■今回予告
「私を戦えるようにして。そのためなら、何だってするわ」 瑞穂中学校のグラウンド。
黙々と走り込みを続ける少女は、どこか昏い感情の漂う瞳で、そんなことを言った。
「新型機かぁ。ここんとこ、ロクな思い出が無いのよねえ……」
新州、松城市に所在するG3所属の天使核兵器実験場。
そこで試験が行なわれる新型シュネルギアを前に、アクシア・リヒトヴィッツ大尉はため息をついた。
「完全機械化兵では安定しない、か。――不穏な話だ」
格納庫の裏。闇に潜む気配に向かって、エステイン・アイギス中尉は酷薄な微笑を浮かべる。
新型機の起動実験をめぐる諜報戦。
第3世代人間戦車と、天使兵の激突。
これまで幾度となく繰り返された光景に――どこか違和感があるのは、なぜなのか。
エンゼルギア 天使大戦TRPG 第30話
『戦に、狂う』
「――これが、シュネルギア……?」 |