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7月、(4)
7月23日、金曜日、前半、
今日から、札幌にたつ、
私が生まれたのは、東京都品川区。
幼稚園に東京で入ろうとしたちょうどその年、
父親が転勤で、北海道の登別に引っ越した。
登別で、幼稚園2年間と、小学校を5年まで。
再び、父の転勤で、同じく札幌に。
札幌で、小学校を卒業し、中学校を1年まで。
ここで、旭川に転勤。
中学校は旭川で卒業した。
父親が転勤族で、中学校までは、簡単に転入することもできるが、
高校以降になると、なかなかそう簡単でもなく、
それなりに進路のことも考えてくれたのだろうが、
ゆくゆくは、東京の大学に進学したいと、
漠然と考えていた私に、両親は、寮のある高校を受験することを
勧めた。それが、横浜の高校だった、
よって、高校は神奈川で卒業。
大学は東京。
修習では、山梨に行くことになった。
友達のなかで、会いたくなる連中というのは、
中学校のときの仲間に多い。
中学校くらいだと、それぞれのメンツが、
いろいろな選択肢のなかで、生きている。
ある意味で、利害関係が現在にまで引きずっていない、
そんなきれいな連中である。
そもそも、そんな疑似里心みたいなのがついたのは、
山梨で、地元の人と知り合ったから、
小中高と、地元で過ごして、
大学なんかで東京にでても、また自然と戻ってきていて、
それらの人たちが、緩やかな集合体を作っている様子は、
よそものの私に、とてもうらやましい思いを抱かせ、
そして、自分が過去をすべて捨て去って生きてきているような、
そんな危惧を生じさせた、そして、それを振り払うために、、
*
なんとなく、だらだらと朝方の時間を過ごし、
11時ころ家を出る。
羽田も遠くて不便だな、とおもいつつ、
羽田と千歳と同じくらいの時間を、
調布から羽田にまで費やす。
空港について、一息をいれていると、
携帯に留守電が入っているのに気がついた。
聞いてみると、母からであり、
何だか、ハイジャックがあったらしいけど、
飛行機は、順調に飛びそうかい?という内容。
なんとなく、あたりをきょろきょろと見回せど、
空港の待合室付近には、対して情報が流れているわけでもなく、
航空会社が違うせいもあってか、平然と客をさばいているように見える。
時間が迫ってくるので、荷物検査等を経て、
奥の方の待合室に。
そこの待合室には、テレビが設置されていて、
羽田の滑走路の端のほうにとまっている飛行機を映し出していた。
なんとなく、一生懸命見入るのもどうかという気がして、
近くの売店で、生ビールなんざ買って、一息ついていた。
私が、この日に千歳に向かうことを知っていた友達は、
なんか、面白いことでも見つけたみたいに、
私の携帯電話に電話を入れてくる、
そのたびに、新しい情報を仕入れていたのだが、
とりあえず、犯人は取り押さえられた、ときいて、
それくらい簡単な事件だったら、味わってもよかったんじゃないの、と
不謹慎な軽口をたたかれたりしていた、
そのうち、死者が出たのだということを聞き、
あんまり、おもしろそうに語るものでもなくなった、
航空機強取の致死、だと、死刑か無期だったかな、
そんなこんなで、時間が来て、搭乗は時間通りに始まった。
表向き、なんらのアナウンスがあるわけでなく、
とりたてて、羽田にいたからといって、騒がしさを感じるようなこともなく、
私が乗った機の機長がアナウンスで、
滑走路が一本しかつかえないので、少し遅れます、との説明、
それくらいしか、話には出てこない。
滑走路の端まで、てこてこと言う感じながら、
それなりのスピードで走っていって、
横の窓から、先に離陸する飛行機を眺めるかたちで待機。
結構、急角度で離陸するものだな、などと思っていたら、
すぐに次の飛行機が離陸している。
とっても短い間隔で、私の乗る機も離陸した。
カーブで曲がりながら加速するのも、
なかなかあぶなそうで、
機内で正午のニュースを録画して流すのだけど、
それがハイジャックのニュースであったことは、確かだった。
不思議な感じではある。
同時進行的な事件の場合、録画されたニュースというのも妙なものだ。
飛行機は、なんだか悪天候を地上にもたらす雲をさけたのか、
千歳の空港を遠巻きにするように、東側を大回りし、
北側から滑走路に着陸、
さすがに雲を抜けるあたりで、すー、という感じがするのが、いや、
慣れていないのか、といえば、割と小さい頃から乗り付けている飛行機だが、
あれは、いまだにとてもいやで、
肘掛け、つかんでしまったりすると、むやみに恥ずかしかったりする。
千歳の地上は小雨、といった感じ。
とりあえず一服して、JRで、札幌へ。
山梨には、リニアの実験線があり、
今はなき金丸信の政治力のたまものであることは、
周知の事実だったが、それも何やら現在は斜陽で。
千歳から札幌までは、そこそこの時間がかかる。
リニアの実験線の候補地に確か、ここらもなっていたようなことを思い出し、
かれこれの内に、札幌到着。
ほんとは、千歳で北海道到着なんだが、
どうも空港には、よい風情はないと、私は思う。
別に嫌いな場所ではないけど、
札幌についてから、みょうに懐かしいという部分の感情を活性化させた。
札幌には、現在、親父どのが単身で赴任している。
50歳を過ぎてからの単身であり、ご苦労なことだとは思うが、
私よりは、百倍は家事能力がありそうなんで、
それほど心配していないとすれば、とっても申し訳ないこと。
親父のうちにとりあえず、落ち着いて、
ただ、エアコンがあるわけでもないなかで、じっとしていると、
自分がいかに普段、エアコン漬けになっているかを思い知る。
父親に連絡して、到着を告げ、シャワーを浴びると、
部屋の電話がなるので、ちょっと躊躇しつつ出れば、親父。
- どしたの、
- いや、ハイジャック、
- ああ、とくになにも、いま、しったの?
- 夕刊見たから、
- そうか、
- それなら、
とても簡潔に応対、この簡潔さについては、
親父を非常に尊敬している。
お出かけの準備を、
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