エンゼルギア研究所
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Last Update/2012.02.05


◇ 第67話『少年少女の決闘法』◇

「知らないものが実は入ってましたーって、ほら、あんまり気分よくないだろ?」
――中島茜

 

今回予告/ハンドアウト/自己紹介/シーン1//
Setup-Opening/Motion-Emotion/Climax-Ending


今回予告
 運命と矜持と、おのれ自身と思い出と、絆。
 ありったけの譲れないもののために、少女は決意する。

 期限は三日後。
 各々の人間戦車をチューンアップし、正々堂々真っ向勝負――!

 真夏の空の下、決闘の約束は交わされた。

「真っ向から戦えば、シュネルギアが負けるはずない!」

 シュネルギアをやすやすと叩き落してのけた新型。その名は『ジェットギア』!
 圧倒的なその性能に、瑞穂の少年少女の意地は、打ち克つことができるのか?
 青空を覆う入道雲。照りつける太陽に、白く染まる滑走路。
 閃く銃口。交錯する思惑。そして、夏の日差しの影で蠢く陰謀――。

 とんでもなくアツい真夏の日。少女を巡る決闘が、始まる。

 エンゼルギア 天使大戦TRPG 第67話
 『少年少女の決闘法』

「いいでしょう。私が勝った暁には、貴女には――私のものになって貰いますよ?」


シナリオハンドアウト
▼PC1 六道 要  ギアドライバー/コンダクター
 ナビゲーター:司鏡 紀央
 ダーザイン:【中島茜からの親近感】
 技術屋としての経験は兎も角、茜がシュネルギアに傾ける情熱には、ちょっと感心するべきものがある。
 キミが安心して出撃できるのも、何割かがその情熱のお陰かと思うと、本当に頭が下がるってところだ。
 ところがぽっと出の新型――『ジェットギア』は、おもくそ不意打ちをカマし、こっちを撃破してくれた。
 しかもそのパイロット、マーク・スタードラインが、"旧型"を見下しきった発言をしてくれるとなれば。
 憤慨した茜が、マークの持ち出した"再戦"の提案に全力で突っかかったのも、無理のないところで――。

▼PC2 烏丸 大地  ギアドライバー/シューター
 ナビゲーター:リトス・エングリオ
 ダーザイン:【マーク・スタードラインからの優越感】
 模擬戦の最中に、TPOを弁えずに後ろから撃ってきてくれるようなやからは、概ね礼儀知らずと言う。
 その正体が新鋭人間戦車『ジェットギア』で、所属的には味方と知ってなお、憤懣やる方ないのは同じだ。
 よっぽど見せびらかしたいのか、余裕綽々で最初の被害者(PC1)に再戦を持ち掛ける神経も信じ難い。
 しかし、あのにやけ面を見るたび、不快感とはまた別に、頭の片隅で騒ぎ立てるものは何なのだろうか。
 実戦に出るたびに、幾度も感じたこの感覚は――いわゆる一つの“虫の知らせ”ってヤツじゃあるまいか。

▼PC3 アレクセイ・レヴォントゥリ  指揮官
 ダーザイン:【中島三郎からの連帯感】
 第十三実験部隊の花形といえば、シュネルギア・ドライバーたち少年少女であることはまず間違いない。
 だが、それを支える人間の苦労と言うのが、これがまた、筆舌に尽くしがたいものであったりするのだ。
 武器を持たない戦い。前に出るガキどもが生きて帰れるよう、当たり前を当たり前にするための戦いだ。
 中島三郎はそんななかでの大将格で、キミにしてみれば、ある意味最も頼りになる戦友の一人といえる。
 今回の「決闘」、子供たちの意地の張り合いの裏でも、たぶんお互い、色々と苦労することになるだろう。


自己紹介
要:「六道要です。先輩方の足を引っぱらないようにがんばりますので、よろしくおねがいします」
要:「銃も剣も得意じゃありませんけど、エーテルの武器なら少し扱えます」
要:「パートナーは紀央先輩です。まだまだ助けられてばかりですから、もっとがんばらないと……」
要:「あ、お茶とかお好きじゃないですか? よろしければお点てしますけど?」
要:シュネルギア“スオウ”を駆る天真爛漫な少年少尉。
要:和を尊ぶ素直な――軍人向きでない――少年だが、亡き母親の「力がある人は、力のない人の牙にならなきゃいけない」と言う言葉を受け、天使兵と戦うために瑞穂基地に所属している。
要:趣味はヤシマ芸事全般(特にお茶とヤシマ舞踊)とオカリナ演奏。子供の頃から習慣づいてる家事働きはそこらの奥さん顔負けの域に達しており、紀央のお掃除や食堂の手伝いを自ら進んで行っている。
要:初期ダーザインは【司鏡紀央からの母性愛】と【亡き母親からの純愛】。
要:シナリオダーザインは【中島茜からの親近感】
要:PC間ダーザインは【烏丸大地からの苛立ち】です。
要:以上です、皆さん今晩はよろしくお願いいたします。

大地:「烏丸……烏丸大地だ」
大地:「悪いが、オレはそんな大層な人間じゃないぜ。あんまり期待されてもな……」
大地:「百人の他人と一人の友人……どっちかしか助けられないとしたらオマエ、どっちを選ぶ?」
大地:黒髪。黒瞳。黄色の肌。
大地:身長174cm。体重51Kg。
大地:ダーザインは【リトス・エングリオからの拠り所/2】
大地:【烏丸天音からの母性愛/2】
大地:シナリオダーザインは【マーク・スタードラインからの優越感】
大地:PC間ダーザインは【アレクセイからの不安感】
大地:ナビゲーターはリトス・エングリオです。
大地:以上。宜しくです。

アレクセイ:「“ドライクロイツ”所属、アレクセイ・レヴォントゥリG3中尉です」
アレクセイ:「普段はアクシア大尉の補佐が主な任務ですが、部隊の指揮もこなします……あ、そう見えませんか、やっぱり」(しょんぼり)
アレクセイ:「正直いえば、まだまだ戸惑う事ばかりですが。僕に出来る事をやっていこうかと――ってなんですかアクシア先輩?」
アレクセイ:「用事があるから付き合え? また何か無茶をやらせるつもりじゃ……って、そんなあぁぁぁ」
アレクセイ:(アクシアの手でずるずると舞台袖に引きずられ、退場)
アレクセイ:メーヴェ出身で、アクシアとは士官学校時代からの腐れ縁。
アレクセイ:シナリオダーザインは【中島三郎からの連帯感/2】、PC間ダーザインは【要からの親近感/2】。
アレクセイ:以上。今宵はよろしくー。

GM:本日のGMは、SATMRA。シナリオ原作は、非公式SSS寄稿者の、あるば氏でおおくりいたします。
GM:それでは、どうぞよろしく。(敬礼)


■オープニングフェイズ/シーン1 「Please Insert Coin」
 シーンPC:要。

GM:シュネルギアというのは高級品であり、それにも増して精密機器でもある。
GM:象が踏んでも壊れない、とはとうてい行かない。パーツの互換性もない。整備手法だって、技術というより職人芸の域だ。
GM:と、いうことで。模擬弾使用とはいえ、実機での空戦演習なんていうのは、それなりに珍しい話だったりするのである。
GM/紀央:「要さま、トラバント、発進準備ととのいました……あら?」
要:「どうかしたんですか、紀央先輩?」
要:あたふたと不慣れな操作をいっぱいいっぱいでこなしつつ
GM/紀央:「茜さんが見えられていますね。ハッチ、開けますか?」
要:「茜さんが? あ、はい。お願いします」
GM/紀央:「はい、ええと、たしかここをこうやって」
GM:ぷしゅー、と音を立てて、モニタの明かりだけが灯っていたコックピットに、ハンガーの中とはいえ、昼の光が差し込んでくる。
要:「茜さーん、どうかしたんですかー?」
要:身を乗り出して茜に声をかけます。
GM/茜:「よ、要。調子はどう?」チェックシート片手に、いつものように油汚れのしたツナギ姿。
要:「あ、えぇっと……スオウの調子はばっちりです!」
GM/茜:「えっとさ、こないだの訓練データ。S.Q.U.I.Dに入れといたからね。ちょっとバランス変わってると思うんで、注意しといて。っていうのと」
要:「僕の方は……一生懸命やるだけですから」ちょっと頼りない笑顔で
GM/茜:「ん。そりゃ何より。こないだ言ってたトラバントの反応も、きちっと直しといたから。反応がもたつくことはないはずだよ」
要:「はい、ありがとうございます」ふかぶかとお辞儀を
要:「じゃあ本当に、後は僕が頑張るだけですね」にっこりと
GM/茜:「あー……あとさ。ちょっといい? 親父にはナイショってことで」頭を下げた直ぐ横へ、ひょい、と身を乗り出して耳打ち。
要:「な、なんですか?」一転あたふたと
GM/茜:「機体各部のエーテル流をチェックする装置、付けてみたんだよね。あたしの作ったヤツ。試作品なんだけど、動作は問題ないはずだから……って、どうしたのさ、要?」
要:(うかつな接触に注意:なりはちっちゃくてもいちおう思春期の少年ですからー(汗)<要)
GM:(何の話ですか? と空々しくGMは笑うのです)
要:「あ、はいっ、エーテルが流れてそれを調べる秘密装置なんですね!」やっこい身体にどぎまぎして
GM/茜:「そそ。操縦機構自体には、今のトコ触ってないし。うまくいけば、姿勢制御が格段に早くなるんだよ。予想値だと一割ちょっとくらい」
GM:茜は、気にしていない様子であって。後ろからは、紀央が見ている状況なのであって。
要:紀央の視線に気づいて。赤くなりつつもコホンと咳払いひとつ。
要:「えっと……つまり僕はどうすればいいんですか?」>茜
要:さりげなくちょっと離れます(笑)
GM/茜:「ん。いつもどおりに飛んでくれればいいよ。特に変わりはないし……でも、知らないものが実は入ってましたーって、ほら、あんまり気分よくないだろ?」
要:「大丈夫ですよ。僕は茜さんを信頼してますから。変なモノが入る訳ないじゃないですか」にっこりと満面の笑みを向けて。
GM/茜:「ん、ありがと。やっぱ要、わかってるなあ」ぽんぽん、と背中を叩いてくる。……また、微妙に間合いが。
要:「そっ、それじゃあそのあたりも含めて出る前にチェックしますから。コックピットに戻りますね」あたふたとコックピットに退散を。
GM/まどか:「一四〇〇時、訓練開始時刻です。シュネルギア各機、発進準備に移ってください」
GM:と、折りよくアナウンスが入ったりする。
要:「ほ、ほら、まどかさんもああ言ってますし、データはあとでちゃんとお渡ししますから」
GM/茜:「ん。頼んだ。……あたしも行かなきゃね。じゃ、頑張ってきなよ!」しゅぴっ、と手をあげて、かんかんかんかん、とリズムよくタラップを駆け下りていく。
要:「はい、がんばります!」と返して。
GM/紀央:「要さま。ハッチ、閉めますよー」
GM:ふと手元を見ると、不如意だった発進作業が、いつの間にか片付けられていたりする。
要:「了解です、紀央先輩。今日はがんばりましょう」
GM/紀央:「はい。よろしくお願いします」背後で微笑んだ気配。
要:(茜や紀央との会話でリラックスできたことに気づきもせずに)
GM:モニタの向こう。開いたハッチの外には、青い青い空と入道雲。
GM:爽やかで暑苦しい夏の風景。
GM:このときはまさか、僅か数分後に派手に叩き落されるハメになろうとは、予想だにできなかったワケで――
GM:シーンエンド。


■オープニングフェイズ/シーン2 「Opening Demo」
 シーンPC:アレクセイ。

GM:瑞穂基地、一番滑走路。実機演習の監督に引っ張り出された指揮車両の中は、恐ろしく暑い。
GM:というか、エアコンが熱風しか吐き出さないのは、一体どういう了見なのか。
GM:いい加減、外の方がまだマシじゃないかと思えるほどである。
アレクセイ:「……兵装に廻す予算、基地設備の充実に廻してくれないかなぁ」溜息
GM:いいかげんうだりつつふと見ると、滑走路の端に、痩せた人影がある。
アレクセイ:「中島班長。歳なんだから日陰に入って休んでくださいよ」
アレクセイ:いらんことをうっかり口にする男(笑)
GM/中島:「だァれがトシだ、誰が。……坊主。今日はガキどものお守りかい?」
GM:……RFZ−Xから始まった人間戦車の系譜は、少数精鋭の思想に基づいて、恐ろしく尖鋭化した進化を遂げてきた。
GM:その、現時点における最終形態――シュネルギアというのは高級品であり、それにも増して精密機器でもある。
GM:要求されるパーツの精度はとんでもないレベル。整備手法だって、技術というより職人芸の域だ。安定稼動させるなんて、ほとんど魔法みたいなもの。
GM:瑞穂基地のお隣で、その魔法を支えてのける偉大な魔法使いこそが――かの中島三郎である。
GM:本日、出張中のリヒトヴィッツ大尉殿から任された実機演習を、安心して見守れるのも、この御仁の神通力あってこそなのだ。
アレクセイ:「僕らより整備班の方が大変でしょ? シバ主任、嘆いてましたよー」(苦笑)
GM/中島:「ほう。手前の仕事やるのが大変だ、なんぞとボヤく馬鹿ァ、海へ叩ッ込んでやると、常日頃ッから言ってるんだがな」
アレクセイ:「ははっ、こりゃ手厳しい。……時に班長。今回の実機演習、またえらく急いだスケジュールだと思いません?」
GM:唇を歪めて、指揮車の傍らへ。ふかぶかと安煙草を吹かす。
GM:この御仁、ハンガーでは決して吸わないし、したがって吸おうとする命知らずもいない。
アレクセイ:「やっぱ例の式典で“タイフーン”もってかれたの、気にしてるのかなぁ……」
GM/中島:「さてな。……古都のほうへ行ってる、お前ェの上司に聞いたほうがいいんじゃねェのか? そいつァよ」
アレクセイ:「……訊けると思います?」
アレクセイ:制帽を被ったままの頭を、こりこりと掻く。今回の演習に際し、アクシアから何度無理を云われたことか。
GM/中島:「近頃の若ェヤツあ、気合が足りねェな」
GM:吐いた煙が、青空へ昇っていく。
GM/中島:「……見てみろや。綺麗なもんじゃねえか」
GM:滑走路から見上げる、突き抜けて青い空、入道雲の合間に、白い光が飛び交っている。ケルン――シュネルギアの航跡。
アレクセイ:「はは、こりゃまた手厳しい。伊達に“ハートのエース”の副官は務めちゃいないつもり、なんですけどねー」
アレクセイ:気弱そうな、へらっとした笑み。どこがエリート士官だというのか。
アレクセイ:しかし視線は、空中を飛ぶシュネルギアを油断無く追う。
GM/中島:「だが、あの光のひとつひとつが兵器なんだ。しかも、乗ってるのは青臭ぇガキどもときやがる」
GM/中島:「うちの茜にしたって、あのとんでもねえオモチャにたいそうお熱さ」
GM/中島:「……俺が手前ェくらいのときゃ、ガキが矢面に立つなんざ、想像もしてなかったもんだ」
アレクセイ:「同感ですよ。――っと、ほら。六道少尉。機体の動きにブレが見られるぞ!」
要:『す、すみません中尉!』あたふた
GM/中島:「なかなかだな。やることはやってるじゃねェか、レヴォントゥリ中尉殿」皺の浮いた頬を歪めて笑う。
アレクセイ:「……ま、出張中の先輩の代わりくらいは務めませんと。後が怖いですから」へらっ
GM/中島:「人類最後の希望――だっけかな。ご大層なお題目だが、せめて俺たちも、見守るくらいはしてやりてぇもんだ」
アレクセイ:「いやはや。まったくもって、同感ですよ」
アレクセイ:空を見上げる。飛行機雲が尾を引いては、消えていく―――。
GM:と――指揮車の通信機が、盛大なノイズを吐き出した。
GM:上空から轟く爆発音。見上げた視界の中で――
GM:墜落していくシュネルギアのシルエットがあった。
GM:安煙草の灰が、滑走路に落ちた。
アレクセイ:「くっ――!! 消火器用意! 医務室に連絡、救護班を廻せ!!」
GM:まどか『りょ――了解、って、あれ? これ、どういうこと? IFF(敵味方識別信号)が――』
アレクセイ:「だあぁぁぁぁ、もうっ!! こりゃ始末書どころじゃ済まないぞ………!!」
アレクセイ:わしわしと制帽を被ったままの頭を掻き毟り、握った帽子を地面に叩き付けて……指揮車の外へ。
GM:気付けば中島は消えている。事態を見た後、最速で持ち場に戻ったのだろう。おそらく。
アレクセイ:「さすが“整備の神様”……。っと、感心してる場合じゃないな。ギアドライバーの保護を最優先して、状況の沈静化を急げ!!」
GM:シーンエンド。


■オープニングフェイズ/シーン3 「ROUND 1...」
 シーンPC:大地。

GM/リトス:「そんな、敵……? どこからっ……!?」
GM:久々の実機訓練――それだけのハズだった。他愛もないとは言わないが、殺伐とした実戦ではないし、もちろん積んでいるのは全部模擬弾。
GM:そのはずだったのだが。
GM:目の前でシュネルギア6番機は、黒煙を上げて絶賛墜落中である。この上もなく完膚なきまでに一撃必殺、二の撃ち要らずの狙撃であった。
大地:「敵? 今は訓練中だろが」
GM/リトス:「そう……だけど。――? 索敵にもかからない。けどっ……!」
GM:雲海に姿を紛れさせているのか、視界にそれらしい姿は――。
大地:「索敵は射撃の方向と着弾時の弾速のデータから逆算してくれ。こっちは警戒迎撃体勢をとるっ!」
GM/リトス:「了解……っ!? 8時方向! 雲の中!」
GM:――現れた。目の前に飛ぶのは、見たこともない形式の、嫌味なほどに白い人間戦車。
大地:全砲門を出来るだけ広範囲に展開。演算結果から算出された方向にとりあえず砲撃。
GM:白い“敵機”は、信じ難い機動でそれを避けてのけた。超高速での乱数回避。
GM/リトス:「……機動性が、カゲミツの115%以上!? 捕捉を――?」
GM:ロックした瞬間。FCS(火器管制システム)がレッドアラートを吐き出した。
大地:「ちぇ、当たらんかぁ……って、む!?」
GM/リトス:「……っ、そんな。IFFは……味方機?! 模擬戦闘対象に未登録……セイフティが!」
大地:「ええい! 仕方ねぇ! ロック外して広範囲に適当にばら撒けっ!!」
GM:その、一瞬の逡巡に。嫌味なほどゆったりとした動作で、右手に持った長砲身の砲が、タイフーンのコクピットに照準される。
GM:――放たれる閃光。
GM:衝撃はなかった。ただ、さっきとは別様のアラートを、計器が吐き出している。
GM/リトス:「訓練用の、集束を落とした霊子砲……? 評定プログラムは、10番機の撃墜を認定」
GM/リトス:「……どうしよう、大地」
GM:着弾を確認したのか。白い人間戦車は、もったいぶった動作で砲をウェポンラックに仕舞いこみ、“両手を挙げて”みせる。
大地:「け、あくまでも訓練ってか。仕方ねぇ。落とされたモンは素直に落ちとくさ」ケルンを変形。シュネルギアの中指を立てつつ逆さまに落下してやる。
GM/リトス:「……了解。着陸準備……する、から」何か気を遣っている、ような気がしないでもない。
GM:確かにさきほど、迅速にIFFやらを確認して処理をしていれば、応戦はできていたはずである。
GM:で、そいつがナビゲータの仕事であることは違いがないわけで。
大地:「気にすんな。本番できちっとやりゃ問題ねぇって」振り向いてニッと笑顔を向けてやる。
GM/リトス:「……ごめん、大地」
大地:「ん? 何でオレに謝るんだ? 謝るなら一応責任者のアレクさんトコで一緒に謝ろうぜ」
GM/リトス:「……うん」頷いた。
GM:垂直落下する機体が、少しだけ引っかかりつつ、滑らかな水平を取り戻す。
大地:「よしよし。じゃ帰還すべ」
GM:シーンエンド。


Setup-Opening/Motion-Emotion/Climax-Ending

エンゼルギア研究所/管理人:相馬斉遠