考古学のおやつ

失われた名前−3000アクセス記念

萬維網考古夜話 第42話 1/Oct/1999

おかげさまで,このコラムも累計3000アクセスとなりました。ありがとうございます。今週を記念週間にして第2回アクセス感謝祭を……と思っていまして,準備もしていましたが,この時期忙しい業種なもので,ついに間に合わず,特集用のネタを今回分に充てます(^^;ゞ。考古学と大して関係ない手の内暴露ネタですが,お許しください(通常−何が通常かよくわかりませんが−のネタももちろん準備不足です(^^;(^^;)。


最近は考古学の論文も整った章立てのものが増えてきました。「資料」−「分析」−「考察」と明確に分けて,詳細な分析と,気合いの入った考察,おぉ,すげーぞ,この学生さん,でも,分析も考察もそれぞれ単独の論文みたいで,相互につながりがないぞ(^^;,……なんてのもありますが,まぁ,今後に期待と言うところでしょうか。

一方,このコラムにそんな整った章立てなんてものはないわけで,むしろ,いかに形を崩して,見てくださる方の期待を裏切ろうかと,そんな思案ばかりしています。タイトルを裏切り,前のページを裏切り,前の段落を裏切り,直前の発言を裏切って,もう42回にもなるわけですが,中でも悩むのがタイトルです。基本的に,「できるだけ意味のないタイトルを」と考えていますが,それでも名前には気を遣いたいところです。
そんなわけで,各話のタイトルも,準備中から公開まで何度も変更したり,公開後に変更したりしています。今回は,その変更前のタイトルを少し集めてみました。

わからないなら楽しもう
第3話 知るは楽しみなり?(9/Dec/1998)の原題です。あまりにストレートなタイトルなので,中で例に挙げた鈴木健二さんの言葉に差し替えました。今思うと,このころのタイトルは素朴でしたねー(^^。
このときもお話ししましたように,私はこのサイトで人に何かをわかりやすく説明しようなんて気はさらさらないので,わかるかどうかとは全く無関係に,とりあえず楽しんでください(相変わらず無責任)。
偏在する考古学情報
もともと,第15話 考古学者,応答せよ−偏在する考古学情報(3/Mar/1999)のタイトルに使っていましたが,「偏在する考古学情報」をシリーズにしようと思って副題に回しました。でも,まだこの副題で2回しか話してません(^^;。
この回は,内容的には気に入らない部分がありますが,改訂のしようもありません(^^;。
情報仲買人を撃て
で,限られた「偏在する考古学情報」シリーズの2回目が,第20話 公正なる仲買人−偏在する考古学情報(6/Apr/1999)でした。「応答せよ」の次に「撃て」と命令形を連ねようと思ったのですが,命令ネタは続かないと判断して,今のタイトルになりました。でも,シリーズ自体が続いてないですね(^^;。
ふたつしかないもの
ちょっと順番が前後しましたが,第18話 第三の選択(24/Mar/1999)の当初案です。第5話 ひとつしかないもの(22/Dec/1998)から遠からぬ時期に公開する予定だったのですが,あまりに安直なタイトルなのでやめました(^^;ゞ。「第三の選択」も安直ですが(^^;。
土器の話ってウケないから,やっぱりやめた方がいいみたいですね。
時を駆ける弁当箱
第23話 よみがえるオーパーツ・前篇(30/Apr/1999)・第24話 よみがえるオーパーツ・後篇(6/May/1999)の原題でした。後篇の末尾にもあるように,周處墓の「アルミニウム製帯金具」は弁当箱のかけらだった,といううろ覚えの情報からつけた名前だったのですが,この話の典拠がついに見つからず,困っていました。
酒の席である人に,「こんな論文があるんですよ」と,書きかけだったコラムの内容をお話ししたところ,「それって,なんとかって言ったよね。えーーと,そう,オーパーツだ!」という反応が返ってきましたので,そこから発想して「よみがえるオーパーツ」になりました。
この回は,事後にメールや口頭で感想や情報を数多くいただきました(最近も時々あります)。また,その後自分でも調べを続けているので,何度も原文に手を入れています。現在は公開当初とは幾分違ったニュアンスになりました。その過程で私の方が結論に困ってしまい,後篇の後半,話の結論の持って行き所に迷っているのも,そのせいです。全面改訂も考えましたし,続篇も準備しかけましたが,いずれも成稿にいたらず,未完成のままです。
実測狂時代→実測時代1→実測の世紀1
第30話 実測の世紀1−濱田耕作(17/Jun/1999)のタイトルは,ころころ変わっています。最初は「実測狂時代」でしたが,「狂」は意味が強すぎるし,一方的な立場を示しているみたいなので,公開直前に「狂」を取って「実測時代1」にしました。でも,語呂が悪すぎるので,公開翌日に「実測の世紀」に変えました。ところが今度は「20世紀は実測の世紀だが,21世紀は実測の世紀じゃない」みたいな雰囲気になって,どうも落ち着きが悪いようです。
その後,第36話 実測の世紀2−辞典類(28/Jul/1999)を追加するとき,どうもこのシリーズは4回か5回続きそうだと思い,副題をつけて「実測の世紀1−濱田耕作」にしました。
でも,当分完結しそうにありません。それよりもarc-netで熱い議論が戦わされているようなので,実測図問題に興味をお持ちの方は,そちらをどうぞ。
逆サバ全国区→逆サバ全国区・前篇
第33話 25000年問題−逆サバ全国区・前篇(6/Jul/1999,14/Jul/1999)の当初のタイトルです。2回シリーズ,3回シリーズと回数が増えてしまい,同じタイトルでは寂しいからと,第34話 朝日のデッサン−逆サバ全国区・中篇(13/Jul/1999,14/Jul/1999)公開の時に「25000年問題」にしました。
ところが,3回シリーズにしたもんだから,タイトルの由来となった話が第35話 悩めるきまぐれ−逆サバ全国区・後篇(20/Jul/1999)でやっと出てきても,全然インパクトがなく,単なる余談のようになってしまいましたToT。
このシリーズも,「よみがえるオーパーツ」同様,気合いを入れ過ぎて,その後しばらく筆が進まなくなりました。
冷蔵庫サタデー−間の悪い三部作・前篇
無人テレビ−間の悪い三部作・後篇
第38話 冷蔵庫サタデー−間の悪い三部作(31/Aug/1999,1/Sep/1999)の原題です。そう,2回シリーズで,間の悪い話を延々する予定だったのですが,できてみたらビックリ。いつもの半分の分量しかなくて,前後篇なんてとうてい無理だったのです。3週間ぶりの更新で,勘が鈍ってたんですねぇ(^^;ゞ。その後,話を補って何とか1回分の分量になりましたが。
で,公開した話の末尾に出てくるテレビの話が,当初案の後篇に出てくる予定のエピソードで,かえって冷蔵庫のエピソードが話から消えてしまい,タイトルと内容が一致しないという不思議な現象となったのです。

このほか,話ができてもタイトルが決まらず,あり合わせですませたのが,第14話 リンク姉妹(23/Feb/1999,3/Mar/1999)・第16話 津屋崎から甘木へ(10/Mar/1999,11/Mar/1999)・第29話 失敗は宣伝の母(9/Jun/1999,12/Aug/1999)・第40話 知のウイルス(18/Sep/1999)です。

そうかと思うと,話の中でついにタイトルを説明しないまま終わったり,内容とタイトルの関連が薄いのが,第9話 土器のDNA(19/Jan/1999)・第17話 誰が指南車を発明したか(16/Mar/1999)・第31話 竹の中からお姫様(23/Jun/1999)・第32話 ノストラダムスの日本書紀(30/Jun/1999)・第41話 きゃる子に片想い(24/Sep/1999)です。これらは,内容との関係が希薄なのに,なぜかほとんどタイトルに悩まず,当初案のままで公開しています。
タイトルの変更はありましたが,第38話 冷蔵庫サタデー−間の悪い三部作もこれに近いですね。

こうしてみると,やたらにタイトルに悩んだ話,タイトルが全然思い浮かばなかった話,いきなり無意味なタイトルを思いついた話と,それぞれの内容に何となく傾向があるような気がしませんか?え?しない?そ,そうかな(^^;?

変更されたタイトルをもう一つ。

万維網考古夜話
当コーナー「萬維網考古夜話」が,第4話 出口を模索する九州考古学会(15/Dec/1998)まで使っていたコーナー名です。字画の雰囲気を比べて,第5話 ひとつしかないものから今のタイトルになりました。
当サイトのコーナー名のうち,「さるよい」や「たぬぼり」は「どういう意味ですか」と問い合わせが時々あるんですが,当コーナーのタイトルに関しては,誰も意味や読み方を聞こうとしませんね。聞かなくてもみんな知ってるのか,それとも,気にも留めてないのかな?

[第41話 きゃる子に片想い|第43話 ペーパー協奏曲・前篇|編年表]
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