプレイにおいて上記のオーギュメントとの入れ替えを許可してもよい」
――『ゲーマーズフィールド』14期1号より

 

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■追加オーギュメントの由来
 GF誌14期1号で追加されたオーギュメントは、セフィロト由来でも天使由来でもなく、主にヨハネの黙示録が送られた七教会(※ここでの「教会」とは、概ね主要な地方教団の意味)と、「イスラエル」の名を受けたヤコブの子孫たる十二支族から多く名称が与えられている。

 例によって、これを表にすると次のようになる。

クラス 七教会 十二支族 その他
アーティラリー      
ウィザード ラオデキヤ イサカル

――

オフィーツィア エフェソス ルベン

――

ガンスリンガー      
ギアドライバー

――

マナシヤ ベレシス
サムライ      
シンガー      
ソルジャー

――

ガド アッシャー
ツィヴィール      
ホムンクルス スミルナ エフライム

――

ミーディアム      
特殊

――

――

ピソン
ヒディケル

 

 単純に考えれば、七教会のうち4つ、十二支族のうち7つが残っているが、オーギュメントの枠は(各クラス2つとして)12個が空いている。つまり、七教会と十二支族以外からも、最低限、何か1つが入るのは確定的と言えるだろう。


■黙示録の七教会
 第一の喇叭から第七の喇叭が吹かれる描写で有名な、ヨハネの黙示録。世界を覆ういなご(ホイシュレッケ)も登場するなど、ある意味エンゼルギアの底本として捉えることのできる文献である。
 これは、96年にパトモス島のヨハネが受けた啓示を、7つの教会に送る手紙のかたちで記述したとされるが、ここで挙げられた教会の名が、追加オーギュメントとして登場しているのだ。
 それを黙示録の記述順に並べると、次のようになる。

 《エフェソス》
 《スミルナ》
  ペルガモン
  テアテラ
  サルディス
  フィラデルフィア(アラシェヒル)
 《ラオデキヤ》

 ちなみに、当時はいわゆる大規模な建築物としての教会はまだ存在せず(キリスト教がローマ帝国に公認されたのは313年の「ミラノ勅令」から)、概ね共同体的な集団のうち、大規模なものが7つの地域に存在していたらしい。
 96年といえばローマ帝国でも、あるいは人類史でも「最も人類が幸福であった」とされる五賢帝の最初の1人、ネルヴァ帝の治世が始まった年でもあるが、当時はキリスト教もローマ帝国内に無数にあった宗教の一つに過ぎず、しかし時期としては表立った迫害を受けていたわけでも無い。その様な時代にヨハネの黙示録のような文献が書かれた理由についても諸説あるが、ここでは触れないでおく。
 ともあれ、未登場のオーギュメントのうち、ペルガモン、テアテラ、サルディスについてはそのまま登場するだろう。ただし、フィラデルフィアについては、現在ではアメリカ合衆国の都市の方が想起されやすいため、現在のトルコ共和国の地名であるアラシェヒルになるかも知れない。
(スーパーロボット的には《ヒラデルヒア》となる可能性もあるが)


■イスラエル十二支族
 現在、中東パレスチナ地方に国家として存在する「イスラエル」。この語源は、旧約聖書の創世記第32章で、天使と格闘して勝利したヤコブが、神に与えられた名前に由来する。
 この時、ヤコブは「神と人と戦い勝利した」ゆえに彼の名を与えられたのだが、ある意味でエンゼルギアのモチーフ的な人物の子供たちの名が、PCたちが天使兵に対抗する力であるオーギュメントに与えられたのは興味深い。
 そのヤコブの子供たちを、出生順に並べると次のようになる。なお、名称の前に付く記号は母親を示す。Rはレア、Gはレアの侍女ジルパ、Lはレアの妹ラケル、Vはラケルの侍女ビルハである。

 R《ルベン》
 R シメオン
 R レビ
 R ユダ
 V ダン
 V ナフタリ
 G《ガド》
 G アシェル
 R《イサカル》
 R ゼブルン
(R ディナ)
 L ヨセフ
   ┣《エフライム》
   ┗《マナシヤ》
 L ベニヤミン

 彼らのうち、イスラエル十二支族の残りは《シメオン》《ユダ》《ダン》《ナフタリ》《アシェル》《ゼブルン》《ベニヤミン》の7つであり、これの採用は(ダン族以外は)黙示録そのものに登場することからも確定的と思われる。
 逆に、十二支族に入らない「レビ」「ディナ」「ヨセフ」についてはどうなるか分からないが、推測の材料として、その由来を簡単に記す。最有力候補はレビ。ヨセフはおそらく採用されないと思われる。

・レビ
 レビ族は、ユダヤ教の祭司の家系であって継承する土地を持たず、十二支族には数えられていない。
 しかし、黙示録ではダン族の代わりにレビ族が刻印を受けているため、オーギュメントに採用される可能性は最も高いと思われる。

・ディナ
 ディナは、ヤコブとレアの娘である。

・ヨセフ
 年寄り子であった彼は、誰よりも父に愛された故に兄弟たちから妬まれ、エジプトに売り飛ばされたが、諸々を経てエジプトの宰相になり、イスラエルの民を飢饉から救い、兄弟たちとも和解するエピソードを持つ。その後、彼の息子たちエフライムとマナシヤが支族に加えられたため、ヨセフ族とは称されていない。
 なお、黙示録に登場する、刻印を受けるヨセフ族はエフライム族と看做すことができるだろう(マナシヤ族が併記されているため)。


■その他
 ここまで述べたように、(11クラス+特殊)×2=24のオーギュメントを設定するのに、黙示録の七教会とイスラエル十二支族では、合わせても19であり5つ足りない。
 しかし、不足している5つのうち、4つまでは既に埋められている。このうち《アッシャー》と《ピソン》《ヒディケル》については、セフィロトの樹や聖書に由来していることが判明しており、ここでは考察を省略する。詳細は別項を参照されたい。
 最後の《ベレシス》については、これはヘブライ語で「初めに」を意味する言葉であるらしく、ある意味、天使大戦の趨勢を占うギアドライバーにふさわしいオーギュメント名と言えるだろう。

■七教会+十二支族のパターンと例外
 ここまで見て来たとおり、残り12枠のオーギュメントのうち、11個までは確定的である。また、それらの組み合わせのうち、4つまでは「黙示録の七教会」+「イスラエル十二支族」のスタイルが取られるだろう。
 どのクラスがどういう組み合わせになるかは、GF誌14期2号を待つとしても、このパターンに当てはまらない、おそらく「イスラエル十二支族」+何かをオーギュメントとするクラスを推測してみるのは、面白い試みと思う。ちなみに、既に存在しているパターンでは、ギアドライバーとソルジャーがこれに該当する。
 もちろん何の根拠も無いため、まったくの憶測で述べるが、たぶん例外パターンが適用される最有力候補はシンガーだろう。既にシュネルギア無しでも天使兵を打倒できる力を持ったシンガーが、ギアドライバーと同じく例外パターンの適用を受ける栄誉に浴するのは想像に難くない。
 また、ソルジャーの対比として考慮するなら、ツィヴィールも有力な候補に成り得る。シンガーとツィヴィールという、天使大戦からは最も縁遠く、だが対天使戦闘においてはギアドライバーやソルジャーのように鍵となる2つのクラスに、例外パターンが適用される可能性は、比較的にせよかなり高いかも知れない。

 その場合、七教会に代わってどんな名称が入ってくるか、予測するのは難しい。しかし、ちょうど《アッシャー》が追加されたことから考えれば、セフィロトの樹が繋ぐ世界の名前でまだオーギュメントに使用されていない《ブリアー》と《イェツラー》が入ってくるのがいちばん分かりやすい形だろう。
 なお、十二支族の方は7つを残しており、単純に考えれば1つ余る計算になる。この場合、外されるのはヨハネの黙示録に登場しない《ダン》だろうか。黙示録でもエンゼルギアでもハブられるのは、やや可哀そうな気もするが……。
 ダン族が採用されれば、残り枠は1つとなる。《ブリアー》と《イェツラー》のどちらかが外れるか、あるいは《ベレシス》のようにヘブライ語由来の何かが入ってくるかも知れない。
 果たして答えはどうなるか。GF誌14期2号を待ちたいところである。


記:2009.12.12


エンゼルギア研究所/管理人:相馬斉遠