森に帰ったしな乃

                               






                                                                       





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2001年12月 2日(日) 遺族の会、忘年懇親会開かれる

 12月2日(日)東京高輪の和彊館で、全国交通事故遺族の会の忘年懇親会が開かれました。遠く宮崎県などからおよそ70名の会員が集まりました。
 冒頭はこれも恒例の「クラシック音楽の集い」で、今回は西田幹さんの「ベーストロンボーン」が主役という珍しい音楽会でした。トロンボーンの切ない響きと、ピアソラのタンゴが絶妙な雰囲気を醸し出してくれました。
 そのあと食事会に移り、和やかな中、光陰の流れの早さを語り合いました。スピーチでは、鈴木共子さんから悪質交通事犯の罰則強化についての報告などもありました。この懇親会をもって、今年の行事はお終いです。今月の花は、師走の霜の中にも咲く「ネリネ」の花です。


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2001年11月19日(月) 犯罪被害者フォーラムで、交通事故遺族として講演

 11月19日(月)、東京都千代田区の「グランドアーク半蔵門」富士の間で、第6回犯罪被害者支援フォーラムが約300人の参加者を集めて開かれました。
 この会は、(財)犯罪被害者救援基金・日本被害者学会・全国被害者支援ネットワークが協賛しての「犯罪被害給付金制度発足20周年記念事業実行委員会」が行ったものです。
 午後の部の冒頭、同委員会より被害者救援の功労者として、井手会長が記念すべき第一号で表彰されました。表彰式は、救援基金の那須 翔代表より、表彰状と記念品が会長
 に手渡されました。そのあと、私が交通事故被害者・遺族の声として、ショートタイムの講演をしました。この中では、自助団体のネットワークこそ、被害者救援の最有力事業として、その促進を訴え、またボランティアの限界について触れて、会場などの支援をお願いしました。


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2001年11月 7日(水) 井手会長、衆院法務委員会で参考人意見陳述

 11月7日、衆議院法務委員会(保利委員長)で交通事故加害者の処罰強化にともなう刑法の改正について、全国交通事故遺族の会の井手会長が参考人意見陳述を行いました。 今回の改正では、悪質運転には厳罰化がなされるようになったものの、軽い事故については「刑の裁量的免除」が加えられました。
 井手会長の意見は、この減免化に集約された形になりましたが、質問に立った議員の多くは、冷ややかな反応であったように感じられます。


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2001年10月24日(水) 罰則強化刑法改正、衆議院審議入り

 尊い命の犠牲と、37万人にもおよぶ世論の後押しにより、悪質運転の交通事故加害者処罰を強化するための法律が、政府提出案として衆議院法務委員会で審議されます。
 交通事犯の処罰の軽過ぎは、私たち遺族の気持ちを逆撫でするばかりか、交通事故の削減になんの効果もありません。今回の改正では、一方において悪質運転を処罰しながら、軽微な事故の加害者の罪を赦免しようという形になっています。
 この裏側をみてみると、交通事故の処理を減らそうとする法務行政の下心が見え見えです。
 10月24日、多くの遺族の協力を得て、国会議員への陳情を行いました。また同日法務省刑事局三浦課長より、同法案の趣旨説明があり意見交換を行いました。
 25日は、民主党のネクスト・キャビネット 法務部門会議に招かれて、井手会長・大木さんと、法案の修正について意見を陳べました。


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2001年10月14日(日) 遺族の会の大会が開催されました

 秋晴れの10月14日(日)、全国交通事故遺族の会、2001年秋の大会が、東京文京区のシビックセンターで開催されました。山形から鹿児島まで約100名を越える会員が集まりました。
 午前中は全体討論会として、現在立法化に向けて国会で審議されている、悪質な交通事故加害者への処罰の強化ばかりではなく、軽微な業務上過失犯にも厳しい処罰を科すよう求める決議文を採択しました。残る時間は、会員の自由発言ということで、様々な人が、様々な立場と活動ぶりを披露しました。とくに今回の大会で印象的だったことは、若い会員の参加が増えたことでしょう。これは老人や小さな子供が犠牲者になっていることを意味しています。交通弱者すら守れないまま、今日本はテロ撲滅の国際協力という名を借りて、海外出兵を押し進めようとしています。


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2001年10月13日(土) 遺族の会の大会前日の街頭活動

 全国交通事故遺族の会秋の全国大会に先立つ10月13日(土)は、上野公園で悪質運転厳罰化を求める署名運動を行い、およそ30名の会員が集まり、軽すぎる処罰の強化を訴えました。また夕方からは、全国からの宿泊者を交えて懇親会が事務所で開かれました。
 大鍋に煮られたオデンの他、会員の手作りの料理やお土産がテーブルに並んで、夜遅くまで歓談が続きました。


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2001年10月 7日(日) 遺族の会の小旅行は、辰野の「茅葺きの里」
  

 好天に恵まれた10月6〜7日、全国交通事故遺族の会の有志による小旅行が開催されました。今回は長野県の中央部、諏訪湖から流れ出た天竜川のほとりにある辰野町の茅葺きの里です。男性3名、女性6名の小さなグループでしたが、小さいなり小回りの利いたアットホームな旅でした。
 初日は付近の山でキノコ狩りや栗拾いに昔に返って大はしゃぎ。夜は松茸たっぷりの会席料理に舌鼓。翌日の昼は、蕎麦打ち体験と能の鑑賞など、盛りだくさんの内容でした。


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2001年 9月 9日(日) 遺族の会「関西グループの集い」が開かれました
  

 9月9日、大阪府立労働センター(エル大阪)で全国交通事故遺族の会、関西グループの会が開催されました。
 大阪・兵庫・京都・奈良など近畿圏のはか、三重県などからも会員が集まりました。大阪府立こころの健康総合センターの精神科医、岡田清先生のPTSDに関する講演、弁護士の金子利夫先生の法律相談が行われました。相談会の間には「メンタル」と「裁判」の分科会も併行して行われ、有意義な一日でした。
 会員の話から、いつもながら感じさせられるのは、心ない加害者の多さと、その全てが被害者にしわ寄せされている現実です。
写真左は、講演中の金子弁護士  写真右は、岡田先生を囲んだメンタルの会


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2001年 9月 1日(土) 8年目の涙、新たに
  

 今年も、あの忌まわしい9月1日が巡ってきました。9月1日は関東大震災があった日で、世間では「防災の日」と言われています。あの日、娘、しな乃が死んで8年が経ちます。我が家の止まったままの時計は一向に動き出そうとはしません。
 8月30日、仕事の都合で箱根に行きました。暑かった夏も嘘のように涼しいなか、山アジサイの花を見て、森にかえった娘を思い出すことしきりです。写真右は娘と登った箱根外輪山の「明星ケ岳」


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2001年 7月25日(水) 軽井沢の姥百合

 7月の上旬から、連日真夏日が続いています。東京はこのところ毎日35℃以上の猛暑です。25日、仕事の都合で軽井沢に行って来ました。さすがに避暑地だけあって、木陰にはいるとその涼しさが体感できます。
 林の中にウバユリの大きな花房を見つけました。娘の遺作にもある百合です。この22日、遺族の会の理事会が開かれました。10月の総会が10月14日に決まりました。また秋の行楽旅行などが決まりました。


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2001年 7月 7日(土) オカトラノオと木いちご
  

 7月の声を聞くと、梅雨を忘れたかのような猛暑が始まりました。連日の猛暑のなか、仕事の都合で、栃木県の粟野町というところに出かけました。ここまで来ると、気温も幾分和らいでくれます。
 峠道に「岡虎の尾」と「木莓」を見つけました。いずれも、秋の訪れを予感させてくれるものです。岡虎の尾は娘の遺画にもあります。木莓は、娘と奪い合って食べた思い出が、鮮烈に残っています。


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2001年 6月 5日(火) 井手会長自賠責問題を国会で語る

 自賠責保険制度の見直しが、衆議院で審議されています。6月5日(火)、衆議院「国土交通委員会」において、遺族の会の井手会長は参考人として意見を陳べました。自賠責保険の見直しは、「被害者保護の方向が整備された後」という確認が反故になったこと。さらには、今後の運用について、運用益の確保とチェック機関について適正な運営を求めました。
 その他の参考人は、自賠責審議会の倉沢会長など。質疑には、共産党の瀬古由紀子議員や、社民党の日森文尋議員、21クラブの森田健作議員たちが立ち、被害者に理解を示されました。


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2001年 5月23日(水) 井手会長衆議院内閣委員会で参考人陳述

 5月23日行われた内閣委員会で井手会長は、審議中の「道路交通法改正」についての意見陳述を行いました。参考人は井手会長のほか、日大名誉教授の長江啓泰さんと、日本てんかん協会の福井典子常務理事の3人です。
 井手会長は免許更新の期間延長に反対、更新時の講習強化などのほか、今回改正の目玉である欠格運転者への範囲拡大について、被害者の立場から、原則としての反対意見を陳述しました。
 これは障害者への人権や、利便性の機会拡大に反対するのではなく、セーフティーネットなどの条件整備を行政に訴えたものです。また、交通事犯の量刑問題など、従来からのテーマもこの場を借りて強く主張しました。参考人にたいする質疑には、民主党の井上和雄議員らが立ち、被害者の実状に耳を貸してくれました。


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2001年 5月16日(水) ミツバチがくれた贈り物

 5月6日のこの欄で、ミツバチの分蜂の話題を載せました。女王蜂が巣を出てからおよそ2週間、引き連れる働き蜂が揃うのを待っていたのでしょうか。その蜂玉は最初の頃の4倍くらいまで成長しました。
 この群が飛び立った後に、妙なものを見つけました。密ロウで作った蜂蜜の貯蔵巣です。手のひらほどのドラ焼きのような巣の中には、たっぷりの密が充満しています。蜂からの贈り物は、とても新鮮で甘い蜜。とっても美味しかったことは、言うまでもありません。


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2001年 5月13日(日) 全国交通事故遺族の会、定期総会開催
  

 5月13日東京港区の労働スクエアで、平成13年度の定期総会が全国から130人の会員を集めて開催されました。
 定期総会では、12年度の事業ならびに決算報告がされ、承認されました。また13年度の事業計画では、21世紀への飛躍ということで、会員が満足感の得られる会にするべく、積極的な活動計画が発表されました。
 また今年は役員の改選が行われ、新しく若い役員が加わり、パワーのある陣容で出発することになりました。
 特別講演では毎日新聞の江差記者から「交通事故をなくすために」行われ、被害者に心強い理解者がマスコミにあることを実感しました。
 なお前日の12日は、渋谷駅前で街頭宣伝活動を行い、多くの市民から声援を送られました。


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2001年 5月 6日(日) 日本ミツバチの分蜂

 今年のゴールデンウィークも、何ら成すことなく終わってしまいました。わが家のベランダの床下に数年前から日本ミツバチが巣を作っています。蜂の数から想像すると相当大きな巣が出来ているようです。妻は死んだ娘が喜ぶからと、駆除することを許さないため、嬉しい反面、羽音などで煩わしいこの頃です。
 今日この群から、新しい女王蜂が分蜂を始めました。軒先に大きな蜂の群がぶら下がっています。間もなく、群を率いてどこかに旅だって行くでしょう。


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2001年 5月 1日(火) キビタキ(黄鶲)とキエビネ(黄海老根)
  

 春は黄色の美しい季節です。菜の花・タンポポ・山吹等など。私の勤務する会社の支店が立川にあります。この数年急速に都市化した多摩の中心都市です。
 その支社の玄関ガラスにキビタキが衝突、脳しんとうを起こして保護されました。やがて気を取り直して、元気に空に帰っていったそうです。同僚が送ってくれた珍しい小鳥の写真です。
 もうひとつの黄色、それはキエビネです。我が家の庭に植えてから約20年。毎年のように可憐な花を見せてくれます。でも増えて来ることのない、慎ましい植物です。この花が咲くと、初夏が訪れます。暦は5月になりました。


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2001年 4月23日(月) 東京 中央警察署でPTSD問題の講演会

 4月23日(月)、午後1時半から、中央区警察署の会議室において開催された「中央警察署犯罪戯被害者支援ネットワーク」において、妻・二美子が「被害者の痛み」と題した講演を行いました。
 これは中央署の幹部と、同区被害者支援ネットワークが開催したものです。警察署の幹部の他、市民側からは弁護士や医者・カウンセラーなどが参加しています。今回は全員で約50名の参加者がありました。


      


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