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7月、(7)

7月25日、日曜日、

夜半から朝方にかけて、なんどか雨が降ったようで、
うとうとしている中で、突然、テントをたたく雨音が聞こえた。

天候としては、暑くもなく、寒いと言うこともなく、
寝袋を敷き布団にして、そのまま寝ていられる絶好の気候。

オモテで寝ている方が気持ちがいい感じがしてくる。

みんながもぞもぞと起きてくる。

既にはっきりと明るい空と海の元で、
みんなが寝ぼけ眼でたばこを吸ったりしている。

どうにも、あまり朝が似合う風情ではないけれど、
朝自体は、私たちに対して、気持ちのよい空気を、

雨が降ってしまったことで、
昨夜、そのまま若干の残り火があった炭火が、
キレイに流れてしまっているので、

とりあえず、再び火をおこす。

だんだんと火が起きてきたところで、

総料理長などを中心に余り物の野菜やらウインナーやらで、
起き抜け用のスープを作っている。

コンソメを持ってくれば良かった、などというつぶやきを、
遠目の耳に聞きながら、朝からビールを空ける。

結構、ろくでなしであり、大変貴重なリラックスである。

料理長がもってきたガーリックバターを少し溶かしてみたり、
焼き肉のたれを微妙な量だけ足してみたりする。

弱めの炎とはいえ、ぐつぐつと炭火が、鍋をあぶる。

やがて、おいしそうな香りがそのあたりに漂う。

よくもまあ、こんな感じで、寝ぼけた感じのなか、
これだけの味を作ったという感じ。

朝ご飯として、フランスパンにガーリックバターを塗って、
あぶったやつがそれぞれにあたる。

遠目でまぶしそうにしながら、それなりにおいしいそれらを
食べつつ、さすらいがお好みの料理長に賛辞が飛ぶ。

そのうち、タイ料理でも、そう、トムヤムクンでいいや、って

日が高くなるに連れて、
速い速い雲の動きが目に入ってくる。

テントを撤収するにあたり、
できればぬれていない方がありがたいということで、
男どもが泊まっていたテントをとりあえず撤収する。

今日も風が強く、二人で持っていても離陸しそうなところ、
Sの的確な指示の元、主体性があるのかないのか、よくわからない
四名でテントを撤収する。

一晩明けて、すっかり私のことなんざ忘れてしまったような顔をしている
小さな女の子に、相変わらず変な顔をして見せたり、

何だかだらだらと焼き続けている焼きそばを食べてみたり、

えらい波遊びが気に入ってしまって、遥か遠くにまで
出ていっている女の子を眺めたり、

ゆったりとした時間の流れは、
慢性的に気持ちよく居られる程度のビールの継続的補給において、

それぞれの時間が、なんとなく融合しているような、
緩やかな風の吹いているもとで、

しばらくの時間ののち、
本格的な黒い雲が向こうから近づいてくるのを見つけたときに、

その時間に一つに区切りができる。

泡食ったように撤収。

テントをしばるひものような物が、最後に余ってしまったりする中、
撤収を終えた人々は、再び車中にそれぞれ収まる。

帰り道、小樽の祭りだかで、渋滞が予想されるメインのとおりを避けて、
裏道をぬけるようにして、帰路につく。

Sの彼女は、それほど運転が上手でもなさそうだけれど、
横の車線に少しでもスペースがあれば、ただちに車線変更、

Sが結構本気で追いかけても、追いつかない走りを見せる。

Sの同僚のO氏は、おおきな排気ガスのパイプと、
路面のでこぼこをそのまま座席に伝えるタイヤ回りを誇示しつつ、
トンネルではそこら辺り一帯に自分のクルマの音を響かせる。

札幌市に入る。

親父の家にまで送ってもらって、
お開き。


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