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5月19日、水曜日。

法廷があって、くたびれた感じを引きづったまま、
なんとなく、特に用事もなく、自宅に戻り、

そのままシャワーを浴びて、
野球でもテレビで見ながら、ビールでも飲もうかという、
べたべたな幸せをもくろんでいたら、

仲間の修習生から、酒飲みに誘われる。

サンダルを突っかけて、
てくてくとそそくさと、お出かけ。

魚民。

もともと高い店ではないのだが、
安めのウイスキーを一本さくっと注文してしまって、
そりをちびちびと。

私は、結局、4時間以上、
最初からいた、他の二人の修習生は5時間も、
魚民で、だらだらだrdr。

とりあえず、大した話題と、大したことない話題と、
だらだらした酔いと、ちょうどうまくはまりあって。

5時間、3000円程度。
すまぬ、魚民。

でも、この辺の、いい加減さを許すのは、
街の空気もあると思うんだよ。

いっかい、家にかえって、
シャワー浴びても、また出かけるのが億劫じゃない。

もともと都会に帰る予定の私だから言わせてほしい。

田舎も幸せだよ。



5月20日、木曜日。

今日、裁判所から帰るときは、かなり落ち込んでいた、と思う。

本当は、私は今は民事部の所属だから、

貸金だの離婚だの、相続だの交通事故損害賠償だの、が
日々の過ごしていく仕事のジャンルなのだけど、

今日は、弁護修習の時点で、
であった事件の傍聴のために、刑事部の法廷に。

今回の事件はわりと社会的には大きな事件で、
被告人が保釈されているから、
合間に被告人とも話をすることも、可能である。

弁護人についているのが、
私が弁護修習で世話になったセンセイ。

今日は、被告人質問反対尋問検察側、

キレモノという評判の検事が、
かなり論理的で、聞いていて痛くなるような尋問をする、

検察修習をいちおうは経ているので、
私も検事のいいたいところはわかる、

そして、少なくとも日本の刑事裁判では、
事実上、どういう判決が出るかが、わかるということ。

それでも、今日は、私は弁護側、もっといえば、
被告人側の人間として、傍聴席にいた。

被告人に近い人から、
検事をやめて、弁護士になったのは、
責めるよりもかばうほうが向いているからかい、って聞いてくれたけど、

とてもそのことに頷きたくなるような、今日の法廷だったけど、
はっきりそうだと刑事事件に浸れるような事務所に勤めることにはなってない。

検事が追及する中で、
被告人は、完全に自分が思い出せることしか、
そうです、とも、ちがいます、ともいえない。

昔、弁護修習で留置場に接見に行ったときから、
そういうヒトだったのだ、

そして、よくわかりません、と答える。

それが続くと、てきめんに、何かを隠しているような、
そんな風情になってしまうのだ、

確かに、悪いことをしたのかもしれぬ、

そして、何が本当のことなのか、私にはわからない、のだろう、

でも、それでも、

やっぱり、本当のことが伝わらないのを、
自分に若干でも関係のあるフィールドで、
自分の全くの目の前で、でも手出しできないところで、

そのまま進んでいってしまうのを、
ただただ眺めているしかないというのは、

とても哀しい、つらい。


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