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ごはんとバレーボール、

消化吸収の良くない小振りなバレーボールを
丸ごと飲み込んでしまったみたいな目覚め。

おなかの表面にエンドラインが常に張り付いていて、
どんなに移動してもボールは常にコート外にあるみたいな、

役に立ちそうもないボール位置を抱えて目覚めました。

胃が不調。

*

甲府に移り住んで以来、テレビの空き箱の中に
大事にしまい込んでいた炊飯器を思い立って取り出して、

釜と内蓋と添付のしゃもじと計量カップを洗って、
近くに新しくできたファミリーマートで一キロの米を買って、

一合がどれくらいの量か分からないので、
唯一の偶数の素数に経緯を払い、
といで、水にさらして、

水平な場所で目盛り線まで水をいれて、
表面張力を痛感して、縁の部分の盛り上がりの真ん中に
目盛りを合わせて、妥協したような気持ちになりつつ、

セットして、炊く。

ボタンの右も左も分からないけれど、
炊飯と書いてあるところと、
悩んだ挙げ句の白米高速とに初炊きごはんの命運を委ね、


水蒸気が炊飯器から上がっているのを見ながら、
何となく米の表面が気化して立ち上っているような妄想を抱き、

蒸らしに突入したときの残り時間カウントダウンを、
一分というのは、意識すると長いなと思いつつ見守り、


ガムテープで床に落ちている髪の毛を取り除きながら、


公式には炊けたという時間から、なお数分のロスタイムを見込んで、

ふたを開けるや、きれいなごはんが並ぶ。

あな、うれしや、


おろし立てのしゃもじで、切るようにとはいかに、と思いつつ、
ごはんをかき混ぜる。ふたを閉めておく。

食品をため込んでいる小型冷蔵庫(現在非通電)を
なにかおかずをと思いつつ物色するも、

ふと思い立って、ふりかけごはんを二膳ですます。

芯とかがないことを祈りつつ、口に含み噛む。


うまい。

しあわせ。


インスタントのみそ汁をお湯で溶いて、
ごはんとその上のふりかけとを、みそ汁と交互に食べる。


夕飯は、残ったごはんでレトルトのカレーを食することに決め、

一日が終わったような気に。

*

腹の中にあるバレーボールとふりかけごはんとが、
入れ子構造になっているような気がしたので、
気合いをいれて消化した。

胃に力を込めるのは難しくないことが分かった。


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