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法律、
私はあなたといれば幸せだけれど、
あなたが私といれば幸せかどうかは、
あなたの領域に属することだ。
あなたが幸せだと思ってくれるならば、
とてもうれしいし、私はそれを望んでいる。
されど、そのために、全力を使おうとは思わない。
ぎりぎりにがんばった私の姿を私の価値だと思われては困る。
私の平均的な状態に我慢できるかどうかが大切だと思う。
*
少なくとも、私の感覚では、私たちが間接的に、
自分たちを拘束する規則を作ったとは思っていない。
自分がおかしいと思うことを、他の人も、きっとおかしいと思うだろうと
ある意味で、周囲の人間と自分との共通の理解を信じていられる。
誰かが、自分の独特の価値観を持ち出したりすると、
それに対して、自分独自の価値観としてぶつかっていくのではない。
自分が信頼している全体としての価値観からはずれているということを
理由として、その者を異端とする評価を求めることになる。
相互の価値観を本当に信頼して、
それらは、当然にぶつかり合うのだから、
それらをコントロールする規則が必要だとは思っていない。
*
私は、自分で幸せになる。
私は、あなたのために必ず全力を尽くすとは決して言わない。
いえない。
あなたは、あなたとして幸せになってほしい。
他に幸せを求めないでほしい。
*
中学の社会科の時間に公民という授業がある。
三権分立とか民主主義とか、
シンボリックな政治的キーフレーズを学ばされる。
これらのキーフレーズが、それぞれの人間が、必要なものとして
合意したのだとは、あまり思わなかった。
むしろ、現実にそこに存在する社会の構造を説明するための
それなりによくできた理屈だと思った。
世の中には、すでにすべからき構造が理想として存在し、
あとは、それを学者が理屈として名前を付けるものだと思った。
自分らを支配する権力といわれるものが、
自分らが委ねて作り上げたものだとは思っていない。
根本的には、悪いことだともっともらしい人に言われれば、
そのことを信じて、全体のコンセンサスの存在を認める。
その縛りが少しづつほどけてきて、
以前から世の中にある拘束力に必ずしも従わなければならないとは
思わなくなりだした。
ところが、権力という一種の絶対神から完全に逃れるのではなく、
それらに、自然と従ってしまう、従いたいと思う心がどこかにある。
その権力の代替物を求めている。
自分で何が自分に大切なことなのか、本当に真剣に思い詰めるほどの
本当に息の長いこころ構えを持ってはいない。
あるところで、結論を求めてしまう。
何か単なる事実を辞典で調べるかのように、
自分の価値観をどこかから教わろうとする。
誰かの命令に従うことの簡単さを私は知っている。
先頭を他人に切らせて、それについていくことで、力を余計に使わずにすむことを
私は知っている。
*
幼い頃は、親の存在がそのまま正の方向で権力になったり、
逆に負の方向で権力になったりした。
親に反発をすることが親離れではないのはもちろんであり、
自分を生んだ世界から独立して、
所詮は、いつまで立っても個人としては永遠に孤独であることに気づいて、
自分がいざというときに頼りにすることのできる自分を作らなければならぬ。
*
自分を仕切ってくれる人間を求めたくなる気持ちは分かるのだ。
私自身、常に自分が先頭に立っていられるとは思わない。
誰かに、常に自分を引っ張っていってくれることを
願っても無駄であること、それは、強いて言えば「神」に
求めるべきことであるということ。
すなわち、求めても得られないものなのだと、私は思う。
ただ、時に、あなたに求めることがあるだろう。
その自分は、間違っていると、私は思う。
*
本当に自分が頼れるのは、自分しかいない。
自分が本当に好きな人と一緒にいれば、
私は幸せである。
ただ、正直にいって、あなたを私の力で幸せにしようとは思わない。
あなた自身は、あなたの力で幸せにならねばならぬ、
そのときに、そのとなりにいたい。
幸せなときにも不幸なときにも、
私は何もしないと思う。
ただ、そこに、かたわらに、いるだけである。
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